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『小学生のボクは、鬼のようなお母さんにナスビを売らされました。』は気持ちが揺れ動く絵本でした

Various eggplants on a dark wooden background
衝撃的なタイトルと、絵本には似つかわしくないリアルな絵。思わず手に取ってしまった『小学生のボクは、鬼のようなお母さんにナスビを売らされました。』 「もしかして、虐待の話?」と思いながら読み進めたのですが、内容はグッと胸にささるものでした。

『奇跡体験!アンビリバボー』で紹介された「読者が涙する絵本」

主人公の男の子は、両親が年とった時に産まれた子どもでした。ナスビ農家を営んでいたため、出てくる食事は売れ残りや傷もののナスビ料理ばかり。そんな食事がイヤでイヤで仕方なかったある日、主人公が10歳の時のことです。母親が突然、鬼のような顔をして、市場では売れないナスビを「売ってこい」と命じます。団地一軒一軒をまわりましたが、小学生が売るナスビはまったく売れません。「明日は絶対売れ」とさらに厳しく言う母。毎日、毎日、ナスビを売りますが、簡単には売れるはずもなく・・・(詳しくは絵本にて)

30年以上前の実話

この絵本は、現在徳島県で会社を経営する男性の実話をもとに書かれました。社長になった男性は、この絵本を通して世の中のきびしさと親の愛情を伝えたかったと言います。筆者が子どもたちに教えたかったのが、まさにこの絵本に書かれていること! 親になってはじめて「自分がいなくなったらこの子たちはどうなるんだろう」と考えるようになりました。「ちょっと厳しすぎるかも・・・」という気持ちと「明日自分が死んだら・・・」という気持ちに揺れ動きながら、日々、子どもたちに接するようにしています。

「今、大人になったボクは、まだまだ駄目な所もありますが、子供のころにナスビを売った事があるので、どんなしんどい事も平気です。お母さんが天国から見ていてくれるから、どんな苦しいことも平気です。そして今ボクは…ナスビが大好きです。」で終わる絵本。いつの日か、子どもたちが『私がやらせたこと』の意味を分かってくれる日がくることを祈って。

『小学生のボクは、鬼のようなお母さんにナスビを売らされました。』

著:原田 剛/イラスト: 筒井 則行

文・Kuu

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