<人気スポット>クロネコヤマトの物流ターミナル「羽田クロノゲート」ってどんなところ?第1回
クロネコヤマトの宅急便でお馴染みのヤマトグループ。その物流の仕組みを東京都大田区羽田旭町にある日本最大級の物流ターミナル「羽田クロノゲート」で見てきました!

筆者撮影
親戚や知人に荷物を送る場合など、生活の中で配送サービスを使う機会が多いのではないでしょうか。コンビニや営業所から送ったり、場合によっては自宅まで集荷にきてもらったり。またネット通販で買ったものも、安全に自宅まで届けてもらっています。当たり前のように思ってしまうかもしれませんが、その裏にはもちろん荷物を届けてくれる人やシステムが存在します。そうした仕組みがどうなっているのかを見られるのが、羽田空港から目と鼻の先にあるヤマトグループの「羽田クロノゲート」です。見学に行ってきたので、この記事でレポートしていきます!
羽田クロノゲート、大きなクロネコが迎えてくれます!
羽田クロノゲートは、ヤマトグループがもつ日本最大級の物流ターミナル。羽田空港に近く、さらに港や高速道路、貨物列車の駅にも近いので、陸・海・空のすべての輸送手段をスムーズに使うことが可能です。
さっそく入っていきましょう! 羽田クロノゲートの見学コースのルートは6つのゾーンに分かれていますが、まずは入口に注目。

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入口には「ウォークスルー1号車」が展示されていました。「ウォークスルー」というのは、車においては運転席と荷台の間に仕切りがなく、ドライバーが運転席から直接荷台へ移動できる構造のことをいいます。この特別な作りはドライバーさんが運転席のドアを開けて外に出なくても、荷物の確認や取り出しができるようにするため。現在ではさらに進化をしていて、環境に配慮した温室効果ガスを排出しないEVのウォークスルー車が導入されています。さらに、荷物の出し入れがしやすいように荷台部分が低くなっているなど多方面で工夫がされていますよ。

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そしてウォークスルー1号車の隣には大きなクロネコが! けっこうリアルですし、かなり大きいので小さいお子さんはびっくりしてしまうかもしれません。
ヤマトグループ100年を超える歴史の振り返り

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羽田クロノゲートの見学コースには、ヤマトグループのこれまでの歩みを一気に見られる「100THANKS」があります。これが見学コース1つ目のゾーンです。ヤマトグループが創業したのは1919年のこと。当時は全国のトラック台数は204台、その内4台のトラックを保有し、東京・銀座で大和運輸株式会社としてスタートしています。

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今ではお馴染みの「クロネコマーク」ですが、なぜクロネコ? その理由もありました。
ヤマトグループは1957年にアメリカの運送会社アライド・ヴァン・ラインズ社と業務提携をしています。その会社のマークが「親子猫」のマークだったのです。母猫が子猫を優しくくわえて運んでいるマークに込められた「careful handling(丁寧な荷扱い)」の意味に共感した当時の社長(小倉康臣氏)は、母猫が子猫を運ぶように優しく荷物を運ぼうと考え、同社から使用許可を得てこのマークを使うようになったそう。デザインは当時の広報担当者のお子さんが画用紙に書いた「猫の絵」がヒントになったといわれています。

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普段から目にしている「ご不在連絡票」にも工夫がされています。縁がギザギザにカットされている「ネコ耳カット」は、目が不自由なかたへの配慮。ここに触れることで、荷物を届けるためにヤマト運輸のドライバーさんがきたことがわかるようになっています。

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またスタジオジブリの「魔女の宅急便」という映画をご存知のかたも多いと思います。このように「宅急便」は映画のタイトルに使用されたり、筆者たちも日常的に口にしたりしている言葉ですが、実はヤマトグループが商標登録しています。他の運送会社さんなどは「宅配便」としていますが、「宅急便」を使うことができないからなのですね。
荷物を運ぶトラックがずらり

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「100THANKS」を過ぎると、2つ目のゾーン。企画展示コーナーでは企業広告など、現在ヤマトグループが行っている取り組みを展示や映像を通して紹介しています。さっそく現在のヤマトグループの公式キャラクターであるクロネコ・シロネコがお出迎え。クロネコ・シロネコは1991年に登場し、ヤマトグループ100周年の年でもある2019年11月29日にリニューアルしました。ちなみに現在のクロネコ・シロネコをデザインしたのは絵本作家でイラストレーターの坂崎千春さん。他にJR東日本のSuicaのペンギンもデザインされていますよ。

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その先を進むと、窓からはずらりと並んだトラックが見えました。ここからベースと呼ばれるターミナルの中に、荷物が運ばれていきます。ヤマト運輸以外のトラックもたくさんありますが、運ばれるすべての荷物にはヤマト運輸の伝票が貼られていますよ。
この先ではヤマト運輸の物流への想いや実際に荷物をどうやって仕分けていくのかなどを見学できます。
取材、文・川崎さちえ 編集・ここのえ
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