「長ぐつ」は危険!?浸水時の避難に気を付けたいこととは
近年、大雨や台風で浸水被害が相次いでいます。河川や山に近い場所だけではなく、近くに河川のない都市部でも、行き場をなくした大量の雨水で浸水被害が起こる場合があります。
身の安全を守るため、自治体からは早めの避難が求められています。特に子どもを連れての避難はさまざまな困難を伴います。
日ごろからの備えも重要ですが、いざというときのために、避難の目安や避難時に気を付けたいことについてご紹介します。
自主避難の目安は?
自治体から発せられる避難についての情報は「避難準備」、「避難勧告」、「避難指示」の順に強制力が強くなります。小さいお子さんがいらっしゃる場合は「避難準備」の段階で避難を開始しましょう。
自治体から避難情報が発せられていなくても、一時間の降雨量や連続雨量によっては、避難することが望ましいでしょう。自主避難の目安の雨量は以下のような場合です。
連続雨量が150mmを越え、かつ時間雨量が20mmを超えたとき
連続雨量が200mmを越え、かつ時間雨量が10mmを超えたとき
テレビやラジオ、インターネットなどの気象情報をもとに、情報収集を欠かさず、早めに避難を決断しましょう。
浸水被害の避難時における3つの心得
歩ける水の深さはひざぐらいまで
水位がひざより下でも流れが強い場合は流されてしまうことがありますが、ひざより上の水位になると体ごと流されやすくなります。水位がひざ以上になる場合は2階など高い場所に避難し、救助を待ちましょう。
また、子どもも同様に水位がひざより上になると流されやすく、大人にとってはひざ下でも、子どもにとっては危険な水位の場合があります。そのようなときは、はぐれないようにロープでお互いの体をつないで歩く、または子どもを背負って避難したほうがよいでしょう。
避難するときは脱げにくい靴を選ぶ
はだしになると、がれきなどでけがをしてしまう恐れがあります。また脱げやすいサンダル、歩きにくいハイヒールは避けたほうがよいでしょう。
水の中を歩く場合、長ぐつを選びがちですが、長ぐつの中に水が入ってしまうと重くなり、動きにくく危険です。また撥水効果(水をはじく性質)があるため、一度中に入った水は自然に出ていきません。重くなるため脱げやすくもなります。
長ぐつの高さより水位があると、中に水が入ってきてしまい、水に強いと思われがちな長ぐつが逆に足手まといになってしまいます。大雨が続きこれから水位が上がる可能性があるときは、長ぐつははかずに、脱げにくく、歩きやすいひもでしめられる運動ぐつをはいて避難するようにしましょう。
水の中や周囲を確認しながら歩く
浸水時は水が濁っていて、沈んでいるものや段差、側溝などが見えません。長い棒などがあれば、つえがわりにして水の中を探りながら歩くとより安全です。また土砂崩れなどの危険性も高いので、周囲に注意しながら避難しましょう。
早めの避難を!
河川の氾濫や土砂崩れは「まだ大丈夫」と思っていても、一気に起こる可能性があります。避難勧告が出た時点で、人によっては避難が間に合わないこともあります。特にお子さんが小さい場合は早めの避難を心がけましょう。
文・kuro81 編集・山内ウェンディ