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筋金入りの偏食の子どもが、初めてぶどうを食べられるようになった日

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ある日、ママ友のSNSの投稿にぶどうの写真がありました。特別でも何でもない、普通のぶどうの写真です。投稿の内容は、6歳の息子が初めてぶどうを食べた、という話でした。

初めてぶどうを食べたというだけなら、食べられるものが増えたな、くらいの話なのですが、今回はちょっと事情が違います。

その6歳の男の子は、筋金入りの偏食だったのです。

その子は離乳食のときから食べるものと食べないものがはっきりしていて、これまで食べられるようになったものといえば、

白米

パン

パスタ(ソースなし)

そば、ラーメン、うどん(具なし)

じゃがいも

豆腐

卵(白身のみ)

以上。

ママなら心配になってしまうのは当然ですよね。赤ちゃんせんべいしか食べなくなってしまった時期もあったそうです。

しかしこの子のママが一番つらかったことは、別にありました。

ママが一番つらかったのは偏食そのものではなかった

その子のママは「母親の私がいけないんだ。どこを直せばいいんだろう?!」と悩んだそうです。

しかし一番つらかったのは、

「好き嫌いはこうすれば直るわよ」

「食育の大切さを知って」

といった周囲からのアドバイスでした。

せっかくのアドバイスだけれど、もう既にやってみたことばかり。思いつく限りのことはもう全部やった、それでもアドバイスをもらうのは、余計に自分の力が足りないように思えてつらい。そのママ友は子どもの偏食を克服させるため、栄養学やマクロビオティクスなども勉強したそうです。

しかし勉強して知識を吸収していくうちに、もっと大切なことに気がついた、と彼女は言います。

 

結局、彼女が実践したのは、

「じーーーーっと見守ること」

でした。

一見簡単と思われるかもしれませんが、何もしないことは、実は難しいのです。

筆者の息子も野菜や果物を食べようとしません。食べないと「なんでも食べないと大きくなれないよ、食べなくちゃダメ」と息子に声をかけて、ひいては無理強いしてしまいがち。「何もしない」のは、何でも食べてほしいと願うママにとっては、難しい方法だと感じます。

しかし、無理強いはせず、否定もせず、小言も言わず、そして決して小細工をせず。これが彼女の選んだ方法でした。

栄養学まで勉強したママ友が気づいた、もっと大切なこと

栄養学まで頑張って勉強した彼女がどうして見守ることにしたのか、理由を聞いてみました。

順調に成長しているし、健康にも知能の発達にも問題がない、という子ども自身の状態を尊重したのだそうです。もちろん健康や安全に関わる問題だったら親はどんどん介入すべきだけれど、そうではなかったら「親ができることって何?」と考えたのだとか。

彼女の答えは、子ども自身をありのまま大切にしてあげること。

「本人だって何でも食べられた方がいいって、わかってる。でもうちの子は食べ物に限らず新しいものには強い恐怖心を感じてしまうタイプ。それも子どもの個性。そういうネガティブな気持ちこそ、親が大事にしてあげたい」

そんな気持ちだったそうです。

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その偏食の子が、ぶどうを食べられるようになった。SNSの投稿には、最後にこんな言葉が綴られていました。

「お母さんは、あなたが自分の力で少しずつ前に進むのを応援しています」

子どもの好き嫌いはママの大きな悩みになりがちですが、こんな気持ちで子どもに接するママもいるんだ!

筆者にとっても、そのぶどうの写真が特別なもののように思えてきました。

 

文・野口由美子