小1の子がいつまでも足し算で指を使って数えている……これって大丈夫?
小学校1年生の大きな壁の一つが算数の「足し算・引き算」。ここでつまずき、算数に大きな苦手意識を持ってしまってはもったいないですよね。
筆者が塾講師として現場で子どもたちをみていても、毎年指を使って数え上げている子が一定数います。「1年生になっても、指で数えています。このまま指を使わせていて大丈夫でしょうか……」とお母さんに相談されることも。実は、指を使っての計算からなかなか抜け出せない子こそ、心ゆくまで数えさせてあげたいもの。今回は、頭の中で計算できるようにするためのママたちの工夫をご紹介します。
指での数え上げは、いつ卒業させる?
小学校によっては、1年生の足し算・引き算で「指を使うのはやめましょう」と言われることもあるそうです。そのときにまだ指を使っている場合、机の下やポケットに手を隠してなんとか数え上げようとする子も。そのことで答えを出すのに時間がかかり、苦手意識が膨らんでいくケースをよく聞きます。
とはいえ、ブロックや指など、見えるものを使って数え上げる経験は、数の感覚を定着させるのにとても重要なもの。まだ頭でイメージできないうちに「頭で考えなさい!」と言っても、すぐにできるようになるものではありません。就学前に指を見て数えた経験が豊富な子ほど、指での数え上げを卒業しやすいので、思う存分ブロックや指で数え上げをさせたいものです。
卒業はこちらがさせるというよりも、ある程度実物を数え上げた先に「面倒だから頭の中で数えちゃおっと」と自ら卒業したいと思えるタイミングが適切でしょう。それを待たずに「今すぐ指を使わずに計算できるように」と勧めたい場合は、指での数え上げを頭でイメージできるようにサポートしてあげることが大切です。
お母さんたちが実践!指での数えあげを卒業させる取り組み事例
小学校で指で数えることをやめるように言われたので、数をイメージできるまで一緒に取り組んだお母さんたちから、それぞれの工夫を聞きました。
家ではブロックやマグネットを使って思う存分数えさせました
『学校で「指を使うのは禁止!」となったので、その分家でしっかりできるようにサポート。いくらでも数えていいよ、と宿題に取り組む際に、ブロックやマグネットを使って数え上げをしました』
指で数えつつ、母が子どもの手を覆って見えない状態で数えるようにしました
『指で数えるそのイメージを頭の中で再現できるよう、子どもが指を動かし、それを母が手で覆って隠し、数え上げている状態をそのままイメージできるように。手を見るのではなく、指を折って動かす感覚で数え上げられるようになりました』
簡単な絵を描いて“見える”ようにしました
『丸や棒など、簡単な記号を使って必要な分だけ書き出して数えるようにしました。だんだんと書くことが面倒になり、頭でイメージするようになりました』
手で数えるのは「時間がかかって面倒!」と思えるまで数え上げれば、自然と手を使わなくなります。それに加えて、頭の中でイメージするためのサポートをしてあげることで、より早く卒業できるようになるのですね。
指で数えることは恥ずかしいこと、と伝えると苦手意識を植え付けてしまいかねません。手で数えたくなくなるまでスムーズに数え上げできるようサポートすることが、自信をもって卒業させるポイント。「指を使うのをやめなさい!」ではなく「もう指を見なくてもできるようになりそうだね!」と前向きにサポートしたいですね。
文・Nao 編集・山内ウェンディ