<エアコン上手になる!>冬場の適切な設定温度は?なぜ電気代は冷房より暖房の方が高いの? 第1回

部屋で過ごす時間を快適にするため、エアコンなどを使って心地よい室温を保つこともあるでしょう。冬は暖房の出番。効率的に部屋を暖めようと思ったら、設定温度や空気の循環などがカギになります。そこで今回は冬場のエアコンの使い方について、ダイキン工業株式会社コーポレートコミュニケーション室の森重雄己さんにお聞きしました。
冬場の暖房の設定温度は?
――冬場の室温は、何℃くらいが適切なのでしょうか?
森重雄己さん(以下、森重さん):環境省では冬場の室温の目安は20℃、夏は28℃とされています。エアコンの設定温度も同じ20℃あたりを目安に考えて頂ければと思います。ただ、部屋にいる人がどう感じるかは個人差があるため、住環境や部屋にいる人の年齢、体質によっては、20℃では寒いと感じるかもしれません。部屋にいる人の感覚に合わせて温度調整をしていただき、快適な空間を維持していただくことをおすすめしてます。
――体感温度は部屋の湿度によっても異なると聞きます。冬は乾燥するといいますが、やはり湿度は上げた方がいいのでしょうか?
森重さん:そうですね。例えば、室温が同じ25℃でも、湿度が高いと体感温度がより高く感じられることがあります。そのため、寒いと感じてエアコンの設定温度を上げる前に湿度を上げてみると、エアコンの温度設定を変えなくても快適になる場合があります。湿度を上げるには、加湿器や加湿機能付きの空気清浄機を使ったり、洗濯物を室内に干したりするのも効果的です。
電気代は冬場の暖房の方が高いような……。その理由は?
――個人的に夏にもエアコンを使っているのですが、冬にエアコンを使う方が電気代は高くなっているように思います。一般的にも、そのような傾向はあるのでしょうか?
森重さん:家庭によって金額の違いはありますが、一般的に冬場のエアコンの方が電気代は高くなる傾向にあります。なぜ夏と冬でエアコンの電気代に違いが出るのかというと、室温と設定温度の差の違いが関係しています。例えば夏場に部屋が35℃になっていてエアコンによって28℃まで下げるとします。この場合には室温とエアコンの設定温度の差は7℃です。一方で冬場は室温が5℃で20℃まで温度を上げたいとしたら、15℃の差をうめることになります。温度差があればあるほどエアコンは稼動するので、その分電気代がかかってしまうのです。
―― ひと言でいうと、冬の方がエアコンが頑張っているから電気代がかかるということですね。
森重さん:そうですね。また「エアコンが頑張っている」その仕組みも、夏と冬とでは違います。夏の部屋が暑いと感じるのは、部屋に「熱」がたくさんあるからです。その熱は室内機が吸い込んで室外機へ渡り、そのまま外へ出ていきます。
では冬はどうかというと、熱を外から取り込みます。わかりにくいかもしれませんが外の冷たい空気にも必ず熱が含まれていて、その熱を室内に取り入れることで部屋を暖めています。ただ夏に比べると熱の量が少ないので、エアコンも多くの熱を吸い込んで室内に熱を届けなければなりません。そのため夏よりも冬の方が電気代はかかってくるというわけです。
編集後記
冬場の室温は20℃が推奨されていますが、この温度を快適に感じるかどうかには個人差があるでしょう。快適に過ごせるように、自分の温度を見つけることも大切かもしれませんね。また電気代が冬の暖房の方が高いと感じているママも、今回のお話で納得できたのではないでしょうか。冬場はエアコンが夏以上に頑張ってくれているかもしれませんね。
取材・文 川崎さちえ 編集・ここのえ イラスト・よし田
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