<長女の生きづらさ?>「お姉ちゃんだから」に縛られ続けた女性たちのモヤモヤとは…?
「姉だから」「長女だから」と、無意識のうちにきょうだいの役割を押し付けられてきたことはありませんか? 幼いころから周囲に決めつけられた立場のまま大人になり、結婚や出産を経て改めてその違和感に気づく女性たちがいます。今回は「姉」という役割に翻弄される3人の女性のエピソードを紹介します。
エピソード1:「お姉ちゃんだから」その言葉にかけられた呪縛とは?
妊娠をきっかけに、「連絡を控えます」と一方的なメールを送ってきた姉・キョウカ(仮名)さん。その文面を見た妹のミカコ(仮名)さんは思わず「はあ?」と目を疑ったといいます。ミカコさんが出産間近の姉に使わなくなったベビーグッズを譲ろうとしていた矢先の出来事でした。
以前からやり取りもあり、特に不仲というわけでもなかったのに、なぜ突然そんなメッセージが?
実はキョウカさん・ミカコさん姉妹は、母から「お姉ちゃんなんだから我慢して」「妹なんだから甘えちゃって」と言われ続けてきました。姉のキョウコさんは“姉だから”という言葉の裏に、ずっと「我慢して当然」という重たい意味を感じていました。
そんななか、妹のミカコさんから放たれた一言をきっかけに、キョウコさんの我慢がついに崩れ落ちました。「お姉ちゃんだから」その呪縛に気づいた瞬間、姉妹の関係に亀裂が生まれたのです。
【お姉ちゃんの呪縛】妊娠したので連絡を控えます「はあ?」目を疑うLINE<第1話>#4コマ母道場
エピソード2:【アリ姉とキリギリス妹】ママになっても続く姉妹の違い
姉のアンナ(仮名)さんと妹のクルミ(仮名)さんは、どちらも子育て真っ最中。アンナさんはしっかり者の甘え下手、クルミさんは甘え上手の無頓着と性格は真逆でした。
最近、アンナさんは母の口から出た「またクルミが子どもを連れて、家に来てるのよ」という、“また”という言葉に引っかかりました。そんななか、母が体調を崩していきます。アンナさんが心配してもクルミさんは些細なことで子どもたちを母に預けます。そしてついに母の体は限界を迎えてしまったのです。
それでもまだ母を頼ろうとするクルミさんに、アンナさんは激怒。そして、ずっと子育てを母に頼っていたクルミさんは、母を頼れなくなって初めて夫婦の大きな問題に気がつくのです。
【アリ姉とキリギリス妹】母となり、家庭をもった2人の娘。性格は違えど…?<第1話>#4コマ母道場
エピソード3:【奨学金で姉妹バトル開始!】旦那が返還?自分で返還どちらが幸せ?
大学に進学時、ふたりのきょうだいはそれぞれ奨学金を借りました。その返済をめぐって大げんかに!
姉のマイ(仮名)さんは、大学進学のために借りた奨学金をコツコツ返し続けている真面目なタイプ。対する妹のミサキ(仮名)さんは、「夫が代わりに奨学金を返してくれてる」とさらりと言い放つようなタイプです。
「自分で返すのが当たり前でしょ。人に頼るなんて」と言うマイさん。実は、昔から要領が良すぎる妹のことを許せないと思っていました
一方ミサキさんは、マイさんに対して「(自分の)旦那みたいに奨学金を返してくれる人と結婚すれば?」と口走ってしまいます。
「奨学金を自分で返す」「夫婦で返す」どちらも間違いではありません。しかし、このことをきっかけに、それぞれ生きてきた価値観が大きく違うことをふたりとも痛感してしまったのです。
【姉激怒!奨学金の返し方】進学のための奨学金……いとしの旦那サマが返還<第1話> #4コマ母道場
“長女だから”“姉だから”の呪縛を解くために
3つのエピソードに共通しているのは、“姉だから”という役割を背負わされてきた女性たちの葛藤です。
子どものころは、親の期待に応えることが“いい子”の証でした。でも大人になった今、大切なのはきょうだいの上下関係ではなく、対等な関係です。
お姉ちゃんだって、助けがほしいときがある。妹だって、支える側になることができる。小さなころから続いてしまっているきょうだいの役割をそっと手放したとき、人は少し自由になれるのではないでしょうか。
文・岡さきの 編集・編集部
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