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中高生のスマホ経由の出会いは「アリ」が7割、実際に会ったのは約7人に1人。中高生を待ち受ける巧妙な罠も

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生まれたときから携帯電話やスマホが当たり前のようにあるのが、今の子どもたち。”スマホネイティブ”とも呼ばれているそうです。中学生のスマホ・携帯電話の所有率は66.7%、高校生では97.1%だそうで、もはや所有は「当たり前」。もしかするとこの年ごろの大きな関心ごとである”恋愛”も、ママたち世代とは変わっているのかもしれません。

中高生の約7人にひとりが「SNSを通じて知らない異性と会った経験あり」

先日「電気通信業界者協会」が「スマホネイティブの恋愛事情」をテーマに、スマホを持つ中高生500名を対象とした調査を実施しました。スマホを持たせる際「出会い系サイトなどで知り合った人と会うのは、絶対にダメ」などと約束している家庭は多いかと思いますが、果たして子どもたちはちゃんと守っているのでしょうか?

まず聞いているのが、「恋愛をするうえで、スマホは必要不可欠なアイテムだと思うかどうか」。回答では「YES(77%)」が「NO(23%)」を大きく上回りました。
具体的に「どのような点で役に立つ/必要になると思いますか?」という問いに対しては、「交際相手との仲を深める(69%)」、「恋愛対象の人と仲よくなる(63%)」と回答。このあたりは「たしかにそうだろうな」と思うママも多いでしょうが、「恋愛対象となる相手と、新しく出会う(23%)」も約4人にひとり! スマホを「異性と出会うためのツール」と思っている中高生は少なくないのです。

次にあらためて「スマホを使って異性と出会うことは”アリ”だと思いますか?」と尋ねています。その結果「ナシ」も28%いましたが、「方法によっては」も含めると72%が「アリ」! スマホ経由の出会いに、大きな抵抗を持っていない子が多いことがわかります。
sub1「スマホを経由して」を具体的にいうと、やはりSNSを通じて異性と出会うケースが多いよう。次のグラフをみてみると、「SNSをきっかけとして、知らない異性と実際に会ったことがある」子が14%いました。この数字をどんなふうに感じますか?

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出会い系サイトをのぞいても、親には話さない子が圧倒的

スマホを使っていると、さまざまな広告が目に飛び込んできます。その中にはいわゆる「出会い系サイト」と呼ばれるものも。「出会い系サイト・アプリがどのようなサービスなのか、興味がありますか?」という質問への回答は、約4人にひとりがある(23%)」。さらに進んで「実際に出会い系サイトやアプリを閲覧してみたことがある」中高生も15%いたそうです。法律により18歳未満の出会い系サービスへの登録は禁じられているのですが、登録まではいかなくても興味本位でのぞいてしまう子がいるのですね。
sub4「とはいっても、うちの子はだいじょうぶ」と考えるママもいるかもしれませんが、たとえ出会い系サイトにアクセスしていたとしてもそれを親に話す……子はそういませんよね? 「閲覧してみたことがある」子たちに、「それを誰かに話しましたか?」という質問には、「友人・同級生(27%)」や「学校の先輩(11%)」などの回答はあったものの、59%は「誰にも話していない」と回答。「親」と答えた子はわずか4%だったそうです。
親に話していない理由としては「恥ずかしいから(37%)」、「親を不安にさせるから(24%)、「怒られそうだから(23%)」。つまり「よくないことをしている」という認識は、ちゃんとあるのです。「スマホやSNSを通じた異性との出会いには、危険があると思う?」という問いでは、89%が「YES」と回答していたそうです。

フィルタリングサービス活用が大前提。そのうえで子どもと約束を

子どものSNS・スマホの利用実態にくわしい高橋暁子さん(ITジャーナリスト)によれば、近年目立っているのがSNSを通じた「出会い系被害」だそう。

「中高生はSNS上に自撮り写真や個人情報などを多く公開しているため、狙われやすい状況にあります。また、デジタルネイティブな世代だからこそネット上で知らない人とやりとりしたり、ネット上で知り合った人と直接会うことに抵抗がない傾向があるのも、危険な点です」

「出会い系サイト・アプリ」を通じた被害も複雑化しているとのこと。こうしたサイト・アプリは利用者が18歳未満でないことを証明するための個人確認が義務化されていますが、海外サーバーを経由するなど運営者をわかりにくくした闇サイトもあるそうです。さらに申告する本人が「18歳以上」と嘘をつくケースも。

2019年2月には中学1年生の女生徒が、学生限定のSNSアプリで親しくなった56歳男に性的暴行を加えられる事件が起きています。男は「学生」といつわり、アプリ登録していたそうです。
最近は児童・生徒がだまされて自撮りをした裸の画像を送付させられる「自画撮り被害」も多いとのこと。SNS経由で知り合った同級生の女子中学生とやりとりをするうち、話題が身体の悩みのことに。相手が裸の写真を送ってきたので自分も送ったところ、じつは相手は成人男性だった……。そんな具体例もあるそうです。とくに同じ年ごろの子どもたちを持つママにとっては、胸がつぶれるような思いですよね。

こうした被害を防ぐため、高橋さんは大前提として子どものスマホ(携帯)にはフィルタリングサービスを活用することをあげています。
さらにスマホを持たせるときには
「ネット上では年齢や性別などをいつわれること」
「出会い系の被害がたくさん起きていること」

は必ず話しておき、

「ネット上で知り合った人とは、会わないこと」
「裸の写真は、自分が信頼している人であっても絶対に送らないこと」
を約束しておくことを、おすすめしています。
「いざというときには、親がかならず味方になること」
も忘れず伝え、ふだんからなにかあったときには子どもが相談しやすい関係性を築いておくことが重要ということでした。

この先子どもにスマホ(携帯)を持たせるときはもちろんですが、今現在持たせているママは「持たせるときに話はしたけれど、その後とくに注意喚起はしていない」ことも多いのではないでしょうか? 子どもに「うざい」「わかってる!」と煙たがられても、かまいません。折にふれ、くり返し話をすることをおすすめします。

【一般社団法人 電気通信事業者協会による調査概要】
・調査内容:「恋愛」に関する意識・実態調査
・調査期間:2019年2月25日~3月4日
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:スマートフォンを所有する13~18歳の中高生500名(性別および中学生/高校生・高専生で均等割付)

文・鈴木麻子

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