「老後2000万円問題」は将来のお金を考えるきっかけに。定期的な家計の見直しで貯蓄体質を目指す
「年金だけでは、老後の生活資金が2000万円不足する」という「老後2000万円問題」。「子どもの教育費もかかるし、消費税が10%に上がったから、2000万円も貯められるか心配」という声が聞こえてきそうです。それに対して「老後2000万円問題は、私たちの老後を考えるいいキッカケになった」と話すのは株式会社マネネの久富由加里さん。「楽天ママ割 ママの学校」で開催された「増税、老後に向けて『貯める、使う、運用する』今どきママのポイ活講座」でのお話をもとにお伝えします。
老後どころか貯金をするのも大変。2000万円貯めるには?
「老後に2000万円必要」と聞いて、どう感じましたか? 「うちはもう貯金し終わったから大丈夫」というママもいるかもしれませんが、「子どもが小さくて働きに行けない。毎月の生活費を払うだけで精一杯で、とても老後の貯金まではできない」というママもいることでしょう。
久富さんによると「まずは、どうやったら老後に2000万円貯められるかを考えることが大切です。一番のポイントは時間があること」だといいます。
「いきなり2000万円を貯めようと思うのはむずかしいかもしれません。人によって年齢が違いますが、老後までに約30年、35年などの時間があります。たとえば2000万円÷35年÷12ヶ月と考えると、ひと月当たりに必要な貯蓄額は4万7619円です。老後に2000万円必要なのかというと、正直わかりません。もしかしたら明日亡くなるかもしれないし、逆に120歳まで生きるかもしれません。未来がわからないからこそ、自分が将来どういう生活をしたいのか、老後に何があったらいいのかを考えておくことが大切です。老後2000万円問題は、自分たちの老後を考える良いキッカケになったと思います」(久富さん)
定期的に家計を見直すことでムダに気づき貯蓄体質になる
毎日生活していくうえで、気をつけていても自然と出費は増加しがち。そのため定期的に家計を見直す必要があります。家計の見直しというと、つい毎日の食費や日用品の削減からやりがちですが、楽にできて節約効果が長く続くコツは、「固定費」に注目すること。「固定費」とは、家賃や保険、光熱費、通信費、教育費、定期購入しているものなど、毎月一定額を支払っている費用のことです。
通信費であればスマホの基本プランの見直しとともに、月額課金制のアプリやスマホの故障に備えた保険なども見直しましょう。教育費は塾や習い事代が家計を圧迫していないか。また、使いきれないまま購入し続けている化粧品やサプリメントがないかも、確認してみましょう。同時に、食費や日用品なども見直せば、家計にゆとりが出て、貯蓄を増やすことにもつながります。
毎月収入が安定して得られる今のうちに定期的に生活費を見直す癖をつけておけば、お金が貯まりやすい生活スタイルになります。その結果、老後に必要な額をムリなく貯めることができるようになるのです。久富さんが伝えてくれたように、老後2000万円問題をきっかけに、今の生活を改めて見直してみませんか。
取材、文・長瀬由利子 編集・山内ウェンディ