「ゼロカロリー」は本当?かわりに加えられているものは○○!?【朝ごふんコラム】
子どもの安心・安全について気を付けたほうが良いことを「朝5分」で家族で話し合う「朝ごふん」プロジェクト。今回話し合ってほしいテーマは、カロリー表示についてです。ゼリーやドリンク、ドレッシングなどに表示されている「ゼロカロリー」の文字。実はカロリーをゼロと表示をするためにある物が使われているということを知っていますか? 日本消費生活アドバイザーの古谷由紀子先生に伺いました。
食品成分表示では「ゼロカロリー」だけど……
――妊娠、出産、産後と体重の増加が気になります。スーパーで見かける「ゼロカロリー」表示の物を選ぶようにしていますが、効果はありますか?
古谷:まず初めにいっておくと、ゼロカロリーというのは、カロリーが完全にゼロというわけではありません。食品100gまたは一般に飲用に供する液状の食品 100 ml当たりの場合、5 kcalより数値が低い場合「ゼロ」と表示することが可能なのです。
そのためカロリーのある砂糖のかわりに、アステルファームなどの人工甘味料を使うことでカロリーを抑えているんです。
添加物はいやだという方が多いですが、実は「ゼロカロリー」を選ぶことで、知らないうちに人工甘味料という添加物を摂っているのです。人工甘味料がだめというわけではないんですよ。食べてもいいんだけど、みなさんが考えているのはカロリーゼロでしょ。そこであえて添加物である人工甘味料を摂ってまでゼロにしなくてもいいんじゃないかと思います。
――カロリーゼロにこだわるあまり、知らないところで人工甘味料を摂っていたということなんですね。
古谷:そうなの。ほかにもカロリーオフ、ノンアルとか、カロリーハーフなど、いろいろあるでしょう。カロリーハーフとは何を基準にしてハーフにしているのか。その基準となるものの数値がいくつなのかを知らないと、カロリーを摂りすぎてないかどうかはわからないわけです。
子どもの肥満は、カロリー摂取量を気にするよりも適度な運動をさせること
――肥満ぎみのお子さんをお持ちの方だと、食べすぎを気にして、とにかく摂取カロリーを減らさなきゃと思うママもいるようです。
古谷:私は、子どもに対してカロリーを気にする必要はないと思うんです。病気だったら別ですが、ちょっと肥満というくらいなら、カロリーを気にするよりもむしろ運動をさせる環境を作ることのほうがよっぽど大事です。
ママたちは、産後ダイエットのために高いカロリーを摂ることを気にするかもしれません。しかし、カロリーは悪いものでもなんでもありません。
炭水化物、たんぱく質、脂質という基本的な栄養素は人間の身体に欠かせないものですが、これらにもカロリーはありますよね。カロリーゼロにしたいがために大事な栄養素の摂取量を少なくするのは、よくないことです。
カロリーを気にしすぎると、子どもに誤った情報を与えてしまうかも
古谷:親がカロリーばかりを気にしていると、子どもに間違った食や栄養の知識を与えることにもなりかねません。大事なことは、育ち盛りの子どもには、食事を通して毎日しっかりと必要な栄養素を与えること。
「東京都幼児向け食事バランスガイド」を見て、何が必要な栄養素なのかをもう一度確認してみてください。毎日必要な食品をバランスよく摂る。これによって必要以上にカロリーを摂りすぎることもなくなるし、健康的に体を成長させることができるのです。ママたちも、体重の増加を気にするのであれば、自分や家族が食べている食事のバランスは良いかどうか、一度確認してみるといいかもしれませんね。
「毎朝みんなでゴハンを食べながら、たった5分でも家族のコミュニケーションをとってほしい」という想いからはじまった『朝ごふん』プロジェクト。
このコラムでは、忙しい朝でも親子で話せる子どもの安心・安全情報について紹介しています。
ほかにも、「離乳食の冷凍保存について」などの生活に役立つ記事は『朝ごふん』ページで読むことができます。ぜひご覧くださいね。