小学4年生がお笑い番組を見て考え出した「人生の成功法則」とは
子どもが勉強をせずテレビを見ている姿を見ると、ついつい「時間割は終わった? 宿題はやったの?」と、声をかけたくなってしまうのではないでしょうか。
筆者が以前に勤務していた学習塾でも、保護者の方から「勉強しないでテレビを見ている」という悩みを聞いたことがあります。しかし何気なくテレビを見ている時間にも、子どもたちは将来に繋がる経験を得ているかもしれません。たとえば筆者が学習塾で教えていた4年生のKちゃんは、テレビに映るお笑い芸人から、人生で大切なことを学んだそうです。
何気なくテレビを見ていたら、Kちゃんが衝撃の一言を呟いた!?
お母さんと4年生の娘Kちゃんがお笑いのコンテスト番組を見ていたときのこと。勝ち残った2組のお笑いコンビが本番を終え、笑い転げて痛くなったお腹をさすりながら1位が決まる結果発表を待っていたそうです。
「どちらも面白かったよね! どのコンビが優勝するんだろう……」
お母さんがKちゃんに話しかけてみると……
「コンビAは話の展開がとってもうまかった。コンビBはあっと驚くポイントがたくさんあった。どちらも良かったよね! どっちかなぁ。私は……、Bが勝つんじゃないかと思う」
と、迷いながらもコンビBが勝つのでは、と推測しました。
このとき、「コンビBのほうが面白いと感じたのかな?」とお母さんは思ったそうですが、実はもっと深い分析をしていたのです!
結果はKちゃんの予想が見事に的中し、優勝はコンビBでした。その結果を知ったKちゃんは、お母さんも驚く衝撃の一言を呟いたそうです。
「私、コンビBが優勝した理由がなんとなくわかった気がする。お母さん、わかる?」
こういう芸人が成功する! 4年生ながらに考え抜いたKちゃんの分析
- (勝ち残り戦の)決勝戦で、残っているということは、どちらもかなりの実力派。力の差ではなく、きっと別のところで勝負が決まる
- 審査員は人なのだから、「あなたを楽しませよう」とする一生懸命さが伝わる方が、目の前の人を感動させて、結果を出せる
- 大切な親を大切にできる・感謝できる人は、人として魅力的で、“選ばれる”人
結果発表後にコメントを求めらたお笑いコンビは、最初に“お母さんへの感謝”を述べました。それを見たKちゃんは、「自分も頑張ったのに、周りの人に感謝できる人は魅力的だ」と感じたそう。コンビBのほうがより目の前の人の心を動かせるのでは、と考え、優勝はコンビBだと考えたそうです。
Kちゃんがお笑いコンテストから学んだ「人生で大切なこと」
「実力が同じくらいならば、より人の心を動かした方に軍配が上がる。そういう人になるために、いつも全力で取り組まないといけないよね。そして、周りに感謝できる人になろう……!」
優勝コンビの姿を見て、自分も人としての魅力を磨こうと決意したKちゃん。4年生ながらに“人生で大切なこと”を考え、自分なりの答えを出したことにお母さんは感動したそうです。
テレビ鑑賞は、家族の学びの時間にできる
お笑い番組から人生のイロハを学び取ろうとするKちゃんの頼もしさもさることながら、楽しくテレビを見る時間が、親子のコミュニケーションや子どもの思考を活性化する時間に変わったことがとても素敵な母と娘の事例でした。
テレビは子どもと楽しく思考力を鍛える話題がたくさん!
筆者が学習塾で教えていた頃、ママたちから「うちの子、考える力が弱いんです。勉強させると、すぐに答えを知りたがって……。どうしたら諦めずに自分で考え抜けるようになりますか?」というお悩み相談を多くいただきました。そんな方におすすめなのが、今回のような、子どもとの楽しい時間を思考力を鍛える時間に変えることです。話題が豊富なテレビは、子どもの興味に合わせて話題を調整するのにも、リラックスした雰囲気で考えを伝え合うのにもぴったりですよね。
もし、お子さんがテレビを見ていたら、「そろそろ消しなさい!」という前に、一緒に番組をみて、「なぜ?」や「あなただったらどうしたい?」などの視点を入れて語り合ってみてはどうでしょう。普段の会話では見えないようなお子さんの本音や考えが聞ける、いい機会になるかもしれませんよ。
文:Nao