夏休み、どこへ行った? 行き先よりも大切なのは「家族の時間」だった
長い夏休み、どのように過ごしていますか。仕事が忙しく、なかなか休みが取れない。暑さで出かけることもままならない。ちょっと出かけるにしても意外とお金がかかる。夏休みをどう過ごしたらいいか、困ってしまうパパやママも多いのではないかと思います。
大人が思っている以上に子どもはさびしい?
でも実はパパやママが思っている以上に、夏休みに家族で過ごす時間はとても大切ということが研究からわかっています。
アメリカで行われた8歳から14歳までの子ども754人へのアンケート調査によると、普段の日常生活では19%の子どもが自分と両親はいい関係にあると感じているのに対して、休日に家族が一緒に過ごしているときに親子関係がいいと感じる子どもの比率は、60%まで高くなることがわかりました。
普段の生活では、子どもは「親が仕事のストレスを家に持ち込んでいる」と感じ、そのことが子ども自身のストレスになっているそうです。
実際には仕事での出来事を家庭に持ち込まないようにしているパパやママが多いのではないでしょうか。親が思っている以上に子どもは親の気持ちに対して敏感だと指摘されています。
そして、子どもはもっと親と関わりを持ちたいと思っていることがわかりました。
そうは言っても、子どもが大きくなってくると「親との関わりがうっとうしくなってくるのでは?」と思ってしまいませんか。でも、この調査では、8歳から10歳までの子どもの89%、13歳から14歳でも74%の子どもが、親に「もっと自分のことを気にかけてほしい」と感じていることがわかりました。
年齢とともに比率は減っていますが、思春期になっても親との関わりを大切にしたい子は多いのですね。
親ができることは?
子どもは親に何をしてもらえたら、うれしいのでしょうか。
アンケートの回答の多くはそれほど特別なことではありませんでした。キャンプ(アメリカでの調査なので、キャンプは日本より手軽なレジャーのようです)、遊園地や動物園、水族館などに行くこと。学校や地域の行事に親も一緒に参加すること、など。
「何をするかは重要じゃなくて、パパとママと一緒に遊べるだけでうれしい」
そんな回答が多かったのです。
逆に、
「仕事が忙しいから、と親に言われて、家族で一緒にやろうと思っていたことができなかった」
というのは、子どもにとってとてもつらいということも明らかになっています。アンケートでは58%の子どもが、最近親と一緒にやりたかったのにできなかったことについて、細かいことまで忘れずに覚えていたと報告されています。
筆者も仕事などが立てこんでいるときは、行事があっても、「仕事が忙しいからできないの、ごめん」と言ってしまうことがありました。もしかしたら、子どもはママに来てもらいたかったのかもしれない、子どもに忙しいと言ってばかりだったかもと反省しました。
忙しいなら、1日だけでも。お金がかかるなら、近場に出かけるだけでも。夏休みに家族で過ごす時間を作れたら、それは子どもにとって何よりの思い出になるのではないでしょうか。夏休みも残りが少なくなってきましたが、家族の時間を大切に過ごしたいですね。
文・野口由美子 編集・山内ウェンディ