<進路に悩む人へ>大学に行ってよかったことアンケート「学費に見合う価値あり」と回答したのは何割?
現代はとにかく子育てにお金がかかる時代。そのなかでも突出してかかるのが「大学の学費」ではないでしょうか。「こんなに高い学費を払ってまで、子どもを大学に行かせる意味はあるのか」と考える親も少なくありません。先日、株式会社ビズヒッツが運営するBiz Hits記事監修サービスは大卒者500人に「大学は学費に見合う価値があったか」について、アンケート調査を実施しました。
「大学は学費に見合う価値があった」と答えたのは7割以上
今回の調査では500人のうち女性が316人、男性が184人という構成でした。調査ではまず「大学は学費に見合う価値があったか」と直球の質問を投げたところ、「十分あった(32.2%)」、「まああった(39.0%)」が合わせて71.2%という結果でした。7割以上の大卒者は、学費に見合う価値だったと感じていることがわかりました。
その理由を深掘りして聞いてみると、1位は「専門知識が身についた(23.0%)」、僅差の2位は「就職に有利だった(21.8%)」、そして3位は「大切な出会いがあった(14.8%)」が続きます。
専攻やゼミなどにもよるかもしれませんが、就職やキャリア形成に大きく役立ったと感じている人が多い様子です。専門知識が身についたと回答した人に具体的な話を聞いてみると、
『大学以外だったら学べない分野を詳しく学習できた。国際関係学部所属で、最新の世界情勢について詳しい教授が毎回講義をしてくれたので、おもしろいと思える授業がほとんどだった(20代 女性)』
『知識や技能を、その道のプロとして活躍する先生に教えてもらえた(30代 女性)』
『希望した職種の専門知識を身につけられた(40代 男性)』
といった回答がありました。やはり大学でしか学べない知識や技能を4年間かけて学べた価値は大いにあると感じているようです。特に大学教員は教育者でありながら専門分野に関する研究者でもあるため、そうしたプロフェッショナルな人から、高度で最新かつ体系的な知識を学べるメリットは大きいのではないでしょうか。
大学での出会いは学費以上の価値がある!?
「就職に有利だった」と回答した人からは、
『地方の国立大学だったが、「国立大学出身」というのは就職活動時に多少ブランドを得られたと思う(30代 女性)』
『大卒が条件の求人に応募できた(50代以上 男性)』
といったコメントが得られました。大学の就職支援体制や大学が持つブランド力を生かして就職できた人はもちろん、教員が学生を企業に推薦する場合もあり、希望の企業や業界に就職できることは何よりのメリットでしょう。また新卒時の就職活動だけではなく、転職活動にも学歴や大学で得た資格が役立ったというケースは少なくないようです。
3位の「大切な出会いがあった」という人からは、
『大学でお世話になった先生と今でも交流があり、先生とのご縁があっただけでも十分な価値があったと思うから(30代 女性)』
『価値観の違う多くの人と出会い、共に学べた。学んだことはもちろん、「あの場に身を置いたこと」が一番価値のあることだったと思う(40代 女性)』
『「弁護士」「霞が関の官僚」「メガバンク部長職」といった優秀な同期や先輩と知り合えた。人脈という無形の財産が何よりも大きい(50代以上 男性)』
といった具体的なコメントがありました。学部や学科で同じクラスになった学友だけでなく、ゼミやサークルなどあらゆる人間関係が広がる大学時代。そこで出会えた一生涯の友達や仕事にも通ずる人脈は、多くの大卒者にとって何にも代えがたい存在となっていることがうかがえます。大学時代の友人や先生との出会いが社会人になってからも心のよりどころや転職活動のきっかけになるなど、学費以上の価値を見出している人も多いのではないでしょうか。
約6割が「大学での学びや経験が仕事や収入に役立っている」と感じている
また「大学での学びや経験が仕事や収入に役立っているか」との問いに対しては、「とても役立っている(21.2%)」、「まあ役立っている(38.2%)」と合わせて59.4%でした。さらに「社会人になって役立った大学での学び」を聞いてみると、1位「専門分野の知識(19.4%)」をはじめ、2位「コミュニケーション能力(14.2%)」、3位「プレゼンテーション能力(8.6%)」と続きました。
実務に直結する能力とヒューマンスキルのどちらも、大学時代に学んだことが社会に出てからも役立っている様子です。就職活動をくぐり抜けた後に無事に希望の業界に就職できたとしても、そこで発揮できるスキルや能力がなければ活躍し続けられませんよね。大学に行くことは自分の希望する仕事に就いて高収入を目指す上で就職に有利になるだけでなく、一生ものの専門知識や能力、そして人との出会いを得られる大きな可能性に満ちていることがよくわかる調査結果でした。こうした調査結果を見ると、わが子のために高い学費を払うのも価値があると感じられるのではないでしょうか。
文・AKI 編集・有村実歩 イラスト・Ponko
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