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【突撃、世界ごはん!】意外と知らないフランスの家庭料理を体験!

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こんにちは!日本に住んでいる外国人のお宅訪問企画、『突撃、世界ごはん!』第17弾は、フランス人のジュリーさんのお宅へ遊びにいってきました!
大使館勤めをするブラジル人の旦那様のお仕事で、2年半前に日本に来たジュリーさんに、フランスの家庭料理を教えてもらいました。今回は、Tadakuという外国人の自宅で学べる家庭料理教室の協力のもとお伺いいたしました。

フランス料理と言うと、高級なコース料理を想像してしまう日本人も多いのではないでしょうか。日本人が毎日家で懐石料理を食べないように、フランスにも家庭料理がありますよね。一体どんな家庭料理があるのでしょうか?

アペタイザー文化を体験!フランスで定番のサーモンのリエット!

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アペタイザーとは前菜のことで、毎日は食べないけれど、週末などお酒と一緒にゆっくりとおしゃべりを楽しみながら、食事の前に軽く食べるそうです。リエットとは、お肉をペーストにして冷やしたものをパンに塗って食べるもので、フランスでは地方によって異なり、豚肉はもちろん、鴨、羊、兎肉など様々なリエットが食べられるそう。リエットに使うお肉が日本では手に入りづらいので、今回はサーモンのリエットを作ってもらうことになりました。
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フレッシュサーモンを、中が少し生の状態で残るようにボイルします。スモークサーモンは手でほぐしておきます。お皿にクリームチーズ約70gとヨーグルトを大匙3~4杯入れ、混ぜます。ボイルしたサーモンとスモークサーモンを加えレモン汁少々、みじん切りのディル少々、胡椒をし、いくらを加えて混ぜます。きれいにならしてからラップをして冷蔵庫で冷やしておきます。3

あっという間にお洒落で美味しそうな前菜が1品完成!ジュリーさんが自家製パンを焼いてくれたので、こちらと一緒に後でいただきます!7

フランスの定番家庭料理、ポーピエットとは!?

次に、普段よく食べるというポーピエットを教えてもらいます。ポーピエットとは、肉の薄切りあるいは魚の薄い切り身で、野菜やひき肉などの具を巻いたもので、焼いたり蒸したりして仕上げる料理。沢山の種類のポーピエットがあるそうですが、今日は挽き肉をチキンで包みんだポーピエットを教えてもらいます。
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まずは、鶏胸肉を開いて2枚に切り、肉たたきで薄くします。皮はとっておきます。
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ボウルで、鶏と豚の合いびき肉200g、卵1個弱、牛乳50mlを混ぜたものを、あふれでないぐらいの量(50g程度)を取り鶏胸肉で包みます。周りを豚バラ肉のスライスで囲み、タコ糸でプレゼントのように一周くくります。
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フライパンにバターを熱して全面焼き、白ワインをまわしかけます。16生クリームを100ml、塩ひとつまみ、クレームエペス(サワークリームに似た乳酸醗酵させたクリーム)を100gほど加えてフタをして弱火でじっくり中まで火を通します。17出来たら、お肉をお皿にとりわけ、フライパンに残ったソースは別の容器にとり分けて食べるときにかけます。

フランス全土で食べられているドーフィネ風じゃがいものグラタン!

イタリアアルプスに近いフランス南東部のドーフィネ地方の料理ですが、そこだけではなく、フランス全土で家庭料理としてよく食べるそう。
じゃがいも6個を皮を剥いて洗い、スライスします。切ってからは水にさらしてはいけないとのこと!切り口からでんぷんがでるので、洗い流さないのがポイントです。
にんにく1片を半分にカットし、耐熱容器にこすりつけたら、スライスしておきます。小鍋で牛乳250ml、生クリーム100ml、塩胡椒、ナツメグを一緒に温めます。
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スライスしたじゃがいもを並べ、間ににんにくを入れ、沸騰した牛乳と生クリームをまわしかけます。上にバター20gほどをちらし、180度のオーブンでで50分焼いて完成です!

おばあちゃんのレシピ!フランス人が大好きなタルトタタン!

