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出産予定日に間に合わない……余命わずかの祖母がくれた手作りのベビードレス

実家で同居していた祖母が余命宣告を受けたのは、妊娠中の私がちょうど安定期を迎えた頃でした。
母から「おばあちゃん、もってあと3~4ヶ月だって……」と言われたとき、世界中の灯りが全て落ちてしまった……そんな気持ちになりました。おばあちゃんがもうすぐ死んでしまう……。赤ちゃんを見せることができないまま……。1ヶ月……たった1ヶ月間に合わない、祖母の余命と私の出産予定日。どうにかならないだろうか……そんな気持ちのまま実家に寄り、祖母の部屋を訪ねると、祖母が布団に座って何やら作っています。

妊娠8ヶ月に入った頃、祖母から「できたよ」と手作りのベビードレスを手渡されます。手作りの、祖母の匂いがたっぷりと詰まったベビードレスは、お世辞にも市販のものより素敵とは言い難いけれど、どのベビードレスよりも愛情が詰まった1着でした。少しだけ痩せて口数も少なくなった祖母は、私のお腹を撫でて「元気に生まれてくるんだよ~」とほほ笑みます。
「おばあちゃん、昔、私にもよくお洋服作ってくれたよね」と話す私に、「そうだっけ? わすれちゃったよ」と照れくさそうに笑う祖母。私は祖母にどうしてもひ孫を見せてあげたい……。医師に何とか1ヶ月早く産むことはできないかと相談しましたが、赤ちゃんが少し小さめなので難しい……と言われてしまいます。どうにか祖母に赤ちゃんを会わせてあげたい……。私の願いはそれだけでした。
そしてその願いが届いたのか、正産期に入ってすぐに娘を無事に出産。すでに起き上がることも難しくはなっていましたが、祖母の余命に間に合い、手作りのベビードレスを着せて会わせることができました。
しかしそのすぐあとに、祖母は天国へ旅立って行ったのでした。

祖母が作ってくれた、たった1枚のプレゼント。このベビードレスは世界でたったひとつしかない私と娘の宝物です。
おばあちゃん、おばあちゃんに教えてもらってきたたくさんのことを、これから私がこの子に伝えていきます。おばあちゃんの愛情にくるまれた娘が、これからすくすく成長していきますように……。

どうか天国から見守っていてね。

 

脚本・渡辺多絵 イラスト・nakamon

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