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飲みかけのペットボトル飲料に潜むリスク。菌の増殖は食中毒の危険も……

※2018年8月時点の情報です。

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子どもとのお出かけのとき、節約などを兼ねて水筒を持参するママもいることでしょう。ですが状況によっては、水筒ではなくペットボトル飲料を購入して飲む機会も出てきます。持参したお茶がなくなった場合などもそうですね。でもちょっとまってください。そのペットボトル飲料、いつ開栓しましたか? 開栓してから時間が経過したペットボトル飲料には食中毒などを引き起こすリスクが存在することをご存知でしょうか?

飲みかけのペットボトル飲料に潜むリスク

手軽に水分補給ができるうえに、いろいろな味のバリエーションがあることで親しまれているペットボトル飲料。自動販売機やコンビニで売られているサイズでよく見る500mlのペットボトルは、開栓後すぐに飲みきれないということもあるでしょう。 では、そのペットボトル飲料を飲むとき、どのようにして飲んでいますか?

ペットボトルに口を付けて飲んでいませんか?

ペットボトル飲料を飲むとき、直接口を付けて飲んでいませんか? コップがなくても手軽に水分補給ができるのはペットボトル飲料の大きな魅力です。ですがその行動にこそ、ママや子どもたちの健康を害するリスクが潜んでいるのです。

一度でも口を付けて飲むと、細菌が繁殖する可能性がアップする

ペットボトル飲料は、一度でも口を付けて飲んでしまうと、唾液の中にあるさまざまな細菌がペットボトル飲料の中に入ってしまいます。そしてその細菌たちは時間を追うごとに増殖していくそうです。福岡市保健環境研究所のデータによると、直に口を付けたペットボトルの麦茶は開栓当初に比べ、細菌の数が12時間経過で5,000個を軽く超え、24時間後には50,000個を突破してしまいました。さらに、気温が30℃前後の状態がもっとも細菌が繁殖しやすいという結果も出ています。この点から、気温が高くなる暑い時期、6月~8月は特に注意する必要があります。

リスクは食中毒だけではなく、容器破裂などの危険性も

飲み残しのペットボトル飲料にまつわる事故に対する報告は、国民生活センターに多く寄せられています。ペットボトル飲料の事故は2001年以降から多く寄せられるようになったそうです。そこからみえてきたのは、ペットボトル容器の「破裂事故」でした。2001年度以降に寄せられた破裂事故の件数は24件で、そのうちペットボトル飲料に関する事故は9件になりました。その9件ともに容器の中に飲料が残された状態で事故が起こっていたのです。ペットボトル飲料の中に菌が混入したことで、ペットボトルの内圧が上昇することが判明しました。さらには、その飲みかけのペットボトルの保管状況によって破裂する可能性があることもわかったのです。飲みかけのペットボトル飲料のボトルが膨らんでいる状態は、混入した菌が発酵している可能性が考えられます。そうなると風味が落ちるだけでなく、衛生上飲み続けることは決して望ましくはないでしょう。

参考:国民生活センター | 飲み残し清涼飲料容器の破裂による事故!-ペットボトルによる事故が増加-(発表情報)

容器の再利用にも注意が必要

一度飲んだペットボトル飲料の容器を再利用することはありますか? 実はこの場合にも3つの注意点があります。まず1つ目は、再利用することで菌が発生してしまうケースです。見た目がきれいになっていても、菌が残る可能性があります。2つ目は、熱い液体を入れた場合です。ペットボトル容器は熱に強くない素材の物も多く、沸かしたお茶などを冷める前に入れてしまうと容器が変形し、やけどなどの事故にもつながりかねません。そして3つ目が、ペットボトルを洗浄する際の注意点です。殺菌するために薬品を使ったり丁寧に洗剤で洗う場合は、容器内に残留した成分を誤飲する危険があります。このような点をよく理解して、ペットボトル容器の再利用には十分注意し、事故を未然に防ぎましょう。

ペットボトル飲料についての知識を深めよう

口を付けたペットボトル飲料に潜むリスクは、ここまでである程度ご理解いただけたと思いますが、実際にペットボトル飲料を利用するにあたって細かな疑問点も多く出てくることでしょう。そこでここからは、そのようなペットボトルに関する気になる疑問や、ペットボトル飲料に関する知識を深めるための情報をご紹介します。

コップで飲めば細菌は増えない?

ペットボトルに口を付けて飲むことで、口内の細菌が混入してしまいます。その点からペットボトル飲料を飲む際は、コップに移し替えて飲むことをおすすめします。ですが、コップに移して飲んでも細菌が全く混入しないというわけではありません。このような点から、コップに移し替えて飲んだ場合でも、できるだけ早く飲みきることをお勧めします。一度に飲みきれない場合は、できるだけ早く再度栓をして冷蔵庫に入れておきましょう。それでもあまり長くは保管しないほうがいいかもしれません。

カテキンには殺菌作用があるから平気?

確かにカテキンには殺菌作用があるといわれています。しかしカテキンの殺菌作用が発揮され、開栓後のペットボトル飲料の細菌などの増殖を防ぐ効果はあまり見込めないといわれています。直飲みによる殺菌の発生率が高い・増殖が盛んであるという結果が出たのは「茶飲料」「ミルク入り飲料」「ミネラルウォーター」という結果も出ています。種類に関わらず、直飲みはしない、できるだけ早く飲みきるなどを心掛けてください。

ペットボトル飲料、こんな状態には要注意!

開栓後のペットボトル飲料がおかしいなと感じたら飲むのは控えるようにしてください。いつもとは違うおかしな味やにおいがする場合は、菌の繁殖が考えられます。とくに酸っぱい味や匂いがするときは気を付けてください。浮遊物などが見受けられる場合も注意しましょう。カビが成長すると塊となって目にみえるようになることもあります。色や形はカビの種類によって異なります。また開封前よりも濁っている、色が変わっている場合も劣化している可能性が考えられます。菌が増殖することで、液体濁ってしまったり成分が分離することもありますので、ご注意ください。

開栓前なら大丈夫?

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蓋を開けていない新品状態のペットボトル飲料でも、保存状態には注意が必要です。直射日光が当たる場所や、高温になる場所には保存・放置しないようにしてください。直射日光により温度が上昇しやすい車内や、窓のそばへ置いておくと、膨張して破裂する事故も起こりやすくなりますので避けるようにしましょう。注意書きに書かれていない限り、冷凍やレンジ加熱も膨張など、予期せぬ事故に繋がる可能性があります。また長期保存などをする場合は、匂いの強いものの近くに保管していると、ペットボトル飲料の容器や中身に臭いが移る可能性もありますので、できれば離して保存することをおすすめします。

便利なペットボトル飲料を上手に利用しよう

ペットボトル飲料は便利だからこそ上手に利用して、食中毒や事故を未然に防ぎたいものです。ペットボトル飲料を飲むときは口から直に飲まず、コップに移す。できるだけ早く飲みきるようにする。飲みきれない場合は早めに冷蔵庫に入れる……などを心掛けるだけでも、食中毒などのリスクは格段に下がることでしょう。小さいお子様に与える場合は、一度に飲み切ることができる小さなサイズのものにするのもいいですね!

文・櫻宮ヨウ 編集・横内みか イラスト・もっちもちふっわふわ

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