停電でマンションが「断水」!水が出なくなる理由と対応策、やっておきたい備えとは
地震や台風、豪雨など、自然の猛威を感じる災害が頻繁に起こる中、災害への備えを意識する機会が増えたのではないでしょうか。また、災害が発生した場合には停電や断水が起こるイメージがあります。でも、停電と断水はそれぞれが別の要因で起きると思っていませんか? 実はマンションでは、停電が原因で断水が起こることがあるんです!
停電で断水?!マンション特有のその理由とは
マンションは戸建てに比べて階数が高い建物のつくりになっているため、水道の仕組みが戸建てと異なります。一般的にマンションでは、ポンプを使って屋上などの水槽に水が貯められ、そこから各家庭に水道管を通って水が送られます。ここで大事な役割を果たしているのが、上に水を送るポンプ。このポンプは電気を使って動いているので、停電が起こってしまうとポンプが止まり、水を送ることができなくなります。つまり、マンションの各家庭では停電が原因で断水が起こってしまうわけです。
2018年9月に発生した台風21号の被害では、このようなマンションの停電による断水が報告されました。地震や台風などで停電が起こった場合は、マンションでは電気だけではなく水も止まってしまう可能性があることを、ぜひ頭に入れておいてくださいね。
そのほかに断水が起こる原因としては、停電以外にも水道管の工事や水道管破裂などの突発的な事故などがあげられます。また、ポンプが故障して動かないなどマンション側の設備が原因となる場合も。通常は水道管工事がある場合は事前にお知らせがあるはずなので、心当たりや停電がなく断水した場合は管理会社などにまず確認をしてみてください。
もしも断水が起こったら……対応策は
もしも断水が起こってしまった場合は、まず家の中の蛇口は締めておきましょう。開けておくと、断水が解消したときに水が流れっぱなしになってしまいます。
また、なかなか断水が解消しない場合は水が足りなくなって困りますよね。停電のため断水している場合は、ポンプが動かないだけなので、地上の水道では水が出るはずです。マンションには地上に近い場所に非常用給水栓が設置されている可能性が高いので、管理会社に確認をした上でそちらを利用してみる方法があります。
断水に対する注意と備え
今回は停電が原因でマンションで断水が発生することをご紹介しましたが、マンションの作りによっては、共有部分が停電することによってエレベーターも止まってしまう場合があります。そうすると水を地上で汲んでも非常階段で自宅まで運ばなければいけなくなるので、さらに大変! いつ起こるかわからない地震などの災害のためにも、各家庭で普段から水をストックしておくことをおすすめします(一人あたり1日3リットルが推奨されています)。台風など停電が起こる可能性が事前に予想できる場合は、風呂の浴槽に水を貯めておくとトイレなどの生活用水に使えるのでさらに安心です。
また、万一災害が起きたときの備えや、断水した場合の給水場所などの情報が水道局のホームページで公開されていることもあります。ご自身が住まわれている地域の水道局の情報を事前にチェックしておくと、なにかあったときの備えになるのではないでしょうか。
実は筆者も最近、停電によるマンションの断水を経験したばかりです。マンションの共有部分と各家庭に供給している電力が異なっていたそうで、自宅では電気がついていたため、停電理由の断水といわれて驚きました。こんなパターンもあるんですね! 幸いエレベーターは非常用の電源でしばらく動いていたので、マンションの住人もエレベーターを使って水を運ぶことができたようです。筆者は風呂に水を貯めていたことと非常用の飲料水を備えていたことがかさなり、すぐに困ることはなかったのですが、トイレの水を流すにもけっこうな量の水を使用するので断水が復旧するまでドキドキしたものです。
今回の経験で、普段あたりまえに使ってしまいがちな水や電気やガス、それを支えてくれるインフラ関係の方のありがたさと、備えの重要性を実感しました。また、意外と自分が住んでいるマンションの仕組みを理解していないことを反省しました。あなたは、お住まいのマンションの仕組みや、困ったときの連絡先や対処法を知っていますか? これを機にぜひ一度チェックしてみてくださいね。
文・小栗あゆみ 編集・横内みか