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加熱してもダメ! 1歳未満のお子さんには“はちみつ”を食べさせないで

以前、生後6ヶ月の赤ちゃんが、離乳食として市販のジュースに混ぜて与えられていたはちみつから乳児ボツリヌス菌症を発症し、死亡していたという報道がありました。
日本では、1987年に厚生省(当時)が「乳児ボツリヌス症の予防対策について」という通知を出し、医療機関や小さな子どもを持つ家庭に対し、未然防止の配慮を呼びかけてきました。
今回、この報道を受け、東京都は1歳未満の赤ちゃんにはちみつを食べさせないよう、注意を呼びかけています。

乳児ボツリヌス症とは

乳児ボツリヌス症は、1歳未満の乳児にみられるボツリヌス症です。乳児では、ボツリヌス菌の芽胞を摂取すると腸管内で菌が増殖し、産生された毒素が吸収されてボツリヌス菌による症状を起こすことがあります。症状は、便秘状態が数日間続き、全身の筋力が低下する脱力状態になり、 哺乳力の低下、泣き声が小さくなる等、筋肉が弛緩することによる麻痺症状が特徴です。(引用:「ボツリヌス菌」食品衛生の窓 東京都の食品安全情報サイト

ボツリヌス症=食中毒は、菌がすでに繁殖して毒素が産生された食品を摂取することで発症しますが、乳児ボツリヌス症は、乳児のお腹の中で菌が増殖、毒素を産生します。大人には問題ない少量の菌でも、赤ちゃんには危険なものとなってしまうのです。

予防するには?

乳児ボツリヌス症の予防のため、1歳未満の乳児には、ボツリヌス菌の芽胞に汚染される可能性のある食品(蜂蜜等)を食べさせるのは避けてください。(引用:「ボツリヌス菌」食品衛生の窓 東京都の食品安全情報サイト

母子手帳の中の離乳食のページにも、1歳未満のお子さんへのはちみつ使用はしないという記載があります。

加熱しても菌が死なない!?

ボツリヌス症の直接の原因である毒素は、80℃30分間(100℃なら数分以上)の加熱で失活するので、通常の食中毒であれば、食べる直前に十分に加熱することで予防ができます。
しかし、ボツリヌス菌は熱に強い芽胞を作るため、120℃4分間(あるいは100℃6時間)以上の加熱をしなければ完全に死滅しません。

そのため、家庭での加熱調理をしたからといって大丈夫とはならないので、加熱したとしても1歳児未満のお子さんへはあたえないでください
身体にいい食品というイメージがあるはちみつですが、赤ちゃんにとっては命に関わる大変な事態を引き起こすものとなってしまいます。

はちみつ以外にもあった! 幼児ボツリヌス症を引き起こしうるNG食品

はちみつ以外にも、黒糖(黒砂糖)、コーンシロップ、野菜ジュースなどの食品も、幼児ボツリヌス症の原因となる芽胞に汚染されている可能性があります。また、1996 年には、自家製の野菜スープが原因と推定される乳児ボツリヌス症の発症報告もありました。容器包装詰め食品(特に、レトルトに類似しているが、120℃4分の加熱処理がなされていないもの)、ビン詰め、自家製の缶詰にも注意が必要です(こちらは食中毒の原因となるので、大人でも要注意です)。

今回の乳児ボツリヌス症の報道を受け、「0歳児にはちみつがダメなんて知らなかった」「こんな食品もダメだったんだ」という声を多く耳にしました。
大事な赤ちゃんを守るためのこうした情報を、さらに多くの人に認知してもらえたらと思います。

 

文・鈴木じゅん子 イラスト・んぎまむ

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