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タルトタタンというフランスのアップルパイをご存知でしょうか?こちらのデザートは、19世紀後半、タタンという名の姉妹が小さなホテルを経営していました。りんごのタルトを作っているときに、うっかりタルト生地を型に入れ忘れ、りんご、砂糖、バターだけを入れて焼いてしまい、途中で生地をかぶせてみたら、底にたまったお砂糖がキャラメル状になってりんごに染み込み美味しくできあがったという失敗から生まれたケーキだそう!
それ以来、フランス各地に伝わり、最初からそのように焼くようになりました。タタン姉妹のタルトということでタルトタタンと呼ばれるようになり、今ではパティスリーやレストラン、家庭のケーキとしても作られるようになったそうです。では、早速作っていきましょう!

小鍋にお砂糖150gと少量の水を入れ熱します。ぶくぶくと泡立ってきつね色になってきたら、20cmのケーキ型にキャラメルを流し、型を回して側面半分の高さまでキャラメルをつけます。5
皮を剥いたりんご3個を、8等分にしてさらに半分にカットします。大きいフライパンにバター150gを熱し、カットしたりんご、砂糖150gをふりかけ、水150ml、バニラビーンズ1本を加えて柔らかくなるまで20分ほど煮詰めていきます。9
キャラメリゼした型に、りんごを1個ずつ汁気を切って敷き詰めていきます。りんごの上に冷凍パイシートを乗せ、180度のオーブンで35分焼きます。10
焼きあがったら型にお皿を乗せて反対にひっくりかえし、りんごの両面にアプリコットジャムを塗って完成です!15

フランスのおうちごはんの完成!いただきま~す!

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まずは前菜のサーモンのリエットを、ジュリーさんが焼いてくれたパンにたっぷりのせて食べます。フレッシュサーモンとスモークサーモンの2種類、そしていくらが贅沢に入ったリエットは、とっても新鮮でさっぱりとしていて美味しい!パンにつけて、これだけでも充分なぐらいご馳走です!
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ディルの香りと風味もよく、ふわふわもっちりのパンもとっても美味しかったです。これは確かに、お酒が進んでしまいます。ホームパーティー文化があるフランス人が、食事の前にきちんと美味しい前菜を用意して、おしゃべりを楽しんでいるのが想像できます。食事前にこんなに美味しい料理をゆっくりと味わうのはなかなかないので、フランス人の心のゆとりがあるライフスタイルを感じることができました。

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メインのポーピエットをいただきます!フライパンで煮詰めたソースは、お洒落な容器に入れてだしてくれました。お肉は、タコ糸が巻いたままなのでナイフでお肉を気を付けて切りながら食べます。ソースはとっても濃厚でクリーミー。クレームエペスというクリームは初めて見たのですが、日本語で書いてありました。取扱い店は少ないようですが、サワークリームでも代用できるかと思います。このお料理は、中身は挽き肉、包むのは胸肉、周りはバラ肉とお肉三昧で、ソースもこってりしているので小さく見えるのですがかなり満足できます!
焼いているところを見ていたら、プレゼントボックスのようで可愛くて、家庭料理と言えどコース料理にも出てきそうなお洒落なお料理だなぁと思いました。

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ドーフィネ風じゃがいものグラタンは、じゃがいもを切って温めた牛乳と生クリームをかけてオーブンで焼くだけなのにとっても美味しい!チーズを使ったり、ベシャメルソースを作らなくてよいのに、本当にグラタンのようにクリーミィーで美味しい!じゃがいもがほくほくで、ごはん替わりになりますし、お肉と一緒に食べると美味しいです。シンプルな味付けだからこそ、じゃがいもの美味しさが引き立つんですね!5

最後はデザート!おばあちゃんから教えてもらったというレシピは、普通のタルトタタンより簡単な作り方だそう。通常だと型をひっくり返した後に形が綺麗に見えるように、りんごを均等に並べるレシピだったり、ひっくり返した時に崩れて綺麗にできないこともあるようなのですが、こちらのレシピは最後にアプリコットジャムで塗って整えるので見た目もしっぱいすることがなく、りんごも小さく切っているので均等に柔らかくなって食べやすいです。アプリコットジャムも甘酸っぱくて美味しいです!かなり甘いフランスらしいお菓子なので、少しの量で充分満足できちゃいました。1

実際作ってみると、フランス料理のイメージがだいぶ変わりました。コース料理と違って、家庭料理はどこの国でも簡単に作れるものが多いですよね。これなら家でもすぐに作ってみることが出来そうです!
次回は、二人のお子様がいるジュリーさんに、フランスと日本の子育ての違いについて聞きたいと思います。お楽しみに!