<不登校児童が過去最多>「3年?引きこもりニートじゃん」「不登校が偉そうに」…家族からも責められ
不登校の子どもは年々増え続けています。文部科学省の調査では、2024年度の不登校児童生徒は小中学生合わせて約35万4千人と過去最多となっています。
「ネット出席」というオンライン家庭学習をすることで、出席扱いになる制度も20年ほど前からあるにもかかわらず、まだ広くは知られていません。制度の理解不足や、さまざまな偏見が家族を苦しめることも少なくありません。今回はそんな子どもの不登校に思い悩んだエピソードを紹介します。
参考:文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)」
エピソード1:<引きこもりの甥>いじめをきっかけに不登校に。高校へも進学せず
40代のハナ(仮名)さんには、高校2年生の息子マサキ(仮名)くんがいます。夫の実家には義兄家族が同居しており、同じ年の甥のヒロキ(仮名)くんがいました。ある日、サッカーが好きで明るかった彼が「実は高校に行っていない」と義兄から告げられます。

中2の時のいじめをきっかけに不登校となり、そのまま3年ほど引きこもり状態になったそうです。ハナさんの夫は「高校は行かせるべき」「ずっと引きこもらせておくつもりか?」と声を掛けますが、義兄夫婦には届きませんでした。

義両親からは「どんな思いでこの3年間を過ごしてきたのか、想像することすらできないんだな」とハナさん夫婦に言い、もう家に来るなと絶縁宣言されてしまいました。ところが、マサキくんはずっと前からヒロキくんのことを知っていたのです。
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エピソード2:<不登校だったくせに!>姉が葬式の席でわたしの娘に暴言!夫もブチギレ
40代のイクミ(仮名)さんの娘、マコ(仮名)さんは、小学校高学年の頃に一時不登校になりました。けれど本人の希望で事情を理解してくれる私立中学を受験し、今は楽しく通っています。そんなマコさんが、おばあちゃんのお葬式に制服で参列したとき……。

突然、部屋の外から「不登校だったくせにえらそうになったね」と娘を怒鳴る声が聞こえてきました。声の主はイクミさんの姉。すぐに娘を姉から引き離すイクミさん。見かねた夫が「ふざけるな!」と怒鳴り返します。2階に駆け上がった姉は、なんと階段から落ちてしまいました。

イクミさんと姉の仲はもともとよくありませんでした。翌日、姉から「骨にヒビが入ったの。治療費払ってよね」とLINEが。イクミさんは治療費を払う必要はあるのでしょうか。
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エピソード3:<小3不登校の息子>大切に育てたのにどうして…
ナナミ(仮名)さんは息子リク(仮名)くんにゲームやテレビを控えさせ、まっすぐ育ってほしいと願ってきました。しかし小学3年生のある時期から、リクくんは学校を休みがちになりました。

学校に行けない日は時間割を見ながら学習を進めますが、時間を持て余すことも増えました。ある日リクくんが「おばあちゃんち行きたい」と言うので、ナナミさんは心が軽くなるならと週3回義両親宅に預けることに。気になるのは夫の妹ハルナ(仮名)さんです。アニメや漫画、ゲームが大好きなハルナさんとナナミさんは価値観が合いません。

リクくんは、義両親の家だけでなくハルナさん宅にも行ってゲームをしていたことが判明します。あれだけ家ではゲームを控えさせていたのに……。「どうして言ってくれなかったの?」信頼して預けていた分、ナナミさんのなかに怒りが沸き起こりました。
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不登校でも前を向ける社会に
不登校は親にとっても子にとっても辛い出来事なのではないでしょうか。その上家族の価値観の違い、周囲からの偏見や無理解から心ない言葉が親子を追い込むこともあるでしょう。必要なのはその子が安心して過ごせる場所や関係を整えることかもしれません。「ネット出席」という選択肢もある時代です。子どもの心の声が、静かに届く社会でありますように。
文・岡さきの 編集・編集部
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