【菊地亜美さん・第2回】自然分娩と無痛分娩、どちらも体験した感想は?育児と仕事の切り替えの秘訣も
2020年に長女、2025年3月には次女を出産した菊地亜美さん。タレントとしてはもちろん、今はふたりの娘さんのママとしても奮闘中です。今回お話を伺うのは、二度の出産について。その違いがその後の仕事復帰にも影響を与えたといいます。
自然分娩と無痛分娩のどちらも体験。人生経験が豊かになりました
──下の娘さんは今、生後5ヶ月。出産の記憶も新しいと思うのですが、ひとり目とふたり目で、出産に違いはありましたか?
菊地亜美さん(以下、菊地さん):ひとり目は自然分娩で、ふたり目は無痛分娩だったので、そもそも出産法からまったく違いました。ひとり目のときは、どんな分娩法でも自分が産むという事実は同じで、愛情は変わらないことはわかっていたのですが、一度痛みを経験してみたい気持ちがあって。痛くても自然分娩にしたい、頑張りたいという謎の気持ちがありました(笑)。
だから、ふたり目のときは“もうあんな経験は無理だ”という気持ちと、“もう一回くらいはイケるんじゃない?”という気持ちが、ずっと交互にきていたんですよ。
ただ直前になったとき、今回は前回とは状況が違うなと。長女に立ち合いをしてほしかったので、あんな悲鳴はとても聞かせられないと(笑)。それで無痛にしたのですが、イキんでいる最中から“無痛を選択した私って、最高!”と思っていました(笑)。
──それほどの違いがありましたか?
菊地さん:全然違いました! 人によってそこは色々だと思いますが、私の場合陣痛はなかったのに、出てくる瞬間は多少痛みがあったんですよ。でも一度自然分娩を経験しているので、そのときの痛みに比べればまったく余裕で。産んだ直後もひとり目のときは「はぁ……」という感じでずっと「痛い」と言っていたのですが、ふたり目は「よかった〜(パチパチ)。で、あれってどうだった?」みたいな(笑)。どちらがいいというのはないけれど、どちらも経験できた自分は人生経験が豊富になったと感じます。
──最初のときも無痛分娩にすればよかった、と後悔は……?
菊地さん:それは本当にないんですよね。あのときはあのときで、いい経験になったなという思いがあります。友達に「どっちの出産方法のほうがいいと思う?」と相談されることもあるのですが、「どっちでも楽しいよ!」と答えています。あれ? “楽しい”という表現はおかしいのかな(笑)。
もちろん長女を産んで3年くらいは、とてもこんなことを言える心境ではなかったと思いますが……、今となっては心からそう思えますね。
──出産後の体力にも、違いはありましたか?
菊地さん:全然違いました。ひとり目のときの復帰後の初仕事は産後2ヶ月半くらいでしたが、コロナ禍だったこともあり週に一度、1ヶ月に数回くらいのペースだったんですよ。ふたり目のときは子どもが増えて大変なはずなのに、自分の身体が元気で。無痛分娩ということもありますし、一度育児のひと通りを経験している余裕もあったので、気持ちの切り替えが早かったです。
実は私も“ふたり育児はしんどいので、当分仕事ができないかも”などと考えていたのですが、今回のほうがずっと元気ですね。今のほうが家のことも仕事も、要領よくできているなと思います。
ひとり目のときは必死で力を抜けなかったし、誰かを全力で頼れなかったので。母が来て「1ヶ月はいるよ」と言ってくれても、「いや、1週間で大丈夫」と言っていましたし。いくら大変でもそれが母親だし、とにかく自分でやりたい、と。長女のときはシッターさんも頼まなかったし、一時保育もなかなか利用できなくて。
──そんな状態でよく復帰されましたね!
菊地さん:そうですよね。コロナ禍のゆったりしたペースもそうですが、今は周りに頼れるようになったので。きっちりやりすぎず、自分の中で手を抜くことができるようになったのが大きいと思います。物理的には子どもがふたりになって大変ですが、気持ち的には楽になりました。
周囲に頼れるようになったことで、仕事復帰もスムーズに
──復帰されるときはスムーズでしたか? 頭の中の切り替えとか。
菊地さん:出産後はほぼ外に出ず家族としかしゃべっていなかったので、たしかに言葉のスピード感は不安だったかも。復帰後の初仕事が(明石家)さんまさんの番組だったので、あのテンポについていけるのかな、と。
「産後数ヶ月しか経っていないので、すみません」なんて言ったら、きっとみんな私のために「じゃあ、まだ休んでいたほうがいいよ」と言ってくれると思いますし。自分で勝手に「やりたいです!」とオファーを受けたので、そこはちゃんとしなくちゃいけない、と。昔のガッツを思い出し、新人アイドルのつもりで頑張りました(笑)。
──しばらく育休を取って、のんびりしたいなというお気持ちは?
菊地さん:うーん、やっぱり仕事が大好きなので。そこは考えていなかったです。ただ無理をして復帰したいわけではなく、第一優先は子ども・育児だったので。それを自分の気持ちが沈まずにできているなら、仕事をやります、と。実際そうだったので復帰できましたが、産後鬱(うつ)のような状態になっていたらもう少し長く休んでいた可能性はありますね。
──育児と仕事の気持ちの切り替えは、今しっかりできていますか?
菊地さん:はい。本当に、周りに頼れるようになったので! 母には仕事に次女を連れていけないときや、仕事が長時間のときに“ばぁば保育園”として見てもらっています。その分お返しをしたいから、両親には親孝行をしなくちゃなと最近とくに思うようになりました。
──自分の親に見てもらえるのは心強いですよね。
菊地さん:一番安心できますよね。やってほしくないことがあれば、「これはしないでね」とはっきり言えるのも親だからだし。ただ、うちの両親はそれこそ無償の愛で「かわいいから預かりたい!」と言ってくれますが、だからこそ私は何かを返したくて。食事や旅行に連れて行ったり、おいしいものがあれば買っていったり。そうした気遣いは今のほうがよくしています。本当に助けてもらっているので。
自分だけで頑張りすぎず、頼れる相手がいればどんどん頼る。育児には周囲を巻き込むことも大切だと思わせてくれるお話でした。さて、次回はパートナーである旦那さまとの関係性をお聞きします。お楽しみに。
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