春は体がだるくて重い……それって「季節性アレルギーこり」かも!?
日中の日差しがだんだん春めいてきましたね。そんな暖かくて明るい季節にワクワクする気持ちとは裏腹に、なんだか体調がすぐれないことも多いこの季節。花粉症からくる鼻水や目のかゆみに加えて、なんとなく体のだるさを感じる方も多いのでは? そんな中、「ピップエレキバン」で有名なピップ株式会社が、春から初夏には「季節性アレルギーこり」を訴える人が急増すると警笛を鳴らしています。それってどんなこりなんでしょう? 呼吸器専門医の先生がその原因やケア方法を教えてくれました。
春から初夏はアレルギーが起こりやすい
今回お話をしてくださったのは、呼吸器専門医で池袋大谷クリニックの院長、大谷義夫先生です。大谷先生によると、花粉症などのアレルギー疾患で悩む人は年々増加し、今や2人に1人がアレルギーを持っているとのこと。スギ花粉やヒノキ花粉は3月から5月が飛散のピークです。また、中国などの砂漠から偏西風に乗ってくる黄砂や、PM2.5も喘息やアレルギー性鼻炎を引き起こしますが、それも3月から5月に集中するそう。さらに、空気の乾燥もアレルギーを引き起こす原因と言います。
「鼻毛や扁桃腺、喉にある繊毛などはウイルスや花粉などのアルゲンなどを外に排出するという免疫的な役割をしますが、よく動くには乾燥させず湿度を50%ぐらいに保つ必要があります。冬の間空気が乾燥すると、アレルギーが起こりやすくなります」
空気の乾燥で荒れた粘膜や花粉、PM2.5、黄砂などがアレルギーの原因となり、それらが集中する3月から5月にアレルギー症状が出やすくなるそうです。
「季節性アレルギーこり」って?
咳エチケットという言葉が流行り始めた昨今。咳やくしゃみをする時、周囲に迷惑をかけないように体を前かがみにしたり、無理やり咳を止めようと力を入れたりする方も多いかもしれません。それが実は体のこりにつながっていると大谷先生はおっしゃいます。
「咳やくしゃみをする時に、前傾姿勢になって口を抑えると猫背になり姿勢が悪くなります。そうすると肺が圧迫され深い呼吸にならず、浅い呼吸になります。すると酸素の取り込み量が少なくなり息苦しさや、酸素不足による血行不良で体のこりや疲労感を感じることになります。前傾姿勢を続けるだけで肩や首がこることにもなります」
この状態が「季節性アレルギーこり」という状態だと解説してくださいました。
体のこりや息苦しさのケア方法とは?
これらのこりには血行改善がポイントだそうです。暮らしに取り入れやすい4つの方法をご紹介します。
1. 深呼吸をする
私たちは1日2万回も呼吸しているとのこと。1日のトータルで考えると浅い呼吸は体の不調につながる可能性があります。深い呼吸で全身に酸素を行き渡らせると血行が良くなります。
2.鼻呼吸をする
口呼吸をやめて鼻呼吸にすると、喉が広がって酸素を多く取り込めるそうです。また、鼻毛の働きにより風邪などのウイルスやアレルゲンなども体に入りにくくなります。
3.水をしっかり取る
こまめに水分を取ることで血流が良くなります。また乾燥しがちな喉の粘膜を保護することができます。
4.磁気治療器などを使用する
上記の方法をとってもこりが気になる場合は、市販の磁気治療器を首、肩、背中などに貼るのもおすすめとのことでした。
深い呼吸をすることは血行改善につながるため、日常生活に取り入れやすい呼吸練習法も教えてくれました。1つ目は「口すぼめ呼吸」。やり方は、2秒かけて鼻から息を吸い、口をすぼめて6秒かけて細く長く吐きます。1セット10回程度繰り返します。また、気づくと口呼吸をしてしまう人は、口に水を含んで日常生活を送ると、自然に鼻呼吸ができるようになるそうです。
アレルギー症状に伴い体もこってしまう「季節性アレルギーこり」。意識的に深い呼吸を心がけ、磁気治療器などを使って今年は快適に春を過ごしたいですね。
取材、文・山内ウェンディ