川遊びや海水浴での死亡事故は4年間で450件以上。水辺で遊ぶときの注意点は?【朝ごふんコラム】
海や川で遊ぶ14歳以下の子どもたちが水難事故で死亡するケースが2011年から2015年までの5年間で450件以上起きています(消費者庁調べ)。海水浴に河辺でのバーベキューなど、楽しい水遊びにどんな危険があるのか、どうしたらリスクを減らせるかについて、国立研究開発法人 産業技術総合研究所の大野美喜子さんに伺いました。
1歳くらいは自宅浴槽、4歳以上は川や海の事故が多発
気候がよくなり、バーベキューや海水浴など水辺で遊ぶ機会が増えてくる時期ですね。同時に水辺での事故が増えてくるときでもあります。消費者庁によると、2011年から2015年に発生した水での死亡事故(14歳以下)は450件以上もあります。そのうちの40%が海や川で発生しているのです。1歳くらいだと自宅のお風呂でのおぼれが多いのに比べ、4歳を過ぎたあたりから川や海などの屋外での事故が増えてきます。とくに海よりも川で起きる傾向にあります。
バーベキューなど川遊びに潜む危険
バーベキューで川辺に来た複数の家族。大人たちが炭に火をつけたり、野菜を準備している間、子どもたちはすぐそばの川辺で石を拾ったり、魚を見つけたりして遊んでいます。実はこんなときにも事故が起きる危険が潜んでいるのです。なぜなら、子どもは興味があると好奇心からどんどん水の中に入ってしまうことがあるからです。
川で尻もちをついたときに受ける水圧は立っているときの5倍
川は場所によって水深や水の流れる速度が変化します。とくに子どものひざ下あたりとなる30㎝から40㎝の深さのときには、急激に大きな力がかかるのです。「あ!」と尻もちをついたら、体に受ける力は最大5倍にもなり……下手をするとそのまま流されてしまう危険性が非常に高くなります。
ジャストサイズで股ベルトのついたライフジャケットを着用
また、水辺で遊ばせるときは、必ず子どもにライフジャケットを着用させてください。水の中に入る予定はなくても万が一に備えて着用しておきましょう。1着4000円前後で販売されているので、子どもの人数分用意してあげてください。ライフジャケットを選ぶときには股ベルトのあるものにしましょう。「来年も着るから」と大きめのサイズを選びたくなるところですが、命に係わるものなので、ジャストサイズを選んでください。
ただしライフジャケットを着用していても、大人がお子さんから目を離さないよう、くれぐれも気をつけてくださいね。
救援のためにペットボトルやクーラーボックスを用意
万が一、子どもが川で流されているときは絶対に飛び込んで助けないでください。一緒に流されて、子どもを助けられなくなってしまいます。よく「流されたら、上を向いてじっと浮きなさい」といいますが、実際にはパニックになっている小さな子どもには難しいでしょう。
そんな場合は、クーラーボックスや、少し水を入れた2リットルのペットボトルにロープをつけて、子どもに向かって投げ入れてください。できれば、投げ入れるものは複数用意しておくと、より安全です。
・子どもにライフジャケットを着用させる
・ライフジャケットは股ベルトのあるジャストサイズを選ぶ
・子どもが水辺で遊ぶときは1人以上の大人が見守る
・少量の水が入ったペットボトルかクーラーボックスにロープをつけたものをあらかじめ用意。子どもが流されたらこれを投げ入れてつかまらせる
毎朝みんなでゴハンを食べながら、たった5分でも家族のコミュニケーションをとってほしい」という想いからはじまった『朝ごふん』プロジェクト。
このコラムは、忙しい朝でも親子で話せる子どもの安心・安全情報について紹介しています。
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