抱っこ紐から子どもが落下しそうに……!ママたちが体験した”ヒヤリハット”事例TOP3
赤ちゃんを抱っこするための抱っこ紐は、育児中のママにとっては必需品。しかしその使い方によっては、大切な赤ちゃんを落としそうになったという方もいるのではないでしょうか。
抱っこひも安全協議会が抱っこ紐の事故“ヒヤリハット事例”を調査した結果、抱っこ紐を使用しているときに起こりやすい危険な状況が分かりました。
抱っこ紐を使う約3割の人が事故やヒヤリハットを経験
抱っこ紐を使用しているママたちに、「抱っこ紐を安全に使用できているかどうか」を聞いた調査では、2,497件の回答のうち約3割の抱っこ紐の使用者が事故やヒヤリハット体験を経験していることが判明。
777件のヒヤリハット経験者のうち、重い事故(怪我)は5件、軽い事故(怪我)は52件、事故までには至らずヒヤリハットした体験は720件にも上ります。
ヒヤリハット体験の内容は、「落下の危険」が最も多く623件でした。実際には落下しなくても、赤ちゃんを落としそうになった経験のあるママはとても多いということが分かります。
ヒヤリハットが発生しやすい状況TOP3は?
抱っこ紐を使って何をしているときに、ママたちはヒヤリとした経験をしたのでしょうか。調査結果から判明したTOP3を見てみましょう。
第3位 歩行中
ヒヤリハットが発生しやすいと考えられる状況のうち、第3位のヒヤリハット事例は「歩行中」でした。これは子どもが成長するにつれて、突然のけ反るような動きをして抱っこ紐から抜け出てしまいそうになるという状況です。ママスタコミュニティにも、歩行中にヒヤリとした経験のあるママがいました。
『上の子が一歳位のときに、ダコビーっていうお尻から背中までの簡易抱っこ紐で、急に子どもに仰け反られて焦った事はある。
両手を離せる抱っこ紐でも、手は添えてないと危ないよね』
第2位 かがんだとき
「かがんだとき」とは、パパママが抱っこ紐をつけながらお辞儀のような格好をしてしまうというもの。ママスタにもかがんだときにヒヤリとしているママがいました。
『私も前かがみになったときに落ちそうになってびびったことがある。
それ以来、怖くて両手を添えないときは使わないようにした……
本当に一瞬だよね』
『私も昔、前かがみになったときに落としそうになって凄い焦ったことがある』
『赤ちゃん抱っこしてるときに前かがみになったら落ちるよね。
普通の抱っこ紐とエルゴ、スリングを使ったことがあるけど、かがむときは片手添えて腰はできるだけ曲げなかった』
抱っこ紐を日常から使用していると、「落し物を拾う」「靴を履く」などの日常動作を抱っこ紐を使用していないときのように行ってしまう方も多いと思います。何か下にあるものを拾うなどするときは、必ず膝を折り、腰を曲げることなく、上体を保ちながら拾うように注意が必要です。
第1位 抱っこ紐に子どもを乗せるとき
抱っこ紐の装着時は、バックルを留めるときなど子どもから手を離して行うことがありますよね。製品安全協会が定める安全基準においても、慣れるまではベッドなどの柔らかい場所の上で、低い位置で装着を行うよう定められています。装着時に体験したヒヤリハットの内容を集計してみると、すべての月齢で共通する危険は、乳幼児が抱っこ紐から「すり抜けそうになる」という共通した状況でした。そして、月齢ごとに集計してみると、下記のような結果が。
<1〜4ヶ月>
1〜4ヶ月では、肩ベルトの隙間から乳幼児がすり抜けて落下しそうになったというヒヤリハット事例が突出。肩ベルトは緩い状態で装着をして、最後にベルトを絞るので、その過程で危険を感じる方が多いという結果でした。
<4〜6ヶ月、7-12ヶ月>
4〜6ヶ月、7〜12ヶ月は、共に「おんぶ装着時のすり抜け」が目立つ結果に。4〜6ヶ月より7〜12ヶ月が増えている理由は、おんぶをするユーザー自体が増えているため。調査結果では、約8割の使用者が「腰ベルト付きの抱っこ紐」を使用しています。腰ベルト付き抱っこ紐でのおんぶは、腕の可動域の外である背中の位置に、子どもを配置することになります。この見えづらく、手の届きにくい位置に子どもを動かす過程で赤ちゃんが突発的に動くことで、さらに危険が増す結果になっているようです。
安全なおんぶの方法とは?
おんぶをより安全に装着する方法として、ソファーなどの段差を利用するのがオススメ。安全におんぶするためには、子どもをママの背中に近づける体勢を作って、そのまま背負いながら抱っこ紐を装着することが大切です。
抱っこ紐で赤ちゃんを抱っこする際には、慣れないママにとってはもちろん、慣れているママにとっても、ふとした瞬間に赤ちゃんを落としやすい状況になります。なるべく低い姿勢で、ソファなどの弾力性のあるものを利用しながら、赤ちゃんを落とすことのないように抱っこ紐を使うことを心がけましょう。
文・山内ウェンディ 編集・横内みか