傷跡が目立たないようにしたい……。「帝王切開後のケロイド」に悩むママたち
帝王切開を経験されたママから「特にお腹を出す予定があるわけでもないけれど、少しでも帝王切開の傷跡が目立たないようにしたい……」というお悩みがママスタに寄せられました。完全に傷跡が消えることは難しくても、少しでも薄くしたいと思うママも多いことでしょう。ママスタには産後の傷跡についての意見が多数寄せられていましたので、ご紹介いたします。
体質で「傷跡の経過」が違う!?
帝王切開を経験された方からは「体質によって傷跡の経過が異なる」という意見が多く寄せられていました。個人差はあるようですが、帝王切開の傷跡が赤くみみず腫れのように盛り上がり、痛みや痒みを伴うケロイド状になってしまう方もいるようです。
『2年半たったけどかなり目立つよ。さすがに産後すぐのときほど赤くはないけどちょっと赤みがひいたな~って程度』
『10か月たったけど、白い線みたいになってあんまりわからない部分と、1センチくらいケロイド状になっている部分にわかれてる! ケロイドになってるところは、産後1か月くらいまでジクジクしていたところなんだよね。部分的に盛り上がってる人もいるのかな?』
『私もミミズが寝てるみたいなプクっとしたあとになっちゃって「聞いてたのと違うじゃん!」って思ってたんだけど、2年くらい経ったら端の方から少しずつ少しずつ膨らみが消えてきて、いつの間にか無くなっていた。今は白い細~い線だけだよ。触っても凸凹もわからないくらい』
『私は、横切りで2人産んだけど2人目のときは、なかなかポッコリ膨らんだ傷痕が消えず……。今、四年経ってやっと切った線が薄く見える程度になりました』
『私はヒルドイドを塗ってから3Mテープでケアしていました。真ん中はケアしていなかったらケロイドになり……産後も痒さに悩まされました。医者が可哀想って言うぐらい悲惨な傷跡でしたが、3人目できちんとケアしたら今は線だけで綺麗です』
帝王切開後の傷跡「ケロイド」の解説
「ケロイド」には、「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」と「真性ケロイド」の2種類ある
ケロイドには2種類あります。「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」と「真性ケロイド」です。
帝王切開の場合に起こるケロイドは、コラーゲンの量が過剰になるのが原因で起こる「肥厚性瘢痕」。この場合は、傷の部分を越えて周囲に拡大することありません。隆起や紅色調も少なく、側圧痛を感じることもありません。
真性ケロイドの臨床症状は境界明瞭な、扁平隆起性~半球状隆起で、鮮紅~紅褐~褐色で、徐々に側方に進行するとともに、中央部はしばしば退色扁平化し、餅を引き延ばしたような像をしめします。はじめの外傷部位の範囲を超えて大きくなり、押さえても痛く(圧痛)ありませんが横から強くつまむと痛みます。
「ケロイド」の原因は体質
ケロイドの原因は、明らかでなく体質的な要素が強いのですが、誘因は傷です。明らかな傷の覚えもない患者さんにできますが、この場合、患者さんが意識しないくらいの小さな傷(微小外傷)があったと考えられます。原因として最も頻度が高いものは熱傷後のケロイドや手術後のケロイドです。
「ケロイド」の治療法
真性ケロイドも肥厚性瘢痕も治療方針は同じです。両者とも治療には抵抗を示し、特に真性ケロイドは治りにくいことが知られています。少なくとも数年は治療が必要です。治療の最終目標は傷跡の減少に導くことですから、平らになっても多少の跡は残ります。
拘縮があれば拘縮を解除するために植皮術などの手術療法が必要となります。拘縮が取り除かれると周囲のケロイドは自然に萎縮性瘢痕になっていくことが多いです。
拘縮を伴わないケロイドに対しては、外用療法(ステロイド軟膏・クリームの単純塗布、密封療法、テープ剤)、創傷被覆剤貼付(シリコーンゲルシート:保険適応外)、圧迫固定療法(レストン)、内服療法(リザベン)などを行います。難治例ではステロイド局所注射療法、冷凍療法、手術療法、放射線療法などを追加、または複数の組み合わせで行います。
どうしても傷が気になる場合は、一度病院を受診すると解決するかもしれません。保険治療を受けられる場合もあるようです。
『「帝王切開 傷 病院」とかで検索したらいろいろ出てくる。保険適用らしいからそんな高くないみたいだよ』
赤ちゃんのためとはいえど、お腹に傷をつけることが気になってしまうママもいるかもしれません。無理をせず、1度お近くの病院に相談してみるのも良いかもしれませんね。
文・編集部 イラスト・んぎまむ