女の子のピンク好き。突然嫌いになることも考慮して、気をつけたほうがいいことは?
「洋服はピンク!」という強すぎるこだわりがある子っていますよね。筆者の娘は2歳ぐらいから始まりました。
「自分の意見がはっきりしていて、自分の選んだ服しか着てくれないから、今日も上下ピンクの服になっちゃってねえ」と、娘の全身ピンクのコーディネートは「決して親の希望ではない!」 ということをはっきりさせたいあまりに、筆者は聞かれていなくてもつい周りの人に言いたくなったものでした。
ピンクの服を持っていなかった女の子
わが家は兄、妹の組み合わせなので、娘の赤ちゃん時代は息子が使っていたお下がりの服中心で、青もピンクもなく、黄色などの服ばかり。ハートやリボンの柄とも無縁でした。
女の子らしい物とは無縁だったのですが、ある時、私がなんの思い入れもなく使っていたハローキティのキーホルダーが、まだ2歳にもなっていなかった娘の目に止まり、すごく興味を持ったことがありました。
今思えばそこから彼女の中で何かが芽生えたのかもしれません。ハローキティがついている物をすごく喜ぶようになりました。ハローキティがついている物は大体ピンク色。ピンクという色も好きになったようで、彼女の周りにだんだんピンク色が増えていきました。
筆者は、娘に女の子らしくしてほしいというような思いは全くなく、彼女自身がピンクばかり選ぶようになっていく様子はとても不思議でした。親がピンクを選ばなければ、子どもはピンクを好まなくなる、というわけではないのですね。子どもが何を好むかなんて、親がコントロールできるものではないのかもしれません。
突然ピンクが嫌い!
ずっと変わらず、服は自分で選ばないと気が済まない娘ですが、最近になって、ピンクでハートがキラキラした服を、「これはピンクすぎる」と却下するようになりました。代わりに手に取ったのはグレーに紺のボーダーシャツにシンプルなレギンス。今まで絶対着なかった服です。洗濯したら次もまた同じボーダーのシャツ。そればかり着るようになりました。
「ママ、もうピンクは好きじゃないの。1番好きなのは水色。2番目がブルー、3番はパープル。わかった?」
今度は「水色大好き」が突然始まりました。これもピンク大好きと同じくらい女の子が通る道のような、よく聞く話ですよね。
この発言の理由は大体見当がついていて、学校で仲のいい友達が水色好きなのに影響を受けているようです。娘は恥ずかしいのかはっきり私に教えてくれませんが、彼女たちには、「ピンクでフリフリって子どもっぽい」という気持ちがあるみたいです。
大人が全身ピンクなんてなかなかないですし、より大人らしくなりたいと思うと、ピンクではないという選択になるのかもしれません。
自分らしさを探っているのかも
男らしさや女らしさより、「自分らしさ」というのはよく使われる言葉ですし、誰もが賛成する言葉ですが、自分らしさは、男らしさや女らしさを否定するのではなく、その間で揺れ動いたり、時々背伸びしたりしながら、自分自身で見つけていくのかなと娘の様子を見ていて、ふと思いました。
そんな娘の成長を見守るのはほのぼのした気分になりますが、実際問題として困ってしまったこともあります。
それは娘のピンクの自転車。もちろん、本人が選んだものだったのですが、今は「これに乗って友達の家には行きたくない。はずかしいからイヤ!」と泣き出すくらい自分の自転車が嫌いみたいです。
自転車は大きくなるまで同じ物を使う約束をしているので代わりのものはなく、いつも娘は渋々乗ることになります。
こんなに嫌がられることになるのだったら、「ピンクはやめておけばよかった」と筆者自身も心の中では後悔しています。どんなにピンクが好きな子でも、長く使う物はピンクでない方がいいかもしれない、とちょっと考えてみるのがいいかもしれませんね。女の子の心の成長は本当にあっという間ですね。
文・野口由美子 編集・山内ウェンディ