これからの時期気になるインフルエンザ・ノロ対策。注意点は?【朝ごふんコラム】
インフルエンザやノロウイルスが流行する季節となってきましたね。予防接種を受ける時期や感染対策はどうするべきなのでしょうか? また、同時にウイルス除菌用品による事故もおきています。ウイルス対策などについて小児科医で「子どもを事故から守るプロジェクト」代表の出口貴美子先生にお伺いしました。
インフルエンザワクチンはいつから打つべき?
よくママたちから「インフルエンザのワクチンはいつ打ったらいいですか?」という質問を受けますが、小児科医としては10月1日からスタートしたほうがいいとお話しています。子どもの場合は2回打つこともありますが、10月に1回目、11月に2回目を打つのがおすすめですが、まだこれから1回目でも間に合います。「早めに打って、3月まで効果が持つのか?」という心配から、1回目は早めに打ち、2回目は遅めに……というふうに間隔を空けて予防接種をするご家庭もあるかと思います。しかしワクチンの免疫の効果を考えると、1回目と2回目の間隔は、一ヶ月ぐらいを目安にしてください。
感染性胃腸炎や食中毒を引き起こすノロウィルスにも要注意
これからの時期、インフルエンザと一緒に気をつけたいのが、ノロウイルスです。ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は、一年を通して発生していますが、冬になると流行する傾向があるため注意が必要です。
大切なのは、いち早く流行期をつかむことです。たとえば近くの小児科に行ったときにどんな感染症が流行っているのか、ノロウイルスに感染している子はどのくらいいるのかなどを聞くようにして、早めに感染対策を立てておきましょう。
子どもが小さくてうがいが上手にできない。こんな時はどうしたらいい?
感染対策としては、手洗いやうがいなどが有効です。2、3歳の子だとうまくうがいができないこともありますが、その場合は無理にさせる必要はありません。手洗いだけでも十分です。とくに小さい子どもの場合、誤ってうがい薬を飲んでしまう可能性があります。その場合、ヨウド系のものは甲状腺などの免疫を壊してしまう可能性があるため使用を控えましょう。子どものできることを見定めながら、うがいができればさせて、できなかったら手洗いをしっかりできるように教えてあげましょう。
首から下げる、置き型のウイルス除菌用品で発生した事故とは
ウイルスなどが流行ってくると、空気をきれいにしたい、除菌したいという思いから、インフルエンザウイルスやノロウイルスに有効だといわれるウイルス除菌用品を使うママもいるかもしれませんね。ウイルス除菌用品に対して国民生活センターから注意喚起がなされているので、お知らせします。
首から下げるタイプの除菌用品で、次亜塩素酸ナトリウムを含むとの表示がある「ウイルス プロテクター」という商品により、化学熱傷(化学物質による皮膚・粘膜の損傷)を起こす事故が発生しています。いることから、2013 年 2 月 18 日、消費者庁より使用を中止する呼びかけがあり、同 22 日には事業者が自主回 収を行うことになりました。
化学熱傷は一般的には皮膚が赤く腫れたり、水ぶくれを生じたり、皮がむけたり、皮膚の潰瘍・壊死など、熱傷(普 通のやけど)でみられる症状を起こします。
ほかにも、バッチなど洋服につけるもの、置くタイプのウイルス除菌用品がありますが、やけどのほかにも誤飲の可能性があるため、子どもがいる家庭では使用を控えましょう。
高熱を出した時はおでこよりも太ももや首を冷やす
インフルエンザなどで高熱が出たとき、まずはおでこを冷やすことが多いかと思います。実は、効果的に熱を下げるためにはおでこより太い動脈がある太ももの付け根や脇の下を冷やすことが大切です。そうはいっても実際には太ももや脇の下を冷やすのはやりづらいですよね。
むずしければ、ママが子どもを抱っこしてあげて、柔らかい保冷剤や氷のう、冷たいタオルを首から頭にかけてあてて冷やすのもいいですよ。熱があるときは、こまめに水分補給をさせましょう。
子どもにはマスクをさせたほうがいい?
マスクについては、できるのであればしたほうがいいです。ただ、小さい子は嫌がって取ってしまうことがあります。そんなときは、電車など人混みが多いときだけつけるという手もありますね。しかし一番大事なのは、空気の入れ替えなどをして、部屋の中に菌が蔓延しない環境を整えることです。感染症対策をしっかりと行い、元気にのりきりたいですね。
「毎朝みんなでゴハンを食べながら、たった5分でも家族のコミュニケーションをとってほしい」という想いからはじまった『朝ごふん』プロジェクト。
このコラムは、忙しい朝でも親子で話せる子どもの安心・安全情報について紹介しています。
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