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「質のいい卵子」を凍結保存して妊娠確率をアップ。費用や受けられる助成とは?


「卵子凍結」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。具体的にどのようなことをして、お金はいくらかかるのでしょうか? 不妊治療の流れとともに、卵子凍結から自治体の助成金などについて、杉山産婦人科の杉山力一先生に伺いました。

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生理不順で排卵日がわからない

――不妊治療というと、まずは「タイミング法」という言葉を聞きますが、これはどんなものですか?

「タイミング法」とは、排卵日に合わせてセックスするということです。

ただ中には排卵日がわからないため、セックスしても排卵日以外の日になってしまい、その結果なかなか子どもができないということがあります。たとえば生理不順の人は、いつ排卵するかわからないですよね。そんなときは薬を使って排卵を誘発し、そのタイミングで行ってもらいます。

――「生理不順でもう3カ月も生理が来ない」という場合は?

その場合は、超音波でホルモンを計って、生理が不順な理由を見つけて、その人に合う薬を用意します。ただ薬を飲んだからといっても排卵するかどうかはわからないから、「今日から5回薬を飲んだら2週間後に診察に来てください」ということになります。2週間後に超音波で見て「排卵まだだね」「薬が効いているから今日だよ」などと排卵日に合わせてセックスのタイミングを伝え、妊娠できるようにするのがタイミング法です。

タイミング法も人工授精も「自然妊娠」

――よく排卵日に旦那さんの帰りが遅かったり、酔っぱらって帰ってきてしまったりして、できなかったという話も聞きます。そんな場合はどうしたらいいですか?

「早く子どもを作りたいのに、毎回同じことが続いていてできない」、もしくは「旦那さんの精子が少ない」といった場合は、旦那さんの精子を病院に持ってきてもらい、僕たち医師がスポイドで子宮の中に入れて授精させるという方法もあります。これを人工授精といいます。タイミング法と人工授精は、実は大して内容に変わりはありません。

――タイミング法の延長線上に人工授精があるんですね。

そうです。タイミング法でできないから人工授精と思っているかもしれませんが、先に人工授精してもいいわけです。人工授精とは男性が射精しない、立たないなどの理由でセックスできない。または精子検査をしたら精子が少ないという人に向けて有効な手段なのです。つまり、人工授精というのは子宮に精子を入れるだけなので自然妊娠と変わりないのです。

年齢が若いほど卵子の質が良く、妊娠する確率が上がる

――体外受精というのはどのようなものですか?

体外受精では、卵子を外に取り出し、試験管の上で卵子と精子を合わせて授精させることをいいます。卵子にも、質のいいものと良くないものがあり、体外受精のときは質がいいものを選びます。質のいい卵子を取ろうと思ったら、40代よりかは30代のほうが確率が上がります。だから、本当は35歳までに体外受精をすればいいけど、35歳になって結婚して、子どもを作ろうと思って37歳になって……となると、どんどん妊娠する確率が下がっていくのです。

2人目、3人目のために質のいい卵子を凍結保存しておくことも有効

――体外受精をすると1回いくらかかりますか?

全部で40万円くらいですね。2カ月に1回くらいのペースでできます。

――体への負担はありますか?

いろんなやり方がありますからね。1回卵子を取って、質のいいものを体外受精で使い、あとは冷凍保存しておくという手もあります。たとえば、体外受精で10個の卵子を取ったら最終的には3個くらい残ります。余ったものは卵子凍結しておくことも可能です。卵子と精子を授精させた授精卵を凍らせるんですよ。2人目、3人目のときのために取っておくのもいいですよね。

――凍結したものはどれくらいもちますか?

マイナス200度の液体窒素で凍らせるので一生もちます。また未受精卵凍結といって、結婚前でも卵子だけ凍らせておくこともできます。

自治体によって不妊検査や治療に補助金が出ることも

――キャリア志向の人でやってみたいという人はいるかもしれませんね。

そうですね。ただ1回の保存で30万円くらいかかります。また卵子の保存に年間5万円かかります。ちなみに、千葉県浦安市は補助金として5~10万円がでます(2018年度末で終了予定)。「助成金が出て助かる」という意見と「そんなところにお金を使うと、余計に結婚しなくなる」と賛否両論ありますよ。

東京都の場合は、不妊検査や体外受精に補助金がでます。不妊検査の場合は35歳までですが、それがあると「一度検査をしておこうかな」と思うから、とてもいいと思います。35歳のときに不妊の疑いがあると思えば、早く治療が始められますよね。また世田谷区をはじめ多くの自治体では、補助金が東京都の補助金にさらに追加ででることもあり、実質負担がゼロになることもあります。

まずはお住まいの自治体に問い合わせて、不妊検査や治療のための補助金助成があるのか、あるとしたらどれくらい出るのかを調べてみることから始めてみましょう。

取材・編集部 文・間野由利子 編集・山内ウェンディ イラスト・天城ヨリ子

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