山根良顕:第4回 つわりの奥さんのケアをすることが、僕にとってはパパになる準備でした
第4回目となる今回は、とても大変だったという奥さまの妊娠中の話をお聞きしました。妊娠中にこんなに寄り添ってくれる旦那さまは、本当にステキです!
奥さまの妊娠がわかったときいかがでしたか?
奥さんから体調が悪いという連絡が来て、家に帰ったら奥さんが寝ていていたので「大丈夫?」と聞いたんです。そしたら「妊娠したよ」と報告されました。
子どもが欲しかったので、すごく喜んだんですけど、そのときの様子を奥さんにこっそり撮影されていました(笑)。
相当嬉しかったので、すごく喜んでいる僕が写っています(笑)。
今でもその動画を見ると恥ずかしいんですが、奥さんが記念に残してくれていたのは嬉しかったですね。
奥さまの定期健診など、病院には付き添っていましたか?
奥さんのつわりがひどかったり、妊娠糖尿病になったり、脚がムズムズかゆくなるような症状があったので、僕のスケジュールが調整つくときは一緒に行っていました。
エコーで赤ちゃんを見ると感動しますよね。動いているのを見て、「わぁ、本当にこの中にいるんだなぁ」という気持ちで感動しましたね。
「父親になるんだ」という気持ちはいつ頃芽生えましたか?
妊娠中の早いタイミングで「父親になるんだ」と思いましたね。
でも、嬉しい気持ちと不安な気持ちが半々でした。もちろん嬉しい気持ちのほうが大きいのですが、今までに感じたことのない不安が自分の中に芽生えたのを覚えています。
「仕事がずっと続いていかないと家族を食べさせていけなくなるな」とか、「本当にこの先大丈夫かな?」という将来の不安は感じましたね。
結婚したときは、「奥さんと一緒にやっていく」という気持ちが強かったけれど、子どもが生まれると、僕ら夫婦がなんとかしないと生きていけない子がこの世界に出てくるということだから、今まで以上に“ちゃんとしないといけないな”と思いましたね。
パパになるためにした準備はありますか?
パパになる準備は、実は何もできていなかったんです。というのも、マイナートラブルが多かった奥さんのケアで余裕がなかったから。
つわりがひどかったり、夜中は足の神経が圧迫されて、ムズムズかゆくて眠れないということがあって、奥さんが足踏みなどをしていて。そんな中、僕1人だけ寝るわけにもいかないので、一緒に付き合って朝方まで起きてて、そのまま仕事に行くこともありました。
奥さんは妊娠糖尿病もあったから、甘い物も我慢しなくちゃいけなかったんですけど、妊娠糖尿病の人でも食べられるスイーツが買えるお店があると知って、調べて買いに行ったこともありました。
奥さんのつわりは、出産まで続いたんですか?
生まれるまで続きましたね。
本当に見ているだけで辛くなるほど、つわりが大変そうでした。
そういう状況で奥さんのケアをすることが、子どもが生まれてくる準備になった気がします。
実際、子どもが生まれた後のほうが楽だったんです。寝る時間も増えた感じで、「あぁ、すごく眠れる」と思ったくらい。
赤ちゃんは3時間置きに起きるといっても、夜はミルクにしていたので、飲ませたら寝てくれました。だから、妊娠中より睡眠時間があって、生まれる前のほうがずっとしんどかったです(笑)。
そんな中で撮影されたマタニティフォトだったんですね。インスタグラムでもとても話題になりましたね。
そうですね。奥さんの体調がいいときに、奥さんが見つけてきたマタニティフォトのスタジオで撮影したんです。
つわりなどが辛いなか、金額が安いところをちゃんと探してくれて(笑)。そういうマメなところも本当にすごいなと思います。
僕はそれまでマタニティフォトが何なのかを知らなくて、奥さんから聞いて「そういうのがあるんだ」と知ったんです。当時はネットのいろんなマタニティフォトの画像を二人で見ながら「こういうのが撮りたいな」と言ってましたね。
山根さんは、奥さんが希望することに積極的に参加してくれますね。
だって、自分だけ記念の写真に写ってないって嫌じゃないですか?(笑)。
家族で撮る写真にはちゃんと自分も写りたいなと思うので、参加しますよ。
そのときにしか撮れないものってあるから、やったほうが楽しいですよね。
インスタのマタニティフォトがたくさんの方から反響をもらえたのも、奥さんがいいなと思うものを載せたからだと思います。
僕のセンスで撮った写真だけ載せていたら、こんなに「いいね」をもらえなかったと思います (笑)。
出産は立ち合いですか?
立ち合いたかったんですが、妊娠糖尿があったり、つわりや足のムズムズで、奥さんがあまり睡眠を取れていない状態だったので、早く赤ちゃんを出してあげようということで帝王切開での出産になったんです。
僕は、奥さんの両親と一緒にロビーで待っていたんです。オペ室に入ったら「15分くらいで産まれます」と言われていたのに、待っても、待っても「産まれました」と報告がなくて。それで奥さんのお父さんが聞きにいったら「もう産まれてますよ」って (笑)。
赤ちゃんを初めて見たときいかがでしたか?
「あぁ、出てきたんだ。家族が1人増えるんだ」という気持ちでしたね。
赤ちゃんを見たときは、「あ、出てきたんだ」という気持ちが強かったんですが、奥さんの手術室から戻ってきた顔を見たときに、「がんばったね」という気持ちと感動で泣きましたね。
妊娠中の大変さを見守り続けてきたので、奥さんが頑張ってくれたから子どもが無事に産まれたという気持ちが溢れて泣いてしまったんです。
赤ちゃんが生まれてからのほうが楽だと感じたというほど、妊娠中からパパになる意識を持って寄り添ってくれる山根さん。次回もさらにパパとしての山根さんに迫ります。お楽しみに!
(取材、文・上原かほり 撮影:泉三郎)
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