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PTAってそもそもなに? #今さら聞けない基礎の基礎


「役員決めが憂鬱」「働いていると専業主婦の役員とギクシャクする……」などなどいささか気が引ける話題が先行しがちなPTA。特に入園・入学を控えるお子さんをお持ちの方は、親にとっての不安材料のひとつとなっているのではないでしょうか。

しかしそのまえに、そもそもPTAとは、どういう組織なのでしょう?

PTAは地域や教育機関によって差があるようなので、全国共通の事項を簡単にまとめてみました。ご自身がPTAに関係するまえに、予備知識としてご覧ください。

日本における「PTA」とは

PTAは英語で Parent-Teacher Association の略、すなわち保護者と教職員による団体です。すべての子どもたちのためのボランティア活動を本来の目的としています。児童・生徒・園児は支援の対象者であり、PTA会員には含まれていません。
またPTAは任意加入の団体であり、加入や脱退については特に義務付けされておらず、保護者や教員の判断で自由に行うことができます。またPTAは、やろうと思えばだれでも団体を設立・解散することができます。

あくまでボランティア活動であり、営利目的の活動はしてはいけません。

日本のPTAの経緯

PTAとは、元々はアメリカのある個人が自発的に行ったものなのだそう。日本では、明治時代から主に金銭のサポートが目的の保護者たちによる団体の活動が存在したという説もありますが、現在のような形のPTAが発足したのは戦後のことです。

今でもたびたびPTAに関する議論がありますが、

『父母と先生の会(PTA)は、児童生徒の健全な成長をはかることを目的とし、親と教師とが協力して、学校および家庭における教育に関し、理解を深め、その教育の振興につとめ、さらに、児童生徒の校外における生活の指導、地域における教育環境の改善、充実をはかるための会員相互の学習その他必要な活動を行う団体である』
(昭和42年6月23日文部省社会教育審議会報告より)

のように、これまでもPTA活動の悪い点を改め、より良い活動への改善案が国から通達されてきました。

PTA活動内容は、子どもたちの「学業支援」や「暮らしのサポート」

活動内容は教育機関や地域によって、多岐に渡ります。

・運動会やマラソン大会、芋ほりなど行事の手伝い
・園者・校舎の清掃や園庭・校庭の草刈り
・登園・登校時の見守りや地域パトロール
・ベルマークの集計
・運動会の参加賞や卒業記念品の選定・購入
・講習会の企画・実施
・各PTA総会への参加

などなど……。あくまで子どもたちの学業や暮らしのサポートを、ボランティアで行います。

PTA活動で園や学校に出入りすれば、子どもたちがどのように過ごしているかを見ることができる機会となります。特に小学校や中学校では、保育園や幼稚園と比べて親が学校に行く機会は減るので、子どもの様子を知る貴重なチャンスとなることでしょう。

またPTA活動を通して地域の方々や業者と接することもあるので、園や学校がだれとどのように繋がり、成り立っているのかを知ることができます。たとえばシルバーセンターの方々が子どもたちの朝の見守りをサポートしてくれていたり、学校を卒業したOB・OGが餅つきなどのイベントに参加して知恵を授けてくださったり、運動会など騒がしいイベント時は周辺の住宅からのご理解をいただいたり、といったことです。教育機関は決してひとつの施設だけで運営されるものではなく、周りの方々のサポートがあって成り立っていることが分かります。

会長、副会長、書記、クラス委員といったPTAの役割分担も、地域や教育機関によって差があります。またその園や学校に子どもが在籍している間、何度務めればいいのか、役割は一度行えば兄弟姉妹分まで免除になるのか、転校した後も役員経験回数は有効、など細かなルールがあるようです。

PTAの組織

PTAには上部組織として、たとえば「公益社団法人 日本PTA全国協議会」などがあります。さらに下部組織として、各都道府県や政令指定都市、地域ブロックごとのPTA連合会があり、各都道府県や政令指定都市のPTA連合会の下にさらに、“単位PTA”と呼ばれる教育機関ごとのPTAがあります。一般的にママたちが所属するのはこの“単位PTA”と呼ばれる団体です。単位PTAは各家庭から集めた会費を上部組織へ納めることとなり、上部組織では情報共有を目的とした会の開催や委員会活動などを行います。

保護者はこの連合会の役職も兼務する場合があります。また連合会主催のイベントに一般会員が駆り出されることもあります。

近年のPTAの傾向

PTA活動はかつて専業主婦によって担われてきた経緯があり、活動も平日の昼が主でした。共働きが増えてきた昨今では、平日に時間が取れる人が減り、活動に支障が出たり、それが原因で人間関係が悪化したりするケースがあります。また活動内容もボランティアとして行うには負担が大きすぎるケースもあり、活動内容のスリム化を求める声も上がっています。
ただ昨今では教諭の仕事量が増加傾向にあるので、PTA活動が結果的に教諭の負担を軽減している面も否めません。

こういった時代の流れから、本当に必要なPTA活動を見極めたり、PTA自体をやめたり、先生は除いて父母だけで会を結成している教育機関もあるようです。

繰り返すようですが、PTAは地域や教育機関によって活動内容や構成組織が多岐に渡ります。これらを踏まえた上で、自身のお子さんが所属する教育機関でのルールを確認してみてください。

 

文・しらたまよ イラスト・加藤みちか

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