子どものやる気を引き出すための効果的なサイクルは?
「勉強をがんばってほしい」「スポーツで結果を出してほしい」。親であればだれでも子どもに「やる気を出してがんばってほしい」と思うもの。しかし、親の思うようにいかないのが子どものやる気です。子どものやる気の引き出し方について、花まるグループ スクールFC 代表の松島伸浩先生に伺いました。
やる気を生む理想的なサイクルとは?
やる気を生み出す理想的なサイクルとして、目標や夢、行動、結果の3つがうまくまわっているのがベストです。ただ、幼児期から低学年の時期は、目標や夢を立ててそれに向かってがんばるというのは早い時期です。もちろん短期的な目標として「運動会のリレーで一番になりたい」というようなものであれば、目標に向かってがんばることもあります。ただ、「宇宙飛行士になりたいから、毎日勉強をがんばる」というような長期的な目標や夢を掲げた場合、それが長く続くかといったら難しいです。
「楽しそう」「やってみたい」で子どもは動く
では、子どもたちはどういったときに行動するかといえば、「好き」「楽しい」「おもしろそう」というものがあるときに動きます。楽しそうだからやってみる。その結果、うまくいったらまたやりたくなります。ここで大切なことは、うまくいったらまたやりたくなるけど、失敗したら「もうやりたくない」となるのです。
失敗しても親の声かけ次第でやる気がアップ
「失敗したからもうやりたくない」といったとき、親の声かけ次第で子どもはやる気を取り戻します。たとえば「失敗してみてもいいんだよ。もう一度やってみたら?」と声をかけてあげる。その言葉によって子どもが「よし、もう一度やってみよう」となります。
声かけ以外にも、がんばったらメダルがもらえるというのもいいですね。「がんばった→失敗したけどメダルをもらえた→がんばったことが認められた→もう一度がんばってみよう」となり、それによってもっと上を目指したいという目標が出てくるのです。
親は子どもに寄り添うトレーナー役
今、大人の世界でうまくいっているのはライザップです。ライザップはメールなどでやりとりしながら「がんばってください」と、常に声掛けをしているわけです。大人になっても夢や目標を掲げても3日くらいで挫折することがあります。そのときにここでしっかりとトレーナーさんがフォローしてあげる。それによって成功することができて、どんどん成功体験を積んで前に進めるのです。お母さんには、そのトレーナーの役割をやってもらいたいのです。こういう仕組みが続いていけば、子どもはやる気を持ち続けられるようになります。
取材、文・長瀬由利子 編集・山内ウェンディ イラスト・天城ヨリ子