ブラインドやロールスクリーンのひも(コード)で窒息事故が起きています!我が家の対策は大丈夫?
ブラインドなどの端に下がる操作のためのチェーンやひも(コード)。お子さんがまだ小さいママたちの中には、このチェーンやひもを危険だと感じたことのある方もいらっしゃるかもしれません。実際ブラインドをはじめスクリーンのひも、カーテン留めのひも部分(タッセル)が首にひっかかるなどして子どもが死亡する事故が起きたこともあるようです。そこでそういったリスクを最小限に抑えるために、数年前にはこのひも類について新しい安全基準が設けられました。
主な内容は次のとおりで、日本の6歳未満の子どもの身体寸法を基に定められており、少なくともどれか1つを満たすこととされています。
・子ども(6才未満)が背伸びして手が届く範囲にひもがないこと
・ひも等によって形成されるループ(輪のような形の閉構造)が子どもの顎の高さまで無いこと
・子どもの頭部が挿入可能なループが無いこと
・一定の荷重によって、ひもが分離する機能(セーフティージョイント)を持つこと等
世界15カ国でブラインドのひも(コード)などによる事故が400件以上
消費者庁によると、日本では例えば2010年(平成22年)から2014年(平成26年)までの5年間では、ブラインド類やスクリーン類のひも部分、カーテン留め等のひも状部分が首に絡まったことにより3件の死亡事故が起きていました。しかもこのケースでは全員が5歳未満だったそうです。死亡事故以外にも、2007年(平成19年)以降7件の事故が確認されており、死亡事故を含めると計10件の事故が起きた計算になります。
世界に目を向ければ、1996年(平成8年)以降15カ国で事故件数400件以上、うち250件以上の死亡事故の報告が。その多くが9歳までの、特に3歳未満の子どもに起きているのです。
リビングや寝室で事故が起こった事例
いったいどのような状況でこういった事故が起きてしまうのか、事故情報データバンクシステムに挙げられている事例を見てみましょう。
〈事例1〉「幼児がロール網戸のひも(ボールチェーン)を首に引っかけた状態で発見され、病院に救急搬送されたが、死亡が確認された」
〈事例2〉「窓のブラインドのひもに1歳の子どもの首が引っかかり、危うく首を吊るところだった」
〈事例3〉「ブラインドの高さを調節するひもに子どもの首がひっかかった」
ブラインドやロールスクリーンなど以外に、網戸にも操作のためのひもがついていることもありますね。これらを設置する可能性のある部屋はリビングから寝室、子ども部屋などまであちこちでしょう。窓辺に限らず、室内を仕切るのにロールスクリーンを使っているご家庭もあるのでは? つまり大人からしたらまさか危険だと思いにくい自宅内で事故は起こり得るのです。そしてブラインドなどのひも部分が子どもの首に絡まれば、気道がふさがれ、窒息や酸欠により15秒以内に気絶をしてしまい、そのままでは2~3分で死に至ってしまうかもしれません。
事故が起こらないようにするための4つの対策
自宅でブラインドなどを使いたいママたちが事故を回避するためには、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか? 4つのポイントにわけてお知らせします。
1、安全性の高いものを使う
これから購入予定という場合には、最新の安全基準に基づいた製品、あるいはロールスクリーンや縦型ブラインドなどひも(コード)部分がないもの、もしくはひもがあってもループになっていないものを選ぶといいでしょう。
2、重さが加わるとひもとひものつなぎ目部分が外れる
万が一、子どもの首に引っかかってしまった時、ひものつなぎ目部分が外れるものを選びましょう。安全のために「セーフティジョイント」と呼ばれる、一定の重さがかかるとつなぎ目が外れる安全器具を備えた製品があるようです。
3、ひもをクリップでまとめる
ひもをたらしたままにしておくのはキケン。子どもの手の届かない高さでまとめ、クリップなどで留めておくようにしたいですね。
4、ブラインドの近くにソファやベッドを置かない
ソファーやベッドはブラインドから離れた場所に設置するのがよさそうです。子どもがベッドなどによじ登ることでひもに手が届きやすくなったり、転落してひもに首が引っかかってしまう場合があります。
いざ設置、あるいは既に設置してある場合でも、ブラインドのひもをはじめ、スクリーンやカーテン留めのひも部分などにキケンはないか見直してみましょう。「大丈夫」と思っていても、見落としているところがあるかもしれません。子どもにとって安心・安全な環境を整え、楽しく遊ばせてあげたいですね。
文・長瀬由利子 イラスト・Ponko 再編集・blackcat