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<本当?>歯みがき習慣と自己肯定感に関係が!?ライオン×こども食堂「おくちからだプロジェクト」

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歯と口の健康は、全身の状態や健康寿命にも大きく影響を及ぼします。お子さんの仕上げみがきを小学校高学年になっても頑張っていたり、定期的に歯科検診に連れていったりしているママも多いのではないでしょうか。一方で日本にはまだまだ子どもたちの歯と口の健康には社会課題が残っています。

今回は認定NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ(以下、むすびえ)と、オーラルへルスケア製品などの日用品を手がけるライオン株式会社(以下、ライオン)が実施している「おくちからだプロジェクト」から、その課題や家庭でできるオーラルヘルスケアの重要性について考えていきます。

日本の子どものむし歯は大幅に減少。しかし地域差が大きい

今回のプロジェクトを実施する上で、ライオンが着目した社会課題は歯みがき習慣、虫歯数の地域差、日本の子どもたちの自己肯定感の低さです。

歯みがき習慣でむし歯は減少

日本では、人々の歯みがき習慣が子どもたちのむし歯を大幅に減らしていることがデータ上で明らかになっています。文部省の「学校保健統計調査」によると、日本の12歳以下の子どもの1人当たりの平均むし歯等数は、昭和59年から令和3年までの約40年間で約87%も減少しました。

むし歯の地域差あり

一方で地域差は根強く残っています。令和3年の平均虫歯等数は全国平均では0.63本であるものの、最小の地域では0.2本、最大の地域では1.6本と差があることも判明しました。

自己肯定感が低い日本

また令和5年度のこども家庭庁「我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査」では、日本の子どもや若者は自己肯定感が低いことが顕著であると示しています。13歳から29歳に「今の自分が好きだ」の設問に対して4段階の回答から選んでもらったところ、日本では「そう思う」(17.5%)、「どちらかといえばそう思う」(35.9%)でした。対して、アメリカやドイツ、フランスなどの他の先進国では「そう思う」が約3割という結果に。「どちらかといえばそう思う」が4割近くを占める国もあります。自己肯定感は自分を大切にすることにも繋がり、より良い習慣作りを自分で作っていくという生きる上でとても重要なことです。

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ライオンがこども食堂で実施した「おくちからだプロジェクト」とは

こうした子どもを取り巻く社会課題を解決するために、2020年から、むすびえとライオンが「おくちからだプロジェクト」を実施してきました。こども食堂での歯みがき体験キットの展開やコーディーネーター派遣を通じて、子どもたちの歯と口と身体の健康促進を図るプロジェクトです。

出典:ライオン ニュースリリース(2025/11/6発表)

具体的には、オーラルヘルスケアの知識や理解を遊びながら深める「はごろく」や、工作を通じて独創性や発想性を広げる「デコ歯ブラシ」など。楽しく遊ぶ、褒められるといったように、他者とのコミュニケーションを意識したプログラムとなっています。

こども食堂は食事を中心とした場所であり、すでに全国1万か所以上存在して子どもたちの第3の居場所として機能しています。保護者や地域の人たちと一緒に活動できることから、こども食堂が「おくちからだプロジェクト」の体験場所に選ばれたそうです。

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歯みがきを褒められる体験で歯みがき習慣も自己肯定感もアップ?

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実際にこのプログラムを実施した結果、全体の過半数以上が1日3回歯みがきを実施するようになったという活動成果も出ました。

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またプログラムに参加した子どもの4人に2人は「歯みがきが楽しくなった」と回答しました。特に好評だったのが、世界に1つだけのデコ歯ブラシ作り。歯ブラシにシールを貼るというシンプルで小さな子どもでも楽しくできる取り組みですが、自分が作った物に愛着がわき、大人たちが「可愛いね!」と褒めることで、自然と歯みがきへの意識が高まったそうです。これは家庭でも実践しやすいですね。

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またプログラム実施後に自己肯定感が向上したことも、成果として挙げられました。子どもたちは自分の口の状態を初めて知って危機感を覚え、自ら歯みがきをしたり歯を気にしたりするようになったそう。さらに髪飾りやブラッシングをするようになるなど、自分の身なり全体を気にすることにも繋がりました。歯みがきを通じて、自分の体や心を大切にする気持ちを育めたといえるでしょう。

こども食堂は、子どもたちが親と先生以外の大人との交流の場として機能しています。そのため、「来週こども食堂に行くから、それまで歯みがきを頑張る」というように、歯みがき習慣が定着しやすい環境となっていたと、こども食堂の運営者は振り返っています。家や学校でいくら子どもに「歯みがきをしなさい!」と言っても習慣化しない場合には、こうした第3の場所や地域でのイベントがいい影響を与えてくれるのでしょう。保護者にとっても、子どもの歯と口の健康について、運営スタッフや地域の専門人材(歯科衛生士、看護師、保育士)と相談できるというメリットがあったとのことでした。

保護者も子どもも、相談しやすい第3の場所があるといい

こども食堂に10回以上参加経験がある子どもや保護者は、「こども食堂に悩みを相談できる」、「助けてくれる人がいる」と思う人が9回以下の人よりも多いことが過去の調査でわかっています。さらに子どもにとって「安心できる場所」と感じる割合も高いとのこと。多様な人がいるこども食堂では、子どもたちが人との関わりを深め、自然と自身の社会性を身につけていくのではないでしょうか。

「おくちからだプロジェクト」では日本の子どもを取り巻く社会課題と、解決のためのヒントがつまっていました。家庭において、歯ブラシをデコったり歯みがきを褒めたりすることで歯みがき習慣は向上しやすいでしょう。第3の場所の存在が、子どもの自己肯定感を高める役割を果たしている可能性も大いに感じさせてくれました。子どもの歯と口の健康のために、家庭でもできることはまだまだありそうですね。

取材、文・AKI 編集・編集部 イラスト・んぎまむ

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