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学資保険がピンチ!? 他の貯蓄方法で子どもの学費が賄えるか考えてみた

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“行為“の予定もないのに、夫に内緒で3人目の妊娠計画を練っていた今日この頃。飛び込んできました、不穏なニュース。

保険未加入の人は急いで! 4月から保険料が値上げになっちゃいます!
計画は、頓挫しそうです。妊娠計画どころか、肝心な“行為”がそもそも……。“行為”……? そこは察していただけるとありがたいです。

さて、ママスタ編集部で先日、学資保険に関するアンケートを取り、多くの方から回答を頂きました。アンケートのご協力いただいた皆さま、ありがとうございます!

保険料値上げのニュースを受けて、多くのママが悲鳴を上げていました。

『困った。末っ子にも同じものをと考えていたから。勧められた商品には不安がある』

『学資は保険としてではなく、貯金のような扱いにしているのですが、なくなると貯金はしなくなるような気がします』

『仕方がない事情もあるかもしれないが、貯金よりは手をつけずに確実に残せそうなので停止しないでもらいたい』

実は保険料の値上げは今に始まったことではなく、数年前からもじわりじわりと来ていました。

ここ数年で変化、学資保険について

我が家も2015年に第2子を出産した後、上の子と同じ保険会社で同じ商品を契約しようとしたところ、返戻率(預けたお金に対して、戻ってくるお金の率)が格段に下がっていたのです。ファイナンシャルプランナーさんの勧めもあり、この時は学資保険をあきらめ、自分の死亡補償もついた終身保険を契約して下の子の学資保険代わりにすることにしました。今回の値上げはその時よりもさらに大幅なものになりそうです。

ちなみに今回の保険の値上げについては、全部の保険会社の全商品ではなく、一部の会社の一部商品であって、学資保険に限らず貯蓄性の高いものを中心に値上げされるようです。

貯蓄性の高い保険は保険会社からすれば元々「売りたくない商品」です。だって儲からないのですから。その他保険会社が勧めたい保険(保険会社が儲かる保険)を売るための客寄せパンダとして今まで頑張ってきたものの、限界が来たという感じでしょうか。

あぁ、まだ見ぬ第3子よ、すまない。あなたには大学の学費は工面してあげられないかもしれない……どうやって進学費用を工面すれば良いのか……(相変わらず勝手な想像上の第3子に向けて)。妄想が妄想を呼び勝手に悲観に暮れていたのです。

ところが今回のママスタのアンケートでは意外にも、学資保険に入っていないご家庭が29.6%いらっしゃって、理由としてはこのような回答が寄せられました。

『今は利率が悪いし、定期預金とさほど変わらない』

『利用しておらず特に関心はない』

『元本割れするから』

そんなご家庭に「今後どのように学業のお金を貯める予定ですか?」と伺ったところ、

銀行の定期預金

外貨積み立て

国債

などで賄うつもりだと回答をいただきました。なるほど、そうなのか。

学資保険はもともと、契約者である親や被保険者である子どもに万が一のことがあったら補償されるなどの特約が付いていて、ある意味生命保険の役割も担っているのです。ですから元本割れしたとしても、まったくの”損”ではないのです。ただ何しろ、学資保険は家計が急に悪化するなどして途中解約すると、大きく元本割れする可能性がある商品です。

今後、あまりに各種保険の返戻率が下がるのであれば、元本が保証されている定期貯金や国債で学費を賄うほうが良いのでは……?

そう思って、定期預金や国債で学費を積み立てた場合をシミュレーションしてみました。

学資保険以外で子どもの学費が賄えるか考えてみた

<定期預金>
預入期間が長ければ金利が高いだろうと考えがちですが、1年物の定期預金より長期の定期預金のほうが低い金利になっている銀行もあります。

それを踏まえて1年物の定期預金の金利(2017年2月20日現在)
某メガバンク:0.010%
某ネット銀行:0.200%
で計算します。

毎月1万円、子どもが0歳0か月から積み立て、18歳の誕生月まで貯めるとすると、タンス預金なら216万円になります。毎月1万円を定期預金として積み立て1年ごとに更新。金利が変わらないとして、タンス預金と比べて18年後にいくら増えるのか。

知るぽると「資金プランしっかりシミュレーション」の積立合計額シミュレーション で計算しました。

さあ、長年に渡って毎月コツコツと貯めたお金は、

某メガバンク:2,161,477円(税引き後利息分 1,477円
某ネット銀行:2,191,073円(税引き後利息分 31,073円)※単利
になりました。

えぇ!? 子どものお小遣いではありません。お年玉でもありません。最近の定期預金の現実です。

<国債>
国債は毎月発行されていて、個人向け国債なら1万円から。簡単に言えば、月1万円から国にお金を貸す債権者になれるわけです。発効後1年経過すればいつでも換金ができ、元本割れのリスクはありません。毎月発行されているので、積み立てとしても使えます。しかもお金を貸す相手はなんせ日本国。保険会社や銀行が破たんする確率より断然低く、安定して確実に積み立てたい人にはお勧めです。

ちなみに現在募集中の個人向け国債(今回はわかりやすく固定金利型5年満期)の直近の利率は0.05%。国債を発行するにあたって0.05%の利率は保証されているので、これ以上下がることはありません。

先ほどと同じサイトで、毎月1万円18年間国債を買い続けたと仮定して、年利0.05%で計算すると、

2,167,703円(税引き後利息分 7,703円

まぁ、そうなりますよね。

以上を返戻率に換算すると

定期預金 某メガバンク:100.0683796…%
定期預金 某ネット銀行:101.43856481…%
国債:100.3566203…%

意外と儲からない……! 102%にも届かなかった……。学資保険なら、プランによりけりですが返戻率110%を超える商品があります。

単純にお金を増やす目的であれば、株や先物取引などの投資や外貨預金などがあります。でもリターンが大きく望めるものにはリスクは付き物。それに見合った勉強をしておくことやリスクに耐えうる資金があることなどが大前提です。

子供の将来の為に、限られた家計と時間の中から費用を捻出するとなると、大きく元本割れしたり、場合によっては一切を失う投資や商品には手を出しにくいものです。値上げされようとも、未だ110%以上の返戻率を誇る学資保険があることを考えれば、やっぱり手堅い「貯蓄型保険」って、ありがたいんですね……。(回し者ではありません)

現在契約されている保険が値上げされるわけではないので、すでに契約中の保険はひとまず安心ですが、国債の金利も世の中の経済の影響を受けて上下することを考えると、経済って回ってるんやなぁ、と、感心しつつ。

「この先長期にわたって、保険料が上がることはあっても下がることはない」と確信めいた顔で断言した担当のファイナンシャルプランナーさんの言葉を思い出して。

私の妄想内の第3子に向かってとりあえず、「保険料がもっと上がる前に、早く出ておいで」と声をかけてみるのです。
寝室で眠る夫の大音量のいびきを聞きながらパソコンをいじり、そして、「アカン、第3子は妄想だけで終わりそうや」と保険料値上げ以上に悲観に暮れるのです。

ちなみにまだ産まれてないけど妊娠中のママさん、プレママさん、予定日の140日前から契約ができる学資保険もありますよ。ご検討中の方は、ご自身の体調をまず第一に考えつつ、熟考してお決めになると良いかもしれません。

文・桃山順子

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