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虐待通報は義務、でもその前にできることがある

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虐待で命を落としてしまう子供や赤ちゃんのニュースは、とても悲しく、そのひどい行動には「なぜ?」と疑問を抱く人が大半でしょう。ただ疑問を抱きつつも「虐待そのものは、他人事ではない」「環境が悪かったのかな」などと思うところがあるママも少なからずいらっしゃるようです。

■通報義務はあるけれど

児童虐待の防止等に関する法律第六条によると、

児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。

とあります。連絡先は「189(イチハヤク)」です。

<参考>
オレンジリボン運動
http://www.orangeribbon.jp/

もちろん虐待通報は大事なのですが、別の側面があります。ちょっとのことで通報されるという緊張感を親に持たせてしまうことにもなっているのです。虐待の入り口にいる親子が通報により逆に追いつめられて、声を出さない代わりにつねる、服に隠れる部分を叩くなど、外部の人にわからない方法を取る。そんな人が増える可能性はあると感じます。

■通報された知人の体験

知人で、通報された方が複数います。皆さん明らかに、お子さんのために自分の時間もエネルギーも使い、生活面の世話もきちんとしていて、傍目に問題があるとは思えませんでした。通報した人は、「大きな声でいつも叱っているから」「たまに手を上げるから」程度の感覚だったようです。通報されると家に福祉事務所の方が訪問、家庭環境のチェックをするそうです。

■私の体験・虐待という言葉にドキリ

私も、うちの子が4、5才の反抗期の頃でしょうか。私の未熟さもあいまって、大声で感情に任せて叱ってしまい、娘がますます火がついたように泣き叫ぶことがたびたびありました。後に階下の方に「うるさくてすみませんでした」と謝ったら「大丈夫ですよ。虐待とは思ってませんから(笑)」と言われました。虐待という言葉を、冗談を交えながらでも使いたくなるような日々だったのだな、と反省です。

当時遮音性の高いRCのマンションに住んでいたことと、階下の方に理解があったことで救われましたが、声の大きさだけで通報されることがあるならば、いつ通報されてもおかしくなかったかもしれません。

■躾か虐待かのボーダーラインが難しい

その話をすると「うちだって」「うちなんかもっと」と言うママが意外に多く、声を荒げることなんてない雰囲気のママも「うちではすごいのよ」と言います。母親が子どもに対して、いつも静かなトーンで言い聞かせることがいかに難しいかがわかります。

また、げんこつやお尻を打つなどの体罰をとりいれていた家庭は昔は今よりも多かったので、「あれは必要な躾だった」と思っている保護者の方にとっては(愛情を持ちつつも)虐待とのボーダーラインがわからない、というご意見もあります。子供の性格や状況、受け取り方によっても変わりますので、躾は本当に難しいですね。

■通報する前にできることは、ある

とはいえ、虐待は増えているというニュースはたびたび流れます。その件数は虐待「通報」が増えている数字でもあるそうです。

ボーダーラインは難しいのですが、願わくば通報前に、近所の方や知り合いのママが「どうしたの」「大丈夫?」と一声かける、というワンステップが、社会としては優しい気がします。「余計なお世話です!」と言われてしまいそうですが、そうであったとしても声かけをしてほしいと願うのは、甘いのでしょうか。

<参考>

厚生労働省:児童虐待の定義と現状
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/dv/about.html