いつでも、どこでも、ママに寄り添う情報を

JAXA「筑波宇宙センター」でロケットの秘密に迫る!入場無料で宇宙の旅へ

い

「H-IIロケット」実物

宇宙といえば何を思い浮かべますか? 惑星・宇宙人・ロケットなど私たちの生活とはかけ離れたものが頭に浮かんだのではないでしょうか。
一見私たちの生活と関係が薄いように思える宇宙ですが、JAXAは「宇宙と空を活かし、安全で豊かな社会を実現する」を理念に掲げ、日々宇宙と私たちの社会のために活動を続けています。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)とは、2003年に宇宙科学研究所(ISAS)、航空宇宙技術研究所(NAL)、宇宙開発事業団(NASDA)の3機関が統合して誕生しました。政府全体の宇宙開発利用を技術で支える中核的実施機関と位置付けられ、同分野の基礎研究から開発・利用に至るまで一貫して行っています。

東京駅からバスで約1時間の場所にある筑波宇宙センターでは、宇宙からの目となる人工衛星の開発運用・宇宙飛行士養成・ロケット開発などJAXA宇宙開発の中枢センターとしての役割を果たしています。

「H-Ⅱロケット」設計に携わった谷岡憲隆さんに筑波宇宙センターを案内していただきました。各施設を回りながらロケットの秘密や宇宙センターの裏側に迫ります。

ロケットの中身って?

う

「H-IIロケット」後方部

筑波宇宙センターの門をくぐると、全長50m重さ260トンもある人口衛星を運ぶロケット「H-Ⅱロケット」が横たわっています。「H-Ⅱロケット」はなんと実物! 発射口の大きさに子どもたちは圧倒されている様子でした。

ロケットの中身は90%が燃料で出来ています。

谷岡さん『実はH-ⅡAロケット本体の重量は約90%が燃料です。これにSRBという固体補助エンジンが脇についています。「H-ⅡAロケット」のエンジンはこれらの燃料を1秒間に約700ℓ燃やして飛びたちます。これは1秒間にドラム缶を3本半燃やしている量にあたります。そして、6分少々で燃料は燃え尽きてしまいます。とてつもない燃え方なのでロケットは最初から熱いと思われる方も多いかも知れませんが、ロケット発射の際は(燃料が液体水素であるため)燃料タンクとエンジンのまわりはマイナス250度近くまで冷えていますが、着火後エンジンは3000度近くまで跳ね上がります。そして除々に上昇して最終的に人工衛星になる速度である秒速8㎞まで加速されます』

え

「H-IIロケット」に搭載されているエンジン

実際にロケット製作に携わっていた谷岡さんの話には説得力があるものの、お話される全ての数字が、日常の数字と大きく異なり、なんだか想像つくような、つかないような雲を掴むような感覚です。H-ⅡAロケットの製作と打ち上げの費用は併せて100億円! 100億円もあれば何ができるでしょうか……。

宇宙センターの中はどうなっているの?

あ

展示館「スペースドーム」

次に向かった先は展示館「スペースドーム」です。入り口正面には100万分の1スケールの地球が迎えてくれます。展示館の中は黒を基調としていて、各展示物が星のようにライトアップされています。まるで宇宙映画の基地のような空間です。「スペースドーム」では歴代ロケット模型や燃焼実験で実際に使われていたロケットエンジンなどJAXAが歩んできた歴史が展示されています。
ここで展示物を全て勉強したらきっと宇宙博士になれるでしょう。「スペースドーム」中心部には国際宇宙ステーション、日本実験棟「きぼう」の実物大モデルが展示されています。

宇宙ステーションを空から見つけてみましょう

か

宇宙センター「きぼう」日本実験棟

谷岡さん『宇宙ステーションの高度は地上からは約400㎞、地球一周約90分というスピードで地球の周りを回りながら、実験・研究、地球や天体の観測などを行っています。大きさはだいたいサッカーグランドほどあります。宇宙ステーションはアメリカ・ロシア・ヨーロッパ・カナダなど世界15ヶ国が参加する国際協力プロジェクトです。
日本はその一部となる「きぼう」日本実験棟を開発し参加しています。「きぼう」は日本で初の有人施設です。最大4人が搭乗可能です。宇宙センターでは重力の関係で地球上ではできない実験や開発を日々重ねています。宇宙で開発したものが地球に逆輸入するなんてこともあります。例えば臭いの付きづらい肌着など、これからもっと増えてくるかも知れませんね』

「きぼう」の室内も実物と同じ作りになっていて、室内は360度壁一面に実物のスイッチが散りばめられています。この施設が実際に宇宙で生活していること考えているとなんだか不思議な感覚です。子どもたちも無重力ごっこで体感しているようです。はるか彼方で働いている宇宙ステーションですが、条件がそろえば、日の出前と日没後の2時間ほどの間に地上から肉眼で見ることができるそうですよ。

き

宇宙センター「きぼう」日本実験棟の中で無重力ごっこ

く

宇宙服を着て記念撮影

体験の機会を作ってあげるのは親の仕事

谷岡さん『小さいお子さんは多感ですので、何でも良いから感動という刺激を与えてあげると(親に言われなくとも)自ら動けるようになります。その機会を作ってあげるのは親の大事な仕事ですよね! その意味でいろいろな分野を試してあげて下さい。何らかのお手伝いができれば幸いです』

ここまで宇宙センターの秘密に触れてきましたが、日常では味わえない壮大なスケールに子どもたちと一緒にワクワクドキドキ胸が躍る感覚を味わえました。宇宙開発は何年経っても夢が詰まっているのだなあ、と宇宙の魅力を再確認することができました。

ぜひ一度、気軽に親子で宇宙の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。

参考:JAXA「筑波宇宙センター

取材、文・編集部

筑波宇宙センターのアクセス
JR常磐線「荒川沖駅」下車。関鉄バス「筑波大学中央」行きまたは「つくばセンター」行きに乗り換え、「物質材料研究機構」下車 徒歩1分。
または「荒川沖駅」よりタクシー(約15分)。
つくばエクスプレス線「つくば駅」下車。関鉄バス「荒川沖駅」行きに乗り換え、「物質材料研究機構」下車 徒歩1分。
または「つくば駅」よりタクシー(約10分)。
土・日・祝日は、つくばエクスプレス線「つくば駅」バスターミナルより、つくば市の研究機関等を巡る1日乗降自由の循環バス「つくばサイエンスツアーバス」も運行されています。

関連記事

遊んで、作って、触れ合って! 童話の世界「ふなばしアンデルセン公園」の体験レポート!
ふなばしアンデルセン公園をご存知でしょうか? アンデルセン公園とは童話作家H.C.アンデルセンの故郷デンマークと童話の世界をモチーフにした公園です。H.C.アンデルセンは『みにくいアヒルの子』『マッ...
あの「パンパース」のプレミアムおむつを製造する明石工場の見学に行ってきました
赤ちゃんが産まれてからはあたりまえのように使っているおむつ。毎日十数枚も使っているものだけに思いもよらないかもしれませんが、おむつがどこで、どのように作られているか考えたことはありますか? ...