4割強がまだ知らない?教育者の性犯罪歴を確認する制度「日本版DBS」について<ママのリアル調査>
「日本版DBS」という制度、聞いたことはありますか?
2024年3月、「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案」が国会へ提出され、2024年4月10日時点で審議中となっています。この法律案は「日本版DBS」と呼ばれ、子どもに接する仕事に就く人に、「性犯罪歴がないか」を確認する制度です。
対象は学校や児童福祉施設、民間の学習塾となっており、塾に関しては認定制度が設けられる予定とのこと。犯罪歴は最長で20年照会できることが柱となっています。(※国会に提出された段階の内容です)本来は2023年秋に臨時国会へ提出される予定でしたが、内容をより良いものにするために提出が見送られていました。今回は本格的に制度が導入される可能性があります。
そこで今回ママスタセレクトでは「日本版DBSを導入するための法案が閣議で決定されたことについて」のアンケートを実施。「閣議決定されたことを知っている」「閣議決定されたことを知らなかった」「制度自体を知らなかった」の3つを選択肢に設定しました。
半数近くのママが「日本版DBS自体を知らなかった」と回答
今回アンケートに答えてくれたママは509人。なかでももっとも多かった回答は「制度(日本版DBS)自体を知らなかった」と答えた215人、4割強のママたちです。
『見た目では分からないことが多いから、事前に調べてくれると保護者としては安心です』
『高校の教員です。不祥事(とくにわいせつ行為)が多く、こういったものが必要だと感じていました』
半数近くのママたちが「知らなかった」と答えつつも、日本版DBSの内容には一定の評価があるようです。
日本版DBSは知っていて、閣議決定されたことも知っている人は3割程度
日本版DBSを知っていて、なおかつ「閣議決定を知っていた」と回答したママは168人、3割強となりました。
『もっと早くから制度を取り入れるべきだった。遅すぎると思う』
「もっと早く決めてほしかった」「閣議決定後、一刻も早く導入してほしい」という声は他にも散見しました。制度を知っているだけに、導入を待ち望んでいる様子がうかがえます。
ほかにも、
『再犯率が高いのに今までまったく審査がなかったのが信じられない』
『実際に性犯罪をした教職員が場所を変えて勤務するケースを知ってる。制度の導入はいいと思う』
など、再犯率の高さや性犯罪被害の深刻さに対するコメントも寄せられました。
日本版DBSは知っていて、閣議決定を知らなかった人は2割強
日本版DBS自体は知りながらも「今回の閣議決定を知らなかった」と答えたママは126人と2割強に。
『全然報道されてないよね』
こんな率直な声も寄せられました。「報道されなければ知る由もない」というのはもっともな意見のような気がします。
日本版DBSへの期待と課題
今回のアンケート結果をみると全体の67%が制度の存在、閣議決定について知らなかったことが分かります。つまり、制度自体やそれに伴う法案に対する関心や認知度が低いということでしょう。そこには、報道の不足にも要因がありそうです。
日本版DBSの導入に期待をよせる人がいる一方で、より厳格な審査や法整備の必要性を訴える声も聞かれます。
『閣議決定されたのはよかったが、制度としてまだ甘いと思う』
『性犯罪を未然に防ぐ、最低ラインの法整備だと思う』
『日本はすべての性犯罪にもっと厳しい処罰を与えるべき』
今回の閣議決定は、子どもの安全を確保するうえでは重要な一歩となりそうです。この制度について多くの国民が関心をもつことによって、より報道が増える可能性もあるでしょう。今後も制度の適切な運用が進むように注視していきたいと感じます。
総回答数:509票
調査方法:インターネット
調査月:2024年3月
調査・分析:ママスタセレクト編集部
文・編集部 イラスト・善哉あん