ママ友の中にパパがポツン……。シングルファザーの僕がママ友の輪の中に入るまで
もちろん僕にはママ友はおらず、ママさんの輪の中に積極的に入って行く勇気もありません。なので、友達たちが楽しそうに遊びに行く後ろ姿を、どこか寂しそうに見つめる娘には本当に申し訳ないな……と思っていました。
子どもが小さい頃は、どうしても園外の交友は「ママ友」同士で集まることが多いですよね。その輪の中に加わることはできないけれど、せめて挨拶だけはしっかりしよう……と、挨拶だけは心掛けていました。
そんなある日、親子遠足がありました。当然、ママ友がいない僕ら家族はふたりで昼食をとります。周りでは楽しそうなママ友と、その子どもたちがワイワイ言いながらお昼を食べています。僕にママ友ができないばっかりに、娘に寂しい思いをさせてしまっている……それが何よりも辛かったです。
僕は特技である宙返りを子どもたちの前でやってみせました。すると、キラキラしたような目で僕を見つめてくれる子どもたち。リクエストにお答えして、何度か宙返りをやっているとどんどん娘の周りにお友達が集まってきました。たくさんのお友達に囲まれて、満面の笑顔を見せる娘。そんな娘を見るのが何よりも嬉しかったです。
その日から、僕は「ママ友」ではなく「娘の友達」と仲良くなりました。僕を見かけると「あーー!〇〇ちゃん(娘の名前)のパパ、来たーー!」と言ってハイタッチをしてくれます。園の帰りも「一緒に遊ばない?」と子どもたちの方から娘を誘ってくれ、ママさんたちも「良かったらどうぞ~」と言って貰えるように。
ママ友の輪に入らなくては……と変に意識し過ぎていましたが、本当に大切なのは子どもと向き合うこと。娘やそのお友達と「楽しく」向き合っていれば、子どもは自然に寄ってきてくれる……。頑張りすぎず、自然体で子どもたちと一緒にいることが大切なのだと感じました。
ママ友関係で悩んでいるママさんがいらっしゃいましたら、どうか頑張りすぎず自然体で子どもたちと過ごしてみてはいかがでしょうか?
脚本・渡辺多絵 イラスト・いちと