子宮頸がんは早期発見可能!ワクチン接種・検診は母娘でよく相談を
女性特有のがんとしてよく知られるのが「乳がん」、そして「子宮がん」です。国立がんセンターによれば、その中で比較的発見しやすいとされているのが「子宮がん」の中の「子宮頸がん」。子宮の入り口近くに発生することが多いため、一般的な婦人科の診察でも発見されやすいのだそうです。早期発見すれば比較的治療しやすいものの、進行すると治療が困難になるがんの一種。つまり早期に発見することが、とても重要となるわけです。
あなたは子宮頸がんの検診を、ちゃんと受けていますか? また子宮頸がんを予防するワクチンのことを、とくに娘を持つママたちはご存知でしょうか?
まだまだ低い受診率。早期発見のためにもぜひ受けよう!
健康情報サービス「ルナルナ」と、女性の健康教育と婦人科系疾患の予防啓発活動を行う一般財団法人「シンクパール」が共同調査した、「子宮頸がん予防に関する意識調査」の結果が先日発表されました。
「ルナルナ」ユーザーである10代〜50代以上の女性6,334名に聞いたところ、子宮頸がん検診の受診状況は年代によって大きく違っていたそう。
30代後半は受診が「1年に1回(31.1%)」「2年に1回(14.8%)」の女性を合計すると半数近くとなり、それ以降の世代では5割を超えます。けっして高い受診率とはいえない状況ですが、それ以下の世代ではさらに低い割合に。厚生労働省の指針では20歳以上は2年に1回の受診が推奨されていますが、20代前半では「受診したことがない」女性が62.9%もいました。
ではなぜ受診をしないのか、受けたことがない女性にその理由を尋ねています(複数回答・上位5つ)。
第1位は「婦人科に行くことに、抵抗がある(29.2%)」。ママとなった女性であれば別ですが、若い世代には病気になったら行く場所、妊娠したら行く場所というイメージが強いのかもしれません。ともすると乳がん検診以上に、不安を感じてしまう女性がいたとしてもうなずけます。
知ってた?12歳〜16歳の女子は、ワクチン無料接種が可能
ところで子宮頸がんには予防法があることを、ご存知でしょうか?
国立がんセンターの「子宮頸がんとは」によれば、子宮頸がんの発生には多くに「ヒトパピローマウイルス(HPV)」が関連していると言われており、HPVは性交渉によって感染することが知られているそうです。HPVの感染自体は珍しいものではなく、多くは症状のないうちに排除されますが、まれに感染が続くと一部にがんが発生すると考えられているのだとか。
厚生労働省によればワクチンの接種により、子宮頸がん全体の50〜70%の原因とされる2種類のHPVなどの持続感染を予防できる効果があるとされています。
調査では、このワクチン接種の有無についても聞いてます。
接種率は全体で11.5%。現在20代前半となる女性のみが7割近い接種率となっているのは、2010年にHPVワクチンの公費助成がはじまったことが影響しているよう。
ただその後接種による副反応の疑いなどが報告されたことから、現在国は一時的に積極的な推奨を取りやめている状態です。現在もHPVワクチンは定期接種として、12歳から16歳の女子であれば無料で受けることができるのですが……。
ワクチン助成がスタートしてからしばらく、接種による副反応が大きく報道されたのを覚えているママもいるのではないでしょうか? 「一時的」とされながらその後数年たった今現在も、いまだ「積極的な推奨」再開の知らせはないままです。
娘に受けさせる?受けさせない?揺れるママたちの思い
HPVワクチン定期接種の対象となる年頃の娘を持つママたちも、ママスタコミュニティでこうした相談をしています。
『我が家には6年生の娘がいるのですが、子宮頸がんワクチンを受けるべきかどうかでずっと悩んでいます。副作用とかで、一時期騒がれませんでしたか? 私自身が子宮がん検診で引っかかってしまったことで、娘のことも考えるようになりました』
相談を受けたママたちの考えも、さまざまです。
『副反応が起こる可能性があることをきちんと説明して接種はさせず、その後彼氏ができたら話をしようと思う。予防接種をしてないから避妊しないとウイルスに感染する可能性があること、あとは定期検診をちゃんと受けるようにということ』
『うちは今中学3年生なんだけど、小6の時に小児科と市から「ワクチン接種は副作用の関係でできません」的なことを言われたよ。「見送ってください」みたいな。どうしてもしたい場合は、任意で同意書も必要だって。だからうちは接種してない』
『かかりつけ医とよく相談したうえで小学6年生から打ちはじめて、今年の春にやっと接種が終わりました。やってよかったです。痛みに強い子なので参考になるかはわかりませんが、特別に痛い注射ではなかったようです。接種後の副反応は「インフルエンザの予防接種のほうがある」と言っておりました』
ママスタコミュニティ内でアンケートも同時に取っており、結果は「接種した」が約13%、「接種予定」が約10%、「考え中」が約16%。圧倒的に多かったのが「接種するつもりはない」の55%で、「子どもが受けたいと言っても、受けさせない」も約6%。我が子のことを思うと、まだまだ懐疑的なママが多いようでした。
まずは母娘で検診について話し合ってみよう
現在も厚生労働省は接種を検討している親子に向け、ワクチンの意義・効果と接種後に起こりえる症状について確認し、検討するようにすすめています。
接種するのかどうか自体はともかく、定期的に検診を受けることはいずれにしても大切です。「ルナルナ」の調査では、実際に娘とワクチン接種や検診について話したことがあるかどうかについても聞いています。 「検診・ワクチン両方について話したことがある」と回答したのは、15.6%と少数派。「どちらも話をしたことがない」が58.6%となりました。身体についての話は母娘だからこそ照れくさく、話しづらいこともあるかもしれません。ただ娘にとっては、ママが一番身近な女性の先輩であることもたしかです。娘の将来を守るためにも、一度話し合う機会を設けてみてはいかがでしょうか?
期間:2019年6月7日〜10日
方法:健康情報サービス「ルナルナ」内
対象:10代〜50代以上の女性6,334名
機関:「(株)エムティーアイ」、一般財団法人「シンクパール」
文・鈴木麻子 編集・しらたまよ
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