【相模原STEAM教育ツアー】「相模原市立博物館」で観る10億個の星×8K映像のプラネタリウム
神奈川県相模原市で開催された、親子で楽しめる「相模原STEAM教育ツアー」に、ママスタ編集部が親子で参加してきました。今回訪れたのは、「JAXA相模原キャンパス」から徒歩5分の場所にある「相模原市立博物館」。1995年に開館し、今年で30周年を迎えます。
約1万平方メートルの広い敷地に、森に囲まれた建物がゆったりとたたずみ、ガラス張りの中庭には緑の木々が生い茂っていて、館内を歩いているだけで1日の疲れをホッとできる癒しの空間でした。
すぐそばの「JAXA相模原キャンパス」との連携で、実物大の「はやぶさ」模型や貴重な資料展示もあり、本物の隕石や天文に関するコレクションも充実していますよ。
まるで銀河系にいるかのよう!プラネタリウムで宇宙体験
今回は、2025年7月にリニューアルオープンしたばかりの最新8Kプラネタリウムも見学しました。世界で初めて「8K映像」と「10億個の星の投影」を同時に実現した施設で、オープンからわずか1週間で6,000人が来場したという人気ぶり。目の前に広がる満天の星空は、まるで宇宙を旅しているかのようで、大人も子どもも思わず息をのむほど。
最新プラネタリウムでは、2026年に打ち上げ予定の「MMX 火星衛星探査計画」を紹介する全天周映画も上映中。火星とその衛星の壮大な景色が、まるで目の前に広がるような迫力です。
さらに、小さな子どもにも人気の「すみっコぐらし ひろい宇宙とオーロラのひかり」も上映され、家族みんなで楽しめる内容になっています(共に2025年9月30日まで上映)。「子どもが泣いてしまわないか心配」というママは、子どもが泣いても安心して観覧できる多目的室もあるので、安心して利用できますよ。
「相模原STEAM教育ツアー」で子どもたちの心を動かしたのは?
ツアーの最後には、同行した教育ジャーナリストのおおたとしまささんが、今日一日を共に過ごした子どもたちに「どこが一番面白かった?」と問いかけました。多くの子どもたちが手を挙げて答えたのは、「藤野芸術の家」でのガラス工芸体験。グラスに貼るシールを選んだり、デザインしたりと、“本物”の手応えに、目を輝かせていた姿が印象的でした。
ほかにも、「麻布大学いのちの博物館」で骨を並べた展示が印象に残った子、「JAXA相模原キャンパス」でロケットの知識を熱心に語った子。プラネタリウムで宇宙の壮大さに圧倒された子もいました。
おおたさんは、「今日体験した4つのスポットはどれも素晴らしかった。でも、印象に残ったのは、「カフェレストランShu」で見た“店長さんの笑顔”だったと感じる子もいるかもしれません。でも、それでいいんです。大人が「見せたいもの」と、子どもが「心を動かされるもの」は違う。それが“学び”の原点なんです」。
続けて、「もし近くに今回ツアーで行ったSTEAM教育のような施設がなくても、学びは生まれます。必要なのは、子どもの“知りたい”という気持ち。それを信じて、そっと支えるのが大人の役目です」と語りました。
大人が「これは見せてあげないと」と思うあまり、子どもに“学びを与える側”に立ちすぎると、本来の教育の意味を見失ってしまうこともあります。大人は「教える」のではなく、子どもたちの気づきや感動を「邪魔しないこと」、そして「環境がないのを言い訳にしない工夫をすること」がこれからの教育に必要な視点だと、改めて感じました。
図鑑の中の知識が“リアルな体験”になった1日
今回のツアーでは「STEAM教育」の5つの分野(Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics)にとらわれない、子ども一人ひとりが主体となる自由な学びの世界を体験することができました。
最先端の科学や芸術を体験できる「STEAM教育」のフィールドが揃う相模原市。今の時期に限らず季節ごとに訪れることで、大自然の魅力も感じながら、親子で学びを深めていくことができそうですね。知的な刺激と感性のワクワクが同時に味わえる、そんな特別な1日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
相模原市立博物館
所在地:神奈川県相模原市中央区高根3-1-15
開館時間:9:30〜17:00 / 休館日:月曜日(祝日の場合翌日)、年末年始など
入館料:常設展示は無料。プラネタリウムは一般500円、子ども200円(市内在住・在学の小中学生は無料)
駐車場:無料(95台あり)
交通:JR横浜線「淵野辺駅」北口よりバスで「市立博物館前」下車すぐ
車の場合は、国道16号「共和4丁目」交差点から西へ約500m
取材・文、長瀬由利子 編集、撮影・編集部
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