辛いときは逃げたっていい!?偉人の失敗エピソードから学ぶ『失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!』
先日小4の子どもと一緒に近所の書店へ行ったところ、買って欲しいと持ってきた書籍がありました。目立つ黄色のカバーに書かれたそのタイトルは『失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!』です。表紙に描かれている偉人らしき人々が全員「アチャ〜」と言っていて手に取らずにはいられなかったこちらの書籍、大人も一緒にハマったのでご紹介したいと思います。
偉人たちの失敗談に興味津々
『失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!』は、10歳から読める、小学生向けの偉人伝。発売1か月半で3万部を突破した、すでに話題となっている本ですよね。
普通伝記といえば、主人公が子どもの頃努力した姿や、成功したところにフォーカスしてあるものが多いと思いますが、こちらは偉人たちの失敗にフォーカスしています。
例えばファッションの歴史を変えたと言われるココ・シャネルは『「イケてない」と言われたシャネル』と紹介。今や世界的に憧れられるブランドですが、終戦後にシャネルがフランスで開催したファッションショーでは、古臭いファッションショーだったという意味のことを言われてしまうエピソードが紹介されています。
また、勤勉だったというエピソードが有名な二宮尊徳(二宮金次郎)は、貧しかった農村を復興するため頑張りますが、途中で自信を失って逃げ出してしまうというエピソードが紹介されています。
偉人たちの失敗の乗り越え方は?
そしてこの本のいいところは、その失敗のあと偉人たちがどのように乗り越えたかが描かれているところです。二宮尊徳が逃げてから何をして、どのように村の復興を成功させたのか、そして読んでいる子どもに向けてのメッセージと続きます。
『「逃げる」というのはとてもかっこう悪いことのように思えます。しかし、どうしようもできないときは、その気持ちにまかせて逃げてしまいましょう。大事なのは、逃げた後、何をするかです。』
この本を読んだあと、我が子が何かの会話の流れでふと「逃げてもいいんだよ、でもそのあと何をするかが大事なんだよ、本に書いてあった」と話したことがありました。
子どもはこれからの長い人生、たくさん失敗をする機会もあると思います。失敗を恐れて慎重になりがちな我が子が、失敗を避けるのではなく、失敗をしたときにどう立ち上がるのかが大事ということを少しでも感じ取ってくれたらいいなと思います。
著者は『こころのふしぎ なぜ? どうして?』の大野正人氏
著者は文筆家、絵本作家であり、児童書『こころのふしぎ なぜ? どうして?』(高橋書店)の著者でもある大野正人(おおのまさと)氏。子どもにもわかりやすい言葉で、深い視点から書かれたこちらの本は、子どもが読んでも大人が読んでもハマります。
この本には他にも、『「のろま」と呼ばれた、アインシュタイン』、『新しすぎた、ピカソ』など、有名だけど知らなかった失敗エピソードがたくさん。そして最後に出てくる偉人はなんと、「お父さんとお母さん」です。
まだ読んでいないという方は、最後の章がどんな風に紹介されているのか、ぜひお子さんと一緒に読んでみてくださいね。
価格:1200円+税
出版社:文響社