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QuizKnock伊沢拓司さんへの質問「ゲームに没頭するよりも勉強したほうが将来役立つ」は本当?

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ゲームに夢中な子どもたちに対して、「ゲームしている暇があったら勉強しなさい!」と言いたくなることはありませんか? 東大発の知識集団「QuizKnock」のメンバーであるクイズ王・伊沢拓司さんが、東京都の目黒区立八雲小学校の6年生たちと一緒にこの問題について考えました。同校で行われた卒業生向けのクイズ大会&講演会「QK GO」から、伊沢さんの講演の一部をご紹介します。みなさんもお子さんと一緒に考えてみませんか?

「ゲームより勉強のほうが将来役に立つ」は本当?

「QK GO」クイズ大会&講演会では、伊沢さんから子どもたちにこんな質問が投げかけられました。

『「ゲームに没頭する時間があるなら、勉強したほうが人生で役に立つのでは?」と言われたら、みんなはどうやって反論する?』

子どもたちからは「私には私の人生を生きる権利がある」「私が勉強しなくてもあなたが損することはない」「人生で何が役立つかを決めるのは自分。他の人から言われて好きじゃないことを続けても、幸せにはなれない」などの意見が寄せられました。では伊沢さんご自身はどう考えているのでしょうか? 学生時代の体験をもとに話してくれました。

一度は無職になるも、趣味が職業に!?

現在クイズ王として活躍している伊沢さん。実は大学院に通っていた頃は、農業の研究者を目指していたといいます。

伊沢さん:自分よりも優秀でかつ農業について真剣に考えている人がたくさんいたことから夢を諦め、大学院を去りました。無職になりお金を稼がなければいけないのに、何をしたらいいかわからない。そんなとき偶然が重なり、趣味でやっていたクイズが職業になり、テレビ番組『アイ・アム・冒険少年』に出演できることになりました。

しかし、テレビには出演できたものの、まわりは面白い芸人さんばかりで居場所がなかったという伊沢さん。そんなとき番組で披露した伊沢さんのギターが話題になり、新たな居場所ができたといいます。

伊沢さん:大学時代に授業をさぼりながら夢中になっていたギターが、何年も経ってから役に立つとはまったく思っていなかったから驚きました。こんなことなら必死に勉強して東大を目指すよりも、音大に行ったほうが良かったんじゃないかと思ったくらい(笑)。効率よく学ぶことがいい生き方じゃない。何が役に立つかなんて死ぬまでわからない。だったら今、面白いと思うことに挑戦したほうがいい。結果的に、それがどこかで役に立つ可能性もあると思います。

何が役に立つかなんて死ぬまでわからない

改めて、最初の質問「ゲームより勉強したほうが人生の役に立つのでは?」に対しての伊沢さんの回答を聞いてみましょう。

伊沢さん:役に立つかなんて死ぬまでわからないんだから、とりあえずやりたいことをやればいいと思います。勉強は、他のことに比べたら役に立つ可能性がすごく高い。勉強を頑張ることで学べることもたくさんある。だからみんな勉強をやるし、価値があると思う。でも、勉強だけをやっていてもおもしろくない。いろんなものを混ぜ合わせた先に、僕はそれぞれの個性があると思っています。役に立つ、効率がいい。この言葉を聞いたときは「おや?」と思ってください。「本当かな?」と、そういうところに目を向けてみることが大事。そのかわり自分が面白いと思ったことに対しては、一生懸命になってください。まわりの友達や親、先生たちからそんなの役に立たないよといわれても、その言葉を信じずに面白がってください。役に立つかどうかは二の次。家庭や学校でのルールを守ったうえで、自分が楽しいと思ったことを信じ、貫いて、進んでください。

小学6年生の今だからこそ伝えたい言葉

今回のクイズ大会&講演会では、子どもたちに向けて話してくれた伊沢さん。最後に、この春小学校を卒業する子どもたちに向けて、「効率」について話をした理由について語ってくれました。

伊沢さん:中学生になると、勉強や部活、その他のことで、やらなければいけないことが増えてきます。そこで効率よくやることが必要になってきたり、役立つ役立たないという物差しを持ち出してしまったりすることがあります。それもあって、今回小学生向けに効率の話をしました。一度、効率を追い求めるのとは違う価値観を持ってほしい。効率という便利な言葉にのみこまれる前に、効率が悪くてもいろんなことを楽しんでほしいと思います。

大人になると、伊沢さんがいうようについ効率化ばかりを追い求めてしまいがちです。親として、子どもに「楽しむことも大事」としっかり伝えられているかを今一度考える必要がありそうですね。「ゲームに没頭する時間があったら、むしろ勉強したほうが人生で役に立つのでは?」という問いに対して、親子で一緒に話し合ってみたら、子どもの立場からいろんな意見が聞けるかもしれませんね。

取材、文・間野由利子 編集・荻野実紀子

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