PMS(月経前症候群)ってなに?つらい症状の原因と治療方法とは?
毎月、毎月不調だなと感じてカレンダーを確認すると「ああ、そろそろか……」とため息がひとつ。みなさんは毎月の生理前後や生理中に「PMS(月経前症候群)」に悩まされることはありませんか?
PMSって何?
PMSとは「Premenstrual Syndrome」の略称で、日本語では「月経前症候群」といいます。月経のある女性の多くが、月経が近づくと何かしらの違和感や心と体の不調を感じるなか、日常生活にまで支障がでてしまう状態が「PMS」であるといわれています。
例えば子宮の付近となる下腹部に張りを感じたり、腰が痛くなったり。胸がやたらと張ったり痛みを感じたり。他にも「頭痛」や「めまい」「肌荒れ」などに悩まされることもあります。これらは恐らくPMSが原因となっているのではないかといわれています。
今回ママスタコミュニティに届いたのはPMSについて語りたいというママからの声でした。
PMSの症状に悩む人たち集まれ!
このような声から始まった投稿者さんのPMSに対する投稿に、ママたちはご自身のPMSについて語り始めました。そのさまはさながら「座談会」。女性同士だからこそわかる「熱い座談会」を覗きながらPMSについて考えてみましょう。
PMSの症状はさまざま
『イライラと歯茎の痛みが出てきて、むくみ、喉の渇きと来て、最後に暑いのが出てくる』
『胸の張りから始まって、腰の鈍い痛み、胃のむかつきと吐き気、頭痛、だるさ、眠気、イライラ、やる気と思考力の低下が起こる』
『吐き気、頭痛、肩こり。あと目の奥が痛む』
一言に「PMS」といっても、症状は人によってさまざまなようです。似たような症状はあるものの、眠気に耐えられないという声もあれば、逆に不眠になってしまうという声もあり、それぞれに応じた対応法を見つけるのにも一苦労です。
どれぐらいの期間PMSの症状が起こるのか
『生理までの約2週間体調悪いし、生理中も不調。一か月のうち体調良いのは一週間だけ』
『生理の10日くらい前から微熱が37.5度くらいでて、夕方はだるいし吐き気もひどい』
PMSの症状の長さも人によってまちまちのようで、生理が始まる前だけの人、生理中だけの人、生理が終わっても続く人など期間についても対策がしにくいと思われる結果となりました。なかには前後1週間に加え、生理の期間中も、生理が終わってからも不調だという、月の大半をPMSで苦しんでいることになるママもいらっしゃいました。PMSの期間が長いのも本当に大変ですよね。
PMSが起こる原因
PMSが起こるハッキリとした原因は分かっていませんが、女性ホルモンの変動が関わっているのではないかと考えられています。
排卵のリズムがある女性は、排卵から月経までの期間の「黄体期」に、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が多く分泌され、黄体期の後半になると卵胞ホルモンや黄体ホルモンが急激に低下します。そうなると脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こしてしまいます。これが「PMS」の原因だと考えられています。
ですが、月経前や月経期間中などに起こる全ての不調がPMSからくる女性ホルモンの低下だけが原因ではありません。折り重なる多くの要因から起こってしまうのではないかとも言われているようです。
「PMS」と「PMDD」は似ているけれど違うもの
月経に関する不調は「PMS」だけではなく「PMDD(premenstrual dyspholic disorder)」というものもあります。こちらは「月経前不快気分障害」と呼ばれていて、月経前や月経中に起こる症状の中でとくに精神状態がよくない状態が強いときに当てはめられます。
PMSかどうかの診断方法は?
「PMS」に該当すると言われている症状が月経前に毎月起こっている、それらの症状が月経開始後や終わるころには和らいでいることが「PMS」かどうかを診断するひとつの目安となるようです。まずは症状がいつからいつまで出ていて、どのような症状があるかを確認し、月経時期と関連しているかを確認します。PMSと思っていても確認してみると症状の似ている「うつ病」や「PMDD」などの精神神経疾患の可能性もあります。
日本人女性の約7~8割が月経前になんらかの症状がある
PMSとまではいかなくても、月経のある日本人女性の約7割~8割が、月経前に何らかの不快な症状を感じています。生活に困難を及ぼしてしまうほどの強い症状を感じている女性はそのうちの5.4%程度といわれています。特に思春期の女性はPMSが多いという報告もあるそうです。
つらいPMS、どうしたらいい?
『漢方は個人差はあると思うけど、前にも飲んでて今はだいぶ症状が落ち着いたかな』
『布ナプキンにしてからPMSの症状がなくなった』
『ピルを飲み始めたら凄く楽になりました』
PMSの治療には「薬に頼らない治療」と「薬による治療」の2種類があります。ママたちも話しているように、ピルや漢方などを服用することでPMSの症状を軽減できるケースもあります。また、PMSの症状に対する直接的な薬(むくみなどに対しては利尿剤、精神神経症状や自律神経症状に対しては精神安定剤など)を服用することで改善することもありますので、一度産婦人科を受診してみることもおすすめです。
薬に頼らない治療法とは
『薬はアレルギーが怖くて飲めない』
さまざまな事情により薬の服用をせずになんとかPMSを乗り切りたいと考える方は、まずご自身の状態を理解・把握することから始めるのが先決です。生理日予測アプリなどを使えば自動で次の生理がいつごろ来るか分かったり、排卵日なども一目でわかります。基礎体温や前回の月経が何時から何時までだったか、その日の気分や不調などを記録していくことで自分のリズムを知ることができます。
自分の体のリズムを知ることで、上手にPMSと付き合うことができるかもしれません。そろそろだなと分かっていれば、気分転換をしたり、仕事や家事をセーブしたり、早めに体を休めたり。ご家族に協力を求めることだってできますよね。またご自身のリズムが把握できていれば、月経時期に不足しがちな「カルシウム」や「マグネシウム」を積極的に摂取しておいたり、カフェインやアルコール、喫煙を控えるなどのセルフケアができるようになります。
PMSのつらさ、ひとりで悩まないで
ママスタコミュニティのママたちの声をみていると、多くの女性が毎月PMSに悩んだり苦しんだりしていることが良く分かりました。実際にデータとして日本人女性の約7割以上がなんらかの症状を感じているということからも、みんなが抱えている悩みであることがみえてきます。だからこそ、ひとりで悩まないで、ママスタコミュニティのような場所で話してみたり、ご家族に理解を求めてみてはいかがでしょう。
筆者も家族にはPMSが出始める前に「そろそろだから体調がよくない」とか「生理なので手伝ってほしい」などはっきりと伝えるようにしています。どうしようもなくイライラしてしまうこともあることも伝えてあります。家族に迷惑をかけたくない、恥ずかしくて言えないという気持ちもあると思いますが、PMSはママだけが抱えておく問題ではないと思います。お互いを理解し合うことで家族が助け合える、そのような関係になっていけば辛いPMSの症状も和らぐかもしれませんね。
文・櫻宮ヨウ 編集・山内ウェンディ
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