<PTA改革>時間と労力のムダを減らしたい!と思って意見を言ったら「うるさい人」扱いされました
今回の投稿者さんは、PTAの経験のあるママに質問があるようです。
『メールやLINE、電話で済むようなやり取りも、あえて学校に出向いて先生や教頭先生とやり取りをしなければなりません。議題を明示せず「空いていますか?」で会議に招集されます。会議のなかで話し合われるのはすでに配られたプリントに書かれている内容ばかりです。そんな今のPTAのやり方に疑問を感じて意見を出したら、“うるさい人”扱いされてしまいました』
投稿者さんは「時間と労力のムダを減らしたい」という、働く人なら誰もが共感できる考えを持っています。にもかかわらず、意見を伝えると「すごいことを言っている」「面倒な人」と反応されてしまったよう。今回は“PTA改革”の難しさとその背景にある価値観の違いについて掘り下げていきます。
「そのようなものです」PTAの現実を語る声
この投稿には、経験者ママたちからの共感とため息が寄せられました。
『前年踏襲が是とされる世界です。何ごともなく次年度に引き継ぐことに労力を割いていると思いました』
『予算はあるのにたった数百円きりつめるために何時間も話す……。やる意味あるのか的なことを言ってしまい、変な人認定です』
『バザーも経験したけれどさ、2人、ヘタすれば1人で済む係に4、5人が配置。やることがなさすぎてビックリしたわ』
PTAの考え方は「何も考えず前の年と同じようにやっておけば波風が立たない」「新しいことを言う人が厄介」。変化を嫌う理由としてはそもそも1年で交代するので、深く考える必要がないということ。またPTA役員をやる期間は限られているので、判断材料も経験もないまま改革するリスクを避けたいという思いがあるようです。PTAに手間をかけたくない人が多く、「現状維持」が1番ラクといった背景があるようです。
効率化をイヤがる“空気”の正体
なぜ効率化の提案がここまでイヤがられるのでしょうか? あるママはこう分析します。
『さっさと終わらせたい空気がある。喋ると会議が長引くから喋らないで、という雰囲気』
『ただでさえ面倒なPTAなのに、新しいことを言い出されるともっと面倒になる』
つまり、「考えること」自体が手間。だからこそ「去年と同じでいいから早く終わらせよう」という心理が働くのです。一方で変化を求める人にとっては「なんて非効率的なのだ」とストレスを感じる構造ができあがっている……これはまさに価値観の対立と言えるでしょう。
本気で変えたいなら「会長になる」しかない?
こうした例を踏まえて「PTAを本当に変えたいなら、自分が会長になるしかない」という意見も。
『何をするのにも役員や学校の先生方の承諾が必要。審議され、認められてはじめて動ける。気になるなら会長になって自ら動いてみたらいいと思うよ』
『うちの小学校のPTAは大改革を行い、負担が少なく効率がいいやり方に変えました。それができたのは、変えたい意思を持った私自身が会長に立候補し、自ら動いて改革したからです』
ただし改革の過程では「外野の声」「過去役員からの横槍」「自治会や学校との調整」など、簡単ではない道を歩む必要があったようです。
改善しているPTAもある
とはいえ希望もあるようです。
『うちの学校は、仕事をしている人も参加しやすいPTAに変えた方が、仕事をしていない人にとっても負担が少ないからいいよねっていう方針』
『私もPTA役員を2回やって、学校アンケートに改善案を毎年書いた。でも改善されるのに6年掛かったよ』
学校や地域によっては、時代に合わせて柔軟に対応しているところもあるようです。でもPTAの「空気を変える」「仕組みを変える」ことは簡単ではなく、強い覚悟と時間的・精神的なエネルギー源が必要なようです。
PTAは1人では改革できないが声を上げたら前進
投稿者さんの投稿は、多くのママが心のなかで感じているけれど、声に出せなかった不満や違和感を代弁するものでした。効率的な運営、ムダのない会議、テクノロジーの活用……それらは決して悪ではありません。むしろこれからの社会でこそ必要な価値観です。
とはいえ、PTAという「変化を嫌う」土壌のなかで、孤独に声を上げるのはとても大変なこと。何も変わらないからと諦めるのか、何年掛かっても少しずつ変えていくのか。その選択は、1人ひとりに委ねられています。投稿者さんのような「PTAを変えたい」と思う人が存在する限り、PTAの未来は少しずつ変化していくのかもしれません。
文・岡さきの 編集・あいぼん イラスト・加藤みちか
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