リピーターが多い理由とは?子どもの表現力が広がる「リゾナーレ大阪」
星野リゾート リゾナーレ大阪では2024年3月15日~4月14日に「アーティスト芸人・イン・レジデンス」を開催中。吉本興業アーティスト芸人のたいぞうさんがアトリエに滞在します。たいぞうさんの絵に色をつけたり、会話をしながら一緒に絵を描いたりできると聞き、イベントを体験してきました。子どもたちがどのようにアートを楽しめるのか、その様子をご紹介します。
子どもたちを見守りながら、その子に合わせたコミュニケーションを
たいぞうさんのアトリエには、もんじゃ焼きに使う小さなヘラやたこ焼きに使う油ひきなど大阪らしい画材が用意されており、それらを使って大きなキャンバスに絵を描くことができます。
たいぞうさんが描いた絵の上から、子どもたちが自由に色を足していきます。絵の具を使うことに慣れている子には、表現を見守りながら「大きくなったら何したいー?」、「何で遊ぶのが好きなの?」と語りかけ、子どもはそれに応えながら描いていきました。
会話を楽しみながら、だんだんと画材を使うことに慣れていき大胆に色をのせていくと「あ~いいですね! それいいですよ! もっとやってみましょう!」とのびのびと表現しやすい環境を作ってくれるたいぞうさん。子どもはそれに応えるように徐々に大胆に、手や足に絵の具をつけてからキャンバスを塗っていく。家ではできないような表現を楽しんでいるようでした。
その他にも絵が描ける窓ガラスには、たいぞうさんが描いてくれた絵の上から塗り絵ができたり反対側から互いに顔を見合わせながら一緒に絵を描いたりできます。まだ筆が使えない小さな子どもや汚れるのが苦手な子どもも、お絵描きを楽しんでいるようでした。
子どもとコミュニケーションを楽しみながら、表現を引き出すたいぞうさん。「絵がうまくなるにはどうすればいいですか?」「好きなことを続けるコツはありますか?」など、アートに触れさせたいママたちの質問にも優しく答えてくれていました。約1ケ月間開催されているイベントですが、たいぞうさんと子どもたちとの合作は一体どんな形になるのでしょうか。出来上がった作品を見るのが楽しみですね。
親は見守るべし。アトリエリスタが子どもの表現を引き出す
リゾナーレ大阪の最大の特徴は、イタリア発の世界で最も先進的とも言われる乳幼児教育のひとつ「レッジョ・エミリア・アプローチ」を取り入れた日本初のリゾートホテルで、日本最大級のアトリエがあること。子どもの興味や考えを大切にしながら、創造力や表現力を伸ばすことを目的としています。
アトリエには探究のきっかけを作るギャラリーや粘土、キネティックサンド、絵の具遊びができるコーナーなどがあり、「アトリエリスタ」と呼ばれる芸術の専門家がいます。アトリエスタは何を選んで、何を作るのかは子どもに選択させ、「こんなこともできるよ」と表現の引き出しを広げるお手伝いをしてくれる人。子どもが粘土に興味を持つと、道具や指を使って模様がつけられること、霧吹きをすると感触や色が変わることなど、子どもだけでは気づかなかったことを教えてくれました。
家で絵を描いたり工作をしたりするとき、ついつい親が「空を塗るなら水色かな?」、「次はこうやってみたら?」など誘導してしまうこともしばしば。私たちでは思いつかないような表現の引き出しを増やせる絶好の機会なので、ここでは親は見守りに徹してアトリエリスタにお任せするのがおすすめです。
子どもだけで参加!1日5回開催の「プロジェクト」
アトリエリスタとの対話を通して創造力を引き出し、自分の表現を深める「プロジェクト」にも参加できます。この日は花をテーマに花びらを分解したり、マイクロスコープで細部まで拡大したり、潰して色を抽出したりしました。子どもは普段見ている花とは違う一面に出会って、興味を持つことができたよう。親は1時間後に迎えに行くと、アトリエリスタの方から「自分で選んだ花を見ながら、集中して絵を描いていました」と、作業中の写真とともにどんなことに興味を持って、何をしていたのか教えていただきました。
大人も一緒に楽しめる、ユニークな標本を集めた「アトリエカフェ」
植物、鉱物、貝類、魚類、昆虫などの厳選した150点の標本を手に取り虫眼鏡やライトテーブルの上で観察できる「アトリエカフェ」もあります。ここには、動物に刺さって運ばれることで種を遠くへ移動させるという「悪魔の爪」 と呼ばれるツノゴマの実や、かざすと向こう側の風景は半透明で見えないのに書籍の上に置くと絵や文字が浮かび上がるウレキサイト(通称テレビ石)など、大人も好奇心が掻き立てられる標本がたくさんありました。
アトリエカフェにはコーヒーや紅茶、クッキーなども用意されているので、子どもたちだけでプロジェクトに参加中に、大人はゆっくりできます。
全身を使って遊べる楽しいお部屋
お絵描きが好きな子どもはアトリエルームに宿泊するのがおすすめ。赤を基調としワクワクするようなデザインの壁のホワイトボードや、大阪港を見渡せる窓に色鉛筆で絵を描くことができます。また「アトリエルーム デラックス」ではアスレチックネットが張られていて自由に登ったり寝転んだり、思い切り遊べますよ。
食事は「ザ・カフェ」のビュッフェスタイル
朝食と夕食は1階にあるカフェレストラン「ザ・カフェ」を利用できます。2024年5月31日までは第一弾と第二弾でメニューを変えてお届けする九州の「うまかグルメ」をビュッフェで巡る食旅「九州フェア」を開催。今回夕食のビュッフェでは第一弾のメニュー、レモンステーキ(長崎)、タコ飯(大分)、黒豚ミンチカツ(鹿児島)、あまおうイチゴタルト(福岡)、完熟金柑とチーズのグラスデザート(宮崎)などの九州各地の郷土料理やご当地グルメをいただきました。デザートにはアイスやシュークリーム、カップケーキのほか、自由にトッピングしてパフェが作れるようになっていて、子どもたちも楽しめます。
朝食のビュッフェではパンの種類も多く、和洋さまざまなメニューを豊富に用意。ライブキッチンでは卵料理を作ってもらうことができ、できたてのエッグベネディクトやオムレツをいただけます。
リピーターが多い理由
リゾナーレ大阪のアトリエの対象年齢は0歳~12歳以下。推奨年齢は6歳以下とのことですが、リピーターのお客さんも多いのだとか。
子どもはできることがどんどん増え、行動の範囲も広くなりますよね。前回は握力が足りなくて粘土であまり遊ばなかったけれど今回は押す力が強くなって形が作れるようになったり、1つのことに集中して作品を作れるようになったり。以前来た場所でもう一度遊ぶと、目に見えて子どもの成長を感じるものです。何かを描いたり作ったりすることが苦手だった子も、何度か滞在しているうちにアートの楽しさに気づき、表現が大好きになっているかもしれません。
春は「花」がテーマですが、季節によって扱うテーマが変わります。用意されているものがガラッと入れ替わったり期間限定のイベントがあったりするので、何度来ても楽しめそうです。
親子で新しい発見が体験できる「リゾナーレ大阪」。子どもの可能性を広げる旅先として、ぜひチェックしてみてくださいね。
取材協力・星野リゾート リゾナーレ大阪
文・編集部 編集・ここのえ