<義母のヘソの緒>「持っていて」は「いつまで」だった!?私ができる最大限の想い方【第4話まんが】
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前回からの続き。私(エミ)は夫のミノルと高校3年生の娘・ユウナ、中学2年生の息子アツシとの4人暮らし。私の実家は遠方ですが、義実家はわが家から車で30分ほどの場所にあります。義父は10年前に他界しており、今は義母がひとり暮らし。義母は本当に優しい人で、どんなときでも私を気遣ってくれます。だからこそ結婚して20年近く、私は義母と良好な関係を続けることができました。しかし義母が余命宣告されてしまったのです。私たちはできる限りのことを義母にしてあげたいと思ったのですが、義母は”いつも通りの日々”を過ごしたいと言います。そんなとき、義母から「大切なものだから、エミちゃんに預けたい」と義母の乳歯とへその緒を渡されてしまいました。夫は、いつかゴミとして捨ててしまうことになるのだから、義母に返却して義母の手で処分してもらう方が良いと言うのですが……?
義母は余命宣告から半年後、この世を去りました。
結局、私は義母に桐の箱を返却することができませんでした。
夫は、どうせいつかは誰かが処分しなくちゃいけないのだから、義母の手で処分してもらった方がいいと言っていたけれど……。
それを「いつか誰かが捨てます」とか「ご自分で処分してください」なんて、言えなかったのです。
私自身もとても悩んだのです。だからもちろん、夫の考え方が間違っているとも思わないのです。
たぶん、義母は、自分で処分できるものだったら、最初から自分で処分していたんじゃないかなって思うのです。
あれだけ終活を頑張った義母なのです。家の中は、本当に必要なもの以外ほとんどモノが残っていませんでした。
いろいろ整理をしていくなかで、自分で処分できるものは全部処分してくれていたのです。でも、これだけはどうしても自分で処分ができなかった。
だから「誰かに託したかった」私はそう思うのです。
自分が亡くなったあとにこれがいつか処分されるなんて分かっていたと思います。でも……「処分していいから」とも言いたくなかった。
義母が私に託したこの小さな桐の箱は、それくらい大切なものだったのではないでしょうか。
私はたくさん悩んで、結局、義母の棺に桐の箱を入れたのです。
「持っていて」が「いつまで」だったのか。
私は最後まで義母に確認することができなかったし、その話をすることすら躊躇ってしまいました。
けれど今では、義母に「自分で処分する」をお願いしなかったことを、よかったと思っています。
もしかしたら「ずっと持っていて」という意味だったかもしれません。
その願いは叶えてあげることはできませんでした。
でも優しかった義母のことです。
きっと私と夫の考えを尊重してくれるでしょう。
大好きだった義母。
どうか安らかに眠ってください――――。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・よし田 編集・石井弥沙