<アラフィフ>人生苦しいことばかり。50歳を超えたみなさんは何を楽しみに生きているの?
人生って苦しいことばかり。ふとした瞬間に、そんな思いが頭よぎることはありませんか? 日々の生活に追われ、目の前のことをただこなしていく毎日。気がつけば、自分の楽しみが何か分からない……。そのようなママからのつぶやきです。
『みんなは何を楽しみに生きている? あと数年で50歳になる。子どもはもう大きいから、週末はほぼ家にいない。何にもする気にならない。自分のためのごはんを作る気にもならず、働いて、ただ生きているだけ』
平日は仕事と家事、休日は疲れ果てて寝ているだけ。気力も体力も底をつき、誰かと会うのも億劫になってしまう……。今回取り上げるのは、そのような“心がポッカリ空いたような感覚”を抱える50歳目前のママの声。その思いに寄り添いながら、同じような立場のママたちが、日々どのようなことを楽しみにしているのか、生きがいをどう見つけているのかを掘り下げていきます。
ママたちは何を楽しみに生きている?
『ひとりで散歩。近くに大きい植物園があって、この前はアジサイを見に行った。夏はヒマワリを見に行こうと思っている。友だちと会うのって面倒だよね』
『歯科矯正。歯並びが綺麗になっていくのが嬉しい。でも心配ごとが7割で生きているわ』
『アニメやドラマを見たり、推し活したり』
『楽しみはやっぱり子どもの成長かな。学校生活がものすごく楽しそうで私も追体験させてもらっている気分』
「何を楽しみに生きればいいか分からない」という投稿者さんの言葉には共感の声が集まりました。けれど、そのような日々のなかにも、楽しみを見つけているママたちはいるようです。ほんの些細なことでも、楽しいと感じられる時間を作っているママは少なくありません。
それでも「楽しみが何もない」と感じてしまうときもある
『そのようなものはない。だから引きこもり』
『楽しみ? ないな。ただ生きているだけ』
『たまに近場に出かけたり国内旅行したりする。そのときは楽しいけれど結局またすぐ日常に戻るんだよね。楽しかった感情なんてすぐ忘れる。何をするにも面倒臭いが勝つ。もう少し楽しく生きたいと思うけれど、元気がないというかやる気が出ない』
とはいえ何も楽しみがないという声も少なくありませんでした。こうした声は、単なる怠けなどではなく、心や体が疲弊してしまっている証かもしれません。とくに40代から50代にかけては、閉経や加齢による体力の低下なども影響して、気力が湧かなくなるママもいるのでしょう。
楽しみは見つけて育てて
『自分でつまらなくしているのを気づいた方がいい。私はひとりでも十分楽しめるよ』
『持っていないものを永遠に憧れるのではなくて、今ある幸せを意識した方がいいよ』
「自分から楽しみを見つけない人はそうなる」。厳しい言葉に聞こえるかもしれませんが、それは同じような道を通ってきたママたちからの優しさでもあります。今、楽しく過ごしているママたちも、かつては心が折れそうな日々があったようです。
『離婚して数年は「ああ人生終わったな」と思っていた。でも今は生きていて楽しいと思えるようになったよ』
「自分には楽しみなんてない」「もう何もしたくない」そのような気持ちに寄り添いながらも、ママたちは楽しみを自分で作るもの、そして気づくものと教えてくれました。楽しみは外からやってくるものではなく、自分のなかからじわじわと育てていくものなのかもしれません。「体力が落ちると何もかも面倒になるので、体を鍛えることが大切」とのコメントもありました。たしかに元気がないと、楽しむことすら面倒になってしまうもの。外を歩いたり軽いストレッチをして、体を整えることも大切なのでしょう。
人生の折り返し地点。「今」をどう生きる?
『ここ20年があっという間だったように、きっと70歳までもすぐ』
『人生って案外短い。だからこそ“今”を意識することが大事』
「あと数年で50歳」。それは、決して遅すぎることはありません。むしろ今までの経験や蓄積を活かして、より自分らしく生きることができる年代です。楽しむことに、必ずしもお金を掛ける必要はありません。誰かと会う必要もありません。ひとりで食べるお惣菜や、ふかふかの布団のなかで読む漫画、夜の晩酌だって立派な楽しみです。
もしかしたら投稿者さんは今、しんどさのなかにいるのかもしれません。でもそのようなときこそ、少し立ち止まって「自分のための時間」を取り戻してみませんか? 50歳は、終わりではありません。むしろはじまり。楽しいのはここからですよ。
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文・岡さきの 編集・あいぼん イラスト・天城ヨリ子
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