「友達がいない」子どもに言われたときに母としてできること
「友達がいない」
そんなことをお子さんに言われたことがありますか? 筆者が娘からこの言葉を初めて聞いたのは、新年度で新しいクラスになった後、娘が5歳のときでした。
5歳の娘には、去年も同じクラスだった仲良しの女の子が3人、新年度の新しいクラスでも一緒になりました。前から娘を含めた4人で遊んでいて、お互いの家も頻繁に行き来していたので、筆者もよく知っている子ばかり。ずっと親しくしている子たちが同じクラスにいるのに、友達がいないってどういうことなんだろう? 筆者は不思議に思って娘に聞いてみました。
「今日は何して遊んだの?」
「ずっとベンチにひとりで座ってた」
ママなら誰でも、友達みんなで仲良くしてほしいと思うもの。ひとりぼっちの娘の様子が頭に浮かんできた筆者は、心が締め付けられるような気持ちでした。娘も本当は友達と遊びたかったそうです。
友達から仲間外れ?女の子同士で起きていることを詳しく聞くことに
何が娘の気がかりになっているのか、仲良しグループの子たちと仲良くできているのかを聞いてみることにしました。
まず、3歳から一緒で一番仲がいいはずの友達のこと。
「一緒に遊びたくないって言われた」
女の子同士のごちゃごちゃした感じ、娘も経験するようになったみたいです。その子は、今日は誰と遊ぶのか、日によって違うのかも。娘はいつも一緒にいたかったようで、遊びに入れてもらえないのが悲しかったようです。
次に、娘と似た雰囲気のおとなしい感じの子のこと。
「遊ぶ時はどこかに行っちゃって、見つからない」
その子は娘と遊びたいことが違うから、遠くに行ってしまっているのかも。遊び場はそれほど広いわけではないのですが、たくさんの子どもたちが一斉に遊んでいる中で、娘は離れている子を見つけることができないのかもしれません。
最後は、一番大人びたグループのリーダー的な感じの子。
「〇〇(娘の名前)にいじわるする」
娘の体が小さいことをからかったり、娘の行動の揚げ足を取ったりしているとのこと。その子の家には、「生まれたばかりの3人目赤ちゃんがいてかなり大変」という話をその子のママから聞いていたので、その子もストレスが溜まっているのかもしれないと思いました。娘はうまくとりなすことができなかったのかもしれません。
女の子は特に、友達との人間関係が難しくなる気がします。新年度の新しい園、学校、クラス。新しいクラスに娘は馴染めているはず、という筆者の思い込みはちょっと甘かったみたいでした。
「励ます」「見守る」友達とのトラブルのときにママができることは?
「次はきっと一緒に遊べるよ」
「今日はママと一緒に自転車に乗って公園に行かない? 天気がいいし、きっと気持ちいいよ」
「晩ご飯は何が食べたい? 今日は〇〇(娘の名前)の好きな物をみんなで食べよう!」
筆者は、励ますくらいしかできませんでした。娘が「自分は友達がいないダメな子」と思い込んでしまうのではないかとずっと心配でしたが、とにかく筆者自身が明るく振舞っていました。
友達がいないということを時々言うようになって数ヶ月後、娘の口から今まであまり聞いたことがなかった女の子の名前が出てくるようになりました。どうやら、その子と2人で遊ぶようになったみたいです。
娘は、4人の仲良しグループでいるよりも、1人の子と特別な「親友」になりたかったようです。ようやくそういう友達を見つけたようでした。筆者は内心ほっとしました。
とにかく親は見守るしかない。新しい友達と遊んでいる娘の様子を見て改めて実感しました。自分の友達は自分で見つけるしかないのですね(そうはいっても、筆者はずっと娘の友達のことが気になって今も心配ばかりしてしまうのですが)。
子どもはいろいろな気持ちを経験しながら成長していくもの。子どもがママと一緒のときは安心できるように、見守っていきたいものですね。
文・野口由美子 イラスト・Ponko