平 愛梨:第1回「自分で言うのも照れくさいのですが、お姫さまのように守られて育ちました(笑)」
このたびママスタセレクトに登場してくれたのは、女優・タレントの平愛梨さん。多くのママたちがご存じのように、ご主人はプロサッカー選手の長友佑都さんです。交際中の記者会見で長友さんが愛梨さんを「僕のアモーレです」と紹介した言葉は、2016年の流行語にもなりましたよね。
結婚された現在は、ご主人の移籍先であるトルコで暮らしています。“ママ”として受けるロングインタビューは、今回のママスタがはじめてとのこと。いったいどんなお話が飛び出すのでしょうか?
人見知りでおとなしかった子ども時代
――まずはご自身のことからお聞かせください。小さいころは、どんな女の子でしたか?
引っ込み思案で、恥ずかしがり屋でしたね。兄がふたりいるのですが、お兄ちゃんがいないと何もできないような。自己主張もしなかったし、物を壊してしまっても何も言わずにこっそりしていたみたいです。
――お兄さんたちといっしょなら、アクティブな遊びもしていそうですが?
そうですよね。兄たちといっしょにセミを取りに行ったり、兄弟で遊ぶときは活発だったみたいなんですけど、そこから外に出るとまったく違っていて。小学校の入学式も、母のスカートの後ろに隠れているような女の子でした。とにかく、人見知りで。
身内のおじさんから、よく「おまえは、しゃべるな」と言われていたんですよ。「しゃべらんかったら、賢く見えるから」って(笑)。そんなふうに言われて育ったので、家の外に出ると前に出たり手を上げて発言したりするようなタイプではなかったです。
――ご兄弟が多いそうなので、さぞにぎやかなご家庭だったのだろうと想像しています。
家の中ではそうですね。5歳上と2歳上の兄、あと3歳下の弟がいるんですけど、何か話すにしても相談をするにしても、ぜんぶ兄弟の中で解決できたんですよ。だから友達に相談する必要がなくて。それで余計に外ではおとなしくなっていたのかもしれません。自分でも外では「猫をかぶっているな」と思っていました(笑)
何かあっても兄弟たちが助けてくれるという安心感がある
――兄弟に守られているような感じでしょうか?
そうなんです。妹がいるんですが、私とは14歳離れているんですね。私は妹が生まれてすぐに東京に来たんですけど、それまでは男兄弟の中で女の子は私ひとりだけだったんです。そんな環境で、母が兄たちに「愛ちゃんはいつか嫁いで、出ていく側。だからそれまではあなた(兄)たちが守りなさいね」というもので。自分で言うのもナンですが、本当にお姫さまのように扱われたんですよ。
――本当にそんなご家庭があるんですね!
洗濯をするのにも私が洗濯カゴを持っただけで、弟が「愛ちゃんにはやらしたらいかん!」って飛んできたり。兄も、私がカギを忘れたりすると自分の用事を差し置いて駆けつけてくれたりとか。本当に助けてもらってきたんですよ。だから私も“もしなにかあったら兄弟たちが助けてくれる!”という安心感が、ずっとあります。
――今でもそうなんですか?
はい。だからもし……万が一にもないとは思いますけど……仮に主人が浮気をしたとしても、うちの男たちが黙っていない! って強気でいられるところがありますね(笑)。
――「平家メンズ軍団」みたいな感じですね(笑)。お母さまは、さぞかし愛梨さんがかわいかったんでしょうね。
あ、兄弟にはそういう教え方をしていましたけど、母は私にも厳しかったですね。
――妹さん(女優・平 祐奈さん)がテレビでおっしゃっていましたが、平家には「20歳まで炭酸飲料・コーラ禁止」のようなお母さまが決めた掟があるのだとか?
「炭酸禁止」というのは、たしかに私もそうでしたね。今回この取材に伺う前に、母に「なにか子育て方針みたいなものはあった?」と尋ねてみたんです。そうしたら「あなたは、とにかく箱に入れて育てたわよ。箱入り娘と言ってもいいくらいよ!」って。とにかく家から出したくなかったみたいですね。
すごく心配症だったので、修学旅行や学校行事にも行かせてもらってないくらい。地元にいたころには、お友達といっしょに電車に乗った記憶すらないです。自転車に乗るのも、「ケガするから、危ない」って言われていました。
――本当に「箱入り」だったんですね!
お友達と遊びに行ったこともないんですよ。プリクラがすごく流行っていたころに、私もどうしても撮りたくてたまらなかったんですけど、母の許しが出なくて。「撮りたい、撮りたい」ってしつこくお願いしてOKが出たんですけど、兄が運転した車で行くという前提つき。兄同伴でプリクラを撮っただけで、そのまま直帰しました(笑)。
かなりはっきりした教育方針をお持ちだったという、愛梨さんのお母さま。厳しさの裏には、それだけ大きな愛情があったのだと感じられます。
次回はそんなお母さまとのエピソードを、さらに探っていきたいと思います。
取材、文・鈴木麻子 撮影・泉 三郎