手がかからないはずの中学生。そのママが社員にならない切実な理由とは?
子育てと仕事。働くママたちにとって、この両立は永遠のテーマかもしれません。小さな子どもを育てるママは、「この子が大きくなったら、働きに出よう」「もっと大きくなったらバリバリ働こう」と想像することもあるでしょう。ただ現実はどうでしょう? ”自分で自分の世話ができる年ごろ”であろう中学生にでもなれば、ママは仕事に集中することができるのでしょうか?
中学生なんて、もう手もかからないはず。どうしてパートを選ぶの?
小さな子どもを3人育てながら正社員で働いているというママから、こんな投稿がママスタコミュニティにありました。
『新しく職場に入ってきた、パートの人。我が社は基本的に正社員のみなので「どうしてパートなの?」と聞いたら、「中学生の子どもがいるから」と。「社員だと残業もあるし、みんなが仕事をしていたら帰社しにくい。帰宅して夕食を作って塾に送っていくのが大変で、時間がない。子どもが高校生になったら社員になるかも」って言ってたけど……。中学生って、そんなに手がかかるもの?』
投稿者さん自身は仕事と育児を両立させているだけに、よけい不思議に感じたよう。
このトピックに続々と集まってきたのが、実際に中学生を育てているママたちからのコメントでした。
『子どもが小さいうちのほうが、ラク。まわりも「お子さん小さいから」っていろいろ気にかけてくれるし、まだかわいいしね。貯金もしやすい』
『小さいころとは別の意味で手がかかるんだよ。うちも息子が中学生のとき職場から「勤務時間を遅くして」ってお願いされたけど、息子がやんちゃだったから好き勝手されたら困ると思って断った。保育園や学童に預けていたほうがラクだったよ』
『小学生のときより、中学生のほうが大変だわ。やることも多いし、精神的にもきつい。小さいころはかわいいし、行動範囲も把握できるからラクだったな』
「保育園時代が一番ラクだった」という声が続々とあがりました。
子どもの予定に合わせ、スケジュールは分刻み。多忙な中学生親子
中学生のママたちを忙しくさせているもの、それはズバリ子どもの「部活動・塾・習いごと」のフォローです!
『塾のある夜と、試合がある土日が大変。ひとりっ子ならまだよいけど、きょうだいがいると塾のある曜日も違う。昔みたいに塾も部活も子どもがひとりで行って帰る、っていう時代じゃないんだよね。小さい子なら、夜に出かける用事なんてそうないでしょ?』
『うちも上は高校生、下は中学生だけどパートで働いているよ。塾や部活の送迎もあるし、それぞれの部活で汚れるから洗濯物が山ほど出る。毎日5回も洗濯機を回しているよ。試合の送迎とか、やることはいくらでもある。子どもが小さかったころより、忙しいよ』
『私は社員だけど、17時の定時でさっさと帰っています。急いで帰宅して夕食作って、塾の日は部活で時間ギリギリだから学校まで迎えに行く。車の中で夕食を食べさせて、そのまま塾に送るというのが週3回。土日に試合があれば早起きして弁当作って、現地まで送迎。休む暇なしだよ』
子どもの予定に合わせて「分刻みのスケジュールで動いている」というママも多数。ただそうしたコメントに対して、辛口の意見もありました。
『中学生にもなって、ひとりで塾にも行けないのか? どんな過保護やねん。しかも中学生の部活の遠征を、なんで親が送迎するねん(笑)』
たしかにもう自分のことは、自分でひと通りできるはずの中学生。ひとりでどこだって行くこともできそうですが……?
『地域によるよ。田舎は街灯も少ないから、暗くて物騒なのよ。塾からも「基本的に帰りは迎えに来てほしい」と言われていた』
『日帰りでも遠方だったり泊まりの遠征だと、保護者の付き添いや引率が必要。公共交通機関や送迎バスを使える場所ばかりでもないし。塾だって、電車やバスの時間が合わないこともある。近場に通ってる子ばかりじゃないでしょ?』
交通の便がよい地域ばかりではないでしょうし、不審者などの心配もありますよね。
中学生なりの大変さはある。子育てで後悔しないために
さらに「手がかかる」という意味では、小さいころにはなかった大変さも。
『小学生のころは素直だし、大変と思ったことはなかったな。寝る時間も早いし、夜に出歩くこともない。スマホのトラブルの心配もなかった。子どもが大きくなれば育児から解放されると思っていたのに、中学生以降がこんなに大変だなんて思ってもいなかった。今が一番キツい』
『親が一生懸命にやってあげても偉そうな態度だし、腹が立つようなことを言ったり。感謝すらない。親っていったいなんだろうね、って思う……』
『保育園時代が一番ラクだったよ。手はかかってもいうことはきくし、寝るのも早いから自分の時間が取れた。大きくなるにつれ主張や欲も強くなる。手は離せても、目が離せない』
放任主義で塾や部活の送迎もないのであれば、中学生のママはそれほど大変ではないかもしれません。「小さなころのようには、手はかからない。すべては親が手をかけるかどうかの違いだけ」という意見もありました。
『私も「子どもは中学生なんだから、ひとりで留守番できるでしょ。早く社員になれよ」って思われているんだろうな。たしかにできるけど、手をかける加減はそれぞれの教育方針で違うよね。子育てで後悔したくないから、今のままのパートがよい』
『みんなが言うように、小さいころとは手のかけ方が違う。正社員になっても子育てできないことはないだろうけど、時間にも心にも余裕を持って子どもと向き合いたいから、私はパート』
子どもが中学生になってから仕事を離れたママ、高校生になるまで社員になるのを待ってもらっているパートのママなど、子育てを最優先に考える人もいました。
子育てと仕事、どちらに比重を置くかはその家庭の考え方次第です。ただよほど放任でないかぎりたしかなのは「中学生のママは忙しい」ということ。まわりに該当するママがいるのであれば「ヒマそうなのに」などとはけっして考えず、ぜひあたたかい目で見守ってあげてほしいですね。
文・鈴木麻子 編集・しらたまよ イラスト・なかやまねこ
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