<子どもの見守りとは>【後編】突然のICカードの残額不足に備えて、子どもに何を伝えておく?
前回からの続き。交通系ICカードの残高不足で、現金の持ち合わせもなく、バスから降りられずに困っている小学校高学年ぐらいの女の子と遭遇した投稿者さん。すでに発車予定時刻から5分が経過したことから、助け舟を出そうと不足分の200円を「使ってください」と差し出したのだそうです。
しかし女の子はオドオドした様子で「大丈夫です」と受け取ってはくれず、差し出した手を引っ込めることに。どうすればよかったのかとママたちに問いかける投稿者さんの声に対し、ママたちからは投稿者さんと同じように「不足分を出してあげる」という声がたくさん寄せられました。
【体験談】運賃が不足した場合、どうした?
『私もチャージ不足+現金持ち合わせなしをやらかしたことがあって、別の日に営業所で支払ったよ』
『私も子どもの頃にお財布を忘れて払えなかったことがあるけど、運転士さんに「次に払ってね~」と言われただけだった。帰って親に話して、母親と一緒にすぐに営業所へお金を持っていったよ』
ママたちの体験談のなかには、運転士さんから「次乗るときに支払って」などと言われただけでそのまま降車したという声が目立ちました。もちろん運賃未払いのままではなく、後日支払ったそうです。
ただ運転士さんが話す「次」がいつを指すのか、どう支払えばいいのかは明確にはされていないよう。このあたりは運転士さんが乗客の善意に任せているのかもしれません。もちろん運転士さんやバス会社によって対応は異なるでしょう。言ってしまえば無賃乗車ですし運転士さんは会社から叱責を受けるかもしれません。これ以上運転士さんに迷惑をかけないように行動したいですね。
善意に任せることに対する疑問の声
『200円くらいなら出してあげるかな。でも味をしめて、何度も寸借詐欺まがいのことを繰り返すようになったらイヤだなとも思う』
『「じゃあ、次乗るときに払ってね」ってあっさり降ろしたら、「ラッキー」ぐらいにしか思わなくない? 子どもでも大人でも、少しぐらいはイヤな思いをしないと悪いやつが増えるから仕方ないのかなと思う』
『次に乗るときに支払うって自己申告だよね。ちゃんと払う人っていないんじゃないかなあ?』
子どもがひとりで困っているところに大人が助け船を出す、運転士さんが「次回でいいですよ」と運賃不足でも許す。すべては善意ありきのことです。
しかし世の中には、誰かの善意に対して心のなかで舌を出すような人がいることも事実なんですよね。そのように考えてしまうと、不用意に関わらない選択をする気持ちも起こりえるでしょう。一部の心ない人の行動が、たくさんの人の善意をつぶしてしまうのは、やりきれないですね。
交通系ICカード・電子マネーが使えないときの備え
さて投稿者さんが見かけた女の子の状況が、わが子にも起こらないとは限りません。学年が上がるにつれ、子どもひとりだけや、子どもたちだけで電車やバスなどの公共交通機関を利用することもあるでしょう。ママたちはわが子の万が一に備え、どのような対策をしているのかを見てみました。
予備の現金を常に持たせておく
『うちは子どもには交通系ICカードのチャージ以外に、予備で1,000円くらいの現金を持たせている。でも持たせない親もいるみたいだよ。部活の遠征のときに、計算間違いで交通費が足りないとか駐輪代が足りないとかでうちの子が何回か立て替えていた』
『子どもには必ず現金を1,000円は持って出かけるように言ってある』
『こういうことがあるから、往復分の小銭は常に持たせておいたほうがいいね』
電子マネーや交通系ICカードのチャージ以外に、いくらかの現金を持たせるようにしているという声が寄せられました。残高不足以外にも、交通系ICカードそのものを紛失することもあれば、カードの不具合で突然使えなくなることもあります。多少の現金は持っていると安心ですね。
交通系ICカード・電子マネーの残高は親が管理する
『うちは3,000円をチャージして、残高が1,000円を切ったらまた3,000円チャージするようにしている。このやり方で今のところ残高不足になったことはない』
『旦那に過保護だと怒られるけど、ときどき子どもの交通系ICカードをコンビニに持っていき、残額確認をしている。1,000円以下になっていたら補充しておく。うちの子だけかもしれないけど、残額ってあまり見ないらしいから』
『うちも万が一のときに困らないよう、残高が1,000円を切ったら自動でチャージができるように設定してある』
子どもはカードのチャージ残高がいくらあるかをあまり意識して確認していないこともあるんですよね。
筆者の子どもも中学生のときに残高を確認しないでバスに乗り、残高不足寸前だったことがありました。経験を踏まえ、本人が常に残高を確認するようになりました。ある程度の期間は親が把握・管理しておくことも大切かもしれませんね。
万が一に備え対応をシミュレーションしておこう!
今回の女の子のように、大人が助け舟を出しても断ってしまう子は多いのかもしれません。危険から身を守るため、知らない人とは話さない、近寄らないと言われてきている子どもたちならなおのことでしょう。だからこそ子どもが困ったときに周囲の大人に「助けて」と言えるよう、練習をしておいてもよさそうですね。
今回のような状況であれば最低でも、「すみません、残高不足に気づきませんでした。現金も持っていないのでどうすればいいですか?」と運転士さんに相談できればいいですよね。また投稿者さんたちのような、善意から助け舟を出してくれる人がいたらどうするかも決めておくとよさそうです。お断りするのか、断るならなんと言えば失礼ではないのか。助けてもらうのであれば、お礼の言い方も含めて、一度でいいので親子で練習しておくことをオススメします。お金を立て替えてもらったのなら連絡先の聞き方もレクチャーしておいてもいいかもしれませんね。
これから社会に出ていく上で、周囲の人に「助けて」や「ありがとう」が言えることは、さまざまな状況で役立ちますよね。早いうちから教えておいてあげて損はないはずですよ。
文・櫻宮ヨウ 編集・山内ウェンディ イラスト・Ponko
